台湾でUberが違法となり営業停止! → 再開した!(2017年4月)

台湾でのUber(ウーバー)の台湾進出以降の動きと現状について、台湾現地からレポートします。今まで台湾では、ウーバーの営業は、グレーソーンで運営されていましたが、とうとう政府が道路交通法を改正するに至り、台湾から締め出されることになりました。

日本でも話題になっているUberとは米国で生まれた、従来のタクシーに変わる、タクシー免許を持っていない一般人による個人請負タクシーのようなものですね。ただし、Uber社はアプリを提供している情報通信業との位置付けです。

 

Uberが台湾に新規進出して以降~営業停止までの経緯

台湾では2013年、Uberが新規進出をして以降、台北や高雄で営業をしていました。私が住んでいる台中でも中心街ではウーバーの利用ができるようでした。

昨年あたりから、台湾中央政府・交通部(国土交通省に相当)がウーバーは違法だという対応をし始め、取締りを強化し始めていました。

そして、その間、交通部とウーバー側との間で、違法か合法かという裁判に発展していました。ただし、ウーバー側は情報通信業としてアプリを提供しているだけであり、実際に旅客業務を運営しているわけではないという事情もありました。

既存のタクシー業界の圧力もあり、交通部は違法性を主張していましたが、一旦、裁判では違法性が認められないということで、交通部が敗訴していました。

その後、道路交通法が改正されるに至り、最大で2,500万元の罰金が科されるようになりました。今月になり、交通部はウーバーが違法営業をしていることに対して、2,500万元の罰金を科すことを決めました。

そのため、ウーバーは2月10日をもって、台湾での営業を停止することになりました。実際に、Uber台湾のHPで予約をしようとしてみたのですが、どの地域も予約が出来なくなっているようでした。

 

利用者側から見たUberとタクシーの違い

台湾のタクシーに関しては、かつて日本人女性が殺傷されるなどの事件が起こったりして、夜間に女性一人の利用は躊躇するような状況にあります。必ずしも、全てのタクシーが安全ではないというわけではないですが、台湾の事情を知らない外国人にとっては、恰好のカモになることも多くあります。

例えば、道を知らない外国人には遠回りをして、通常よりも多くの運賃を請求したり、メーターを使用しないで走らせて、法外な料金を請求するなどのことも怒らないわけではありません。そのため、台湾のタクシー料金は、日本と比べれば、非常に安く感じますが、乗車している時の運転も荒く、あまり良いイメージではないのが現状です。

それとは対照的に、Uberは予約時点で、乗車時間だけではなく、出発地と到着地が決定しているため、利用料金が簡潔明瞭です。しかも、利用料金はタクシーよりも安い場合が多いのが現状でした。それに加えて、利用者からのドライバーへの評価制度もあるため、サービスの品質は既存のタクシーよりも高いと言われていました。

そのため、台湾ではUberが社会に浸透して、サービスも利用者も拡大してきたわけです。ところが、既存のタクシー業界のタクシードライバーからすると、お客さんを奪われ、仕事を奪われ、収入にも大きく悪影響を及ぼす存在になってしまいました。そのような既存勢力からすれば、タクシーの許認可を取得して営業していることに対して、ウーバーは、所謂「白タク」行為に当たると捉えられるのも最もな話です。

利用者側から考えると、ウーバーには一長一短があるように思われます。リーズナブルな利用料金で、より良いサービスを提供するウーバーですが、その中には安全を担保できないような運転手がいてもおかしくないでしょうし、交通事故が起きた時には、補償されるとは限りません。既存のタクシー運転手にも生活があり、家族もいることでしょう。そう考えると、大きな問題に発展する可能性はいくつかあるわけです。

 

外国人でもドライバーとしてUberを利用できた!?

話は変わりますが、Uberと同じようなサービスでAirbnbという宿泊施設を提供するサイトをマッチングさせるサービスがあります。これも同じ構図になりますが、既存のホテル vs Airbnbのホスト、という対立式があります。特に、Airbnbの場合は、外国人であっても、空いているアパートやマンションがあれば、あるいは空いている部屋があれば、貸し出すことが出来てしまいます。

同じように、Uberでも自家用車を所有していて、運転することに不安がなければ、外国人であっても、営業ができてしまうのではないかなと思っていました。例えば、台湾在住の日本人であれば、日本人旅行客専門のドライバーをして、小銭を稼ぐというように・・・。それも、ウーバーが営業停止に追い込まれたため、今後は出来なくなったということになります。(実は、私が期待していたのは、ウーバーで副業をすることだった!?)

オマケに・・・それでは、タクシードライバーのライセンス(職業計程車駕駛人執業登記証)を取得すれば、外国人(日本人)でも台湾で日本人専門のハイヤータクシー業務ができるのではないかと思ったのですが、台湾ではタクシー営業をするための免許証は、台湾人(中華民国国民証の所持者)に限定されています。つまり、台湾では外国人はタクシードライバーをすることが出来ないという法律になっていました。

《追加情報》

2017年4月13日からUBERは営業を再開しました。認可を受けた業者のみと提携することで、営業再開にこぎ付けたようです。そのため、大幅にUBERの台数は減少している模様です。

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