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台湾の働き方改革!?一例一休とは?完全週休二日制とその影響

      2017/04/07

台湾で最近話題となっている「一例一休」という言葉と労働者の働き方、および、この制度が採用されるようになった場合の影響について、台湾現地からレポートします。

最近、日本では働き方改革として、再雇用や長期労働などの話題が世間をにぎわしているようですね。実は、台湾でも民進党政権に移行してから、働き方に大きな影響を与える労働者の休日制度について、政府や国会のみならず産業界を巻き込んで大きな話題になっています。

 

一例一休とは?完全週休二日制との違いは何?

一例一休とは、一言で言うと、完全週休二日制を法制化しようということです。ご存知の通り、完全週休二日制とは、1週間(7日間)の内、2日間を休みにする制度です。そもそも、台湾では昨年から労基法規則において「週休両日(休)」という制度があり、一週間で二日の休みに対応する労働基準法が運用されていました。

それに対して、民進党が持ち出してきた「一例一休」とはどのような仕組みなのでしょうか?
「一休」とは一休日とも呼ばれ、一週間に一日の休日(休息日)という意味です。この休日の考え方は、日本でも一般的な土日休みの休日とほとんど同じです。つまり、会社側は必要があれば、労働者を一定の割り増し賃金(時間外手当)を支払うことで、出勤して働いてもらうことが出来ます。

それに対して、「一例」とは一例日とも呼ばれ、「例日」とは一般的な休日とは異なり、原則的には労働者を出勤させることが出来ません。ただし、天災など災害や事故などやむを得ない場合のみ出勤させることが出来ます。そして、この場合は、労働者に2倍の賃金を支払わなければならなくなる上に、代休も与えなければならなくなります。言い換えると、基本的には1週間に1日働くことを禁じている日ということになります。(極端な政策!?)

つまり、「一例」と「一休」との違いは給料(賃金)と代休の有無と休むことが義務かどうかと言う点で大きく異なっています。雇用主からすると、新たに制定される「一例」では、大きなコスト負担を伴う可能性が生じます。そのため、産業界からは政府に対して、大きな批判が巻き起こっているのが現状です。

それと同時に、「国定祝日」の削減も立法院(国会に相当)で議論されてきました。今まで年間19日間の祝日だったものを7日間分削減しようという試みです。一般的に、日本と同様に台湾でも、公務員や大企業などでは中小企業よりも祝日が多くなっています。これらの祝休日の格差を縮めようという試みなのですが、公務員や大企業に勤務している労働者からすれば、年間休日が減らされると考える人たちも多くいるのも現実です。

 

一例一休の休日システム適用による問題とは?

新聞などの報道によれば、上記のような休日制度の変更により、企業のみならず、台湾の生活者に対しても、少なからず影響が及びそうです。

一例一休は、企業側には非常に厳しい制度ですが、見方によっては労働者側にも大きな影響を与え、更に商品やサービスの提供を受ける顧客・生活者にも影響が波及する場合もあります。

サービスの低下と物価の上昇

一例一休により、働く時間が少なくなることは労働者の視点からは良いことですが、顧客の視点から考えると、サービスの低下と物価の上昇が指摘されています。具体的には、例えば、国光客運という台湾で最大規模の長距離バスを例に挙げると、同法制度が適用になる春節以降は、バスの運行本数が少なくなる予定です。その結果、バスチケットの乗車運賃が5%から8%程度、値上げされる予定だと予測されています。

人件費の上昇と物価の上昇

上述した通り、企業からすると労働者の休日出勤などが多くなるため(?)、人件費が上昇すると予測されています。実際に、今年から多くの飲食店で価格の値上げが実施されています。例えば、今や台湾人にはなくてはならない、早餐店(朝食店)では年明けから値上げがされたと報じられています。私がよく利用している、安くて早くて旨い、このようなお店でも一部のメニューは値上げされていました。

営業時間の短縮

一例一休により、働く時間が少なくなるということは、社員の勤務時間の管理も厳しくなります。その結果、販売業を含めたサービス業では、営業時間を短縮する企業も増えることになります。例えば、台湾ホンダ自動車や現代汽車では最大で3時間程度の営業時間の短縮を検討しています。その他のレストランなどでも営業時間の短縮を検討していると報じられています。

労働者は時間外労働の制限で給料減少

労働者の視点からすると、働く時間を法律に基づいて、厳密に管理されることになり、以前と比べると労働時間が減少することになります。その結果、残業時間が制限されることになるため、時間外労働手当も削減されることになります。

例えば、上述した国光客運では休日出勤をしていたスタッフは、今後そのような働き方は制限されるため、バスの運行本数を削減することになり、時間外労働として働いていた給料分は少なくなります。結果的に、バス会社で働く運転手の平均月給は約10,000元程度少なくなると予測されています。

 

まとめ

上記のように、法律上で完全週休二日制を適用する上に、一般的な完全週休二日制以上に厳しい「一例一休」という新しい働き方と休日の制度により、春節以降は台湾社会が変わり、将来的には市民の考え方が大きく変わる可能性があります。

そして、生活者目線で見ても、確実に物価上昇の足音は響きつつあります。(実際に今年から至る所で物価上昇しています)それと同時に、地域の医療を担っている大病院さえも、問診は週7日から週6日へ診察日を減らそうという動きさえあります。

台湾の現政権は、民衆の側に立って政策を実行しつつありますが、産業界との溝が深くなる一方です。また昨年の5月に就任以来、徐々に現政権の支持率も安定的に下がっています。一例一休という制度を一つ取り上げてみても、社会にプラスになる政策なのか、大きなマイナスを伴う政策なのか、もう少し時間が経過した後、気付かされることになるのかもしれません。

 

《追加情報》

春節明けより長距離バス会社の乗車時の切符料金が値上げされ始めました。そして、4月に入り、先月(3月)の様々な統計情報が公表され始めています。

一例一休の影響により、高速バス会社(客運)の切符の値段が、18.28%値上がりしたと報じられています。このように、一例一休の影響は直接的あるいは間接的を問わず、台湾の物価に少なからず影響を及ぼし始めています。上記の例は、氷山の一角で、今後は更に様々な産業に波及していく可能性を秘めています。

 - 台湾社会

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