台湾人の宗教観|台湾の生活に浸透する拜拜

台湾の生活文化に浸透している「拜拜」と宗教観についてのレポートです。拜拜とは、日本流に言えば、神社でのお祈りやお寺へのお参りに当たるものです。ただし、台湾には神社は、日本統治時代に建設されたものの一部が残されているだけで、基本的には存在しません。そのため、寺院でのお参りに相当するものだと言いたいところですが、実は台湾では事情が少しだけ異なるようです。

 

日本では、願い事は神社に行き、神様に成就するようにお祈りすることが多く、お寺でお願い事をすることは少ないかもしれません。台湾では神社はほとんどありませんので、お寺に行きお願い事をすることになります。それとは別に、台湾にはどこに行っても、その土地の神様が存在していると信じられています。その神様を祀ってある場所は、「土地公」と言われています。多くの場合は、小さめの赤色の寺院造りの建物に祀られています。

 

この土地公に対して、多くの台湾人は、1ヶ月に2回決められた日(旧暦の1日と15日、あるいは2日と16日)に拜拜をします。台湾は小さな島国ですが、各地域では風習が異なるため、標準的な拜拜の方法があるのかどうか分かりませんが、一般的には、果物や肉などのお供え物を持って、土地公へ行き、お経を読み、日々の生活の無事をお願いするようです。
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台湾の土地信仰「土地公」~一体これは何をするところ~

 

台湾での宗教は、多くの台湾人が仏教と道教、あるいはそれらの融合宗教を信じていますが、キリスト教を信じている方たちは、このような土地神様に参拝するのでしょうか?このことについて、台湾人の方に聞いたところ、キリスト教徒の場合は、土地公への参拝はしないそうです。それでは、仏教系の信徒の方たちは、全世帯で土地公に参拝するのでしょうか?という質問をしたところ、規模の大小を問わずビジネスをしている方は、月に2回の拜拜を欠かさないのだそうです。

 

そう言えば、日本にも地域によっては、持ち回りで定期的に地元の神社への参拝や清掃の習慣がありますね。台湾の土地公の位置付けは、日本で言えば、その地域ごとの神社によく似ています。日本の神社よりも台湾の土地公の方が、面積あたりの件数は多いように思います。自分の周りの台湾人の方が、このような宗教的儀式に対して敬虔の念が深い方が多いだけなのかもしれませんが、日本人の視点からは、一般的に台湾の方は宗教観念が強く感じます。その一方で、日本人の宗教観念の弱さは世界でもトップクラスだと実感しています。

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