台湾が正式に国交を締結している国は2019年9月の時点で15ヶ国です。
蔡英文総統就任以降の台湾と国交がある国の動向と中国の国交動向は、下記の通りです。
- 2016年12月 サントメ・プリンシペが国交断絶&中国と国交樹立
- 2017年6月 パナマが台湾と国交断絶&中国と国交樹立
- 2018年5月 ドミニカ共和国が台湾と国交断絶&中国と国交樹立
- 2018年5月 ブルキナファソが台湾と国交断絶&中国と国交樹立
- 2018年8月 エルサルバドルが台湾と国交断絶&中国と国交樹立
- 2019年9月 ソロモン諸島が台湾と国交断絶&中国と国交樹立
- 2019年9月 キリバスが台湾と国交断絶&中国と国交樹立
1971年に国連から脱退して以来、台湾(中華民国)は国際的に孤立化していきました。そして、現在、台湾と正式に国交樹立している国は15ヶ国だけです。
蔡英文総統の民進党政権になって以降、中国により台湾との国交締結国の切り崩しが加速しています。今後も中国の台湾に対するこのような動きは変わらないでしょう。
台湾と正式に国交締結している国は?
ヨーロッパ
- バチカン市国
オセアニア
- パラオ
- ツバル
- マーシャル諸島
ソロモン群島キリバス- ナウル
中南米
- セントルシア
- グアテマラ
- パラグアイ
- セントビンセントおよびグレナディーン諸島
- ハイチ
- ニカラグア
- ベリーズ
- ホンジュラス
- セントクリストファー・ネーヴィス
エルサドバドル(国交断絶)ドミニカ共和国(国交断絶)パナマ(国交断絶)
アフリカ
- エスワティニ
ブルキナファソ(国交断絶)サントメ・プリンシベ(国交断絶)
上記の通り、台湾と国交がある国は聞いたことがない国や聞いたことはあるが、地理的に、どこに存在するのか分からない国が多いです。
例えば、エスワティニがどこに位置しているのか分かる人は少ないでしょう。
台湾と国交を結んだ国の年表
台湾と国交を結んでいる国は、いつから正式な外交があるのでしょうか?
以下では、台湾と各国の締結年をまとめています。
国交レベルには大使級、公使級、領事級があるため、それぞれの外交年度に分けて表記しています。
一時的に国交が断交した場合の復交年を示しています。
国名 | 領事級 | 公使級 | 大使級 | 一時的 断交 |
---|---|---|---|---|
バチカン市国 | 1942年 | 1959年 | ||
キリバス | 2003年 | |||
マーシャル諸島 | 1998年 | |||
ナウル | 1980年 | 1990年 2005年 | 2002年 | |
パラオ | 1999年 | |||
ソロモン諸島 | 1983年 | 1985年 | ||
ツバル | 1979年 | |||
ベリーズ | 1989年 | |||
グアテマラ | 1933年 | 1954年 | 1960年 | |
ホンジュラス | 1941年 | 1965年 | ||
ニカラグア | 1930年 | 1955年 | 1962年 1990年 | 1985年 |
ハイチ | 1956年 | 1965年 | ||
Stクリストファー ・ネーヴィス | 1983年 | |||
セントルシア | 1984年 2007年 | 1997年 | ||
Stビンセントと グレナディーン諸島 | 1981年 | |||
パラグアイ | 1957年 | |||
エスワティニ | 1968年 |
なぜ台湾はほとんど無名の国と国交締結するのか?その理由は?
このような国と国交を結ぶ台湾の意図は何でしょうか?
このような経済的にも政治的にも影響力が小さい国々と国交を結んでも自国の利益になるような要因は見つかりません。
世界の中の国家としての存在感を誇示する意図以外の何ものでもないでしょう。
中華民国が国連から脱退して、中華人民共和国が国家として国際的に認められたことで国際社会の中での台湾の国家としての存在感は消滅したと言ってよいでしょう。
その国家としての存在感を取り戻すために、台湾からこれら経済的に脆弱な国々に資金で持って国交を締結する台湾の痛々しい国際社会の中でのスタンスが垣間見られます。
その中で、台湾人はこの現状をどのように考えているのでしょうか?
世界の中で台湾が国家として認められていないことを認めたくはないが、認めざるを得ない状況にあります。
台湾人の子供の教育投資の根底にある考えは?
なぜ、ユダヤ人はゴールドに投資するのか?
まずは、一つの例として「ユダヤ人と金(ゴールド)」の話をしておきましょう。
ユダヤ人はお金があれば金(ゴールド)を買うということを聞いたことがあります。
ユダヤ人は迫害された歴史がある民族性から、常に外部からの圧力で居住場所(不動産)を奪われるリスクにさらされています。
そのため、いつでも所有することが出来て、いつでも持ち歩けて、しかも世界のどこへ行っても価値が変わらないゴールドを購入しているのです。
では、台湾人はどうでしょうか?
台湾人もゴールドを購入する人はいるでしょうが、それ以上に台湾人は子供の教育費に対してお金を投資します。
中国大陸から居住場所(不動産)を奪われて台湾へ追いやられた過去がある台湾人もユダヤ人と同様に考えられます。
台湾人は、また、いつ台湾を追いやられるか分からないという危機感を無意識のうちに感じているのかもしれません。
その結果、台湾人の親は米国、日本、ヨーロッパ、オーストラリアをはじめとした世界各国へ子孫を留学させています。
もし将来、台湾が中国に攻め込まれたり、飲み込まれてしまった時のことを想定しているのかもしれません。
つまり、有事の際には子供が海外へ移住していれば、家族や親族も一旦、台湾から脱出することができると考えてのことでしょう。
子どもの教育費(留学などで子供を海外へ向かわせること)は有事の際の保険と考えられます。
「台湾人にとっての子供への教育費」と「ユダヤ人にとっての投資先としてのゴールド」は同じ目的と考えられます。
台湾自体は国家としての存在感を誇示するために対外的に肩ひじ張っているように見えます。
ところが、個々の台湾人は自分の国から、いつでも海外へ脱出することができるよう危機管理ができているという矛盾した皮肉なスタンスとなっているように感じます。
コメント
聞いた事がある国かない国かは地理に関心があるかどうかの違いだけだと思いますが。
世界には200位しか国はないので、実は世の中の諸々溢れてる情報に比べれば、大した数ではない。
いずれにせよ、良記事をありがとうございます。
参考になります。
コメントありがとうございます。
確かに、個人により地理の知識は異なりますので、無名の国に関しては私個人の問題ですね。
該当部分は【台湾と国交がある国】は一般的にはあまり知られていない国が多いということを強調しようとしたかったためです。
今後とも当サイトをよろしくお願いします。