台湾のみかんやオレンジの種類や特長について、私が台湾で今まで食べたことがある品種を中心に、味や香り・風味、あるいは値段に関することを台湾現地からレポートします。
日本では冬の果物と言えば、みかんの一択になるのではないでしょうか。台湾では、冬の時期でも、いくつかの種類の果物が楽しめますが、みかんやオレンジなどの柑橘系が旬のフルーツになります。
そこで今回は、柑橘系フルーツの中でも、冬の時期に店頭でよく見かける、台湾産のみかんやオレンジについて、簡単にご紹介します。
みかんとオレンジの違いは?
私の感覚では、みかんと言えば、真っ先に「温州みかん」が思いつきます。特に、私の中では「静岡産青島みかん」が有名な品種として昔から食べているため、思い入れが深いです。一方、オレンジと聞いて、頭に浮かぶのは、カリフォルニア産の「ネーブル」や「バレンシアオレンジ」という品種です。
厳密な使い分けがあるわけではないようですが、その違いの特徴は、皮が剥き易いか否か、みかんは手で皮を剥くことができますが、オレンジはナイフで切って食べますね。また、甘さや香りの違いも、みかんと比べるとオレンジの方が圧倒的に強いのが特徴でしょう。
日本での生産量や消費量は、みかんの方が多いですが、台湾でのみかんやオレンジの種類はどのようなものだと思いますか? 実は、台湾のみかんやオレンジは、日本では生産されていないような品種のものもあり、味や香りも少し異なります。
台湾のみかんとオレンジの品種と特徴
茂谷柑
台湾産のみかんの中では、外観が最も日本のみかんと似ている品種ですが、温州みかんと比べると平均的に大きさが大きいものが多いです。味も日本の温州みかんに近いですが、水分量が多くジューシーなため、日本のみかんと比べると味や風味が薄く感じるものもあります。
- 甘味 : 甘さは強い
- 酸味 : 酸味は強い
- 香り : 香りも強い
- 産地 : 台中、嘉義、南投
- 時期 : 1月~2月
柳丁(リョウディン、別名:柳橙)
台湾ではオレンジの位置付けの柑橘フルーツです。他のみかんやオレンジと比べると、大きさは小さめで、皮は薄く剥き難いため、ナイフで切って食べることが多いです。また、絞りたてのオレンジジュースとして利用されることが多いのも柳丁です。種が多いため食べ難いことも特徴の一つでしょう。
- 甘味 : 甘みはあまり強くない
- 酸味 : 酸味は少し強め
- 香り : 香りはあまり強くない
- 産地 : 台南、雲林、嘉義
- 時期 : 12月~翌年3月
桶柑(タンカン)
日本の温州みかんと、オレンジのように少し大きめの形状ですが、皮を剥いて食べることができます。ただし、皮は厚めで少し剥き難いものもあります。ポンカンとネーブルの交配種になるため、内皮は薄めのものが多く、水分量も多くジューシーなのが特徴でしょう。この品種の皮を剥き、一つ食べただけで、部屋の中が柑橘の香りに覆われるくらい、香りが強く濃厚です。
- 甘味 : 甘みは比較的強いほう
- 酸味 : 酸味はあまり強くない
- 香り : 香りは強く濃厚
- 産地 : 台北、宜蘭、新竹、台中、台東
- 時期 : 12月~翌年3月
椪柑(ポンカン)
日本でも愛媛県や鹿児島県などで生産されているポンカンと同品種になります。上記のタンカンと比べると、皮が剥きやすく、食べやすいのが特徴でしょう。
- 甘味 : 糖度は高い
- 酸味 : 酸味は少ない
- 香り : 香りは強く濃厚
- 産地 : 嘉義、台南、新竹、苗栗、台中、南投、雲林
- 時期 : 10月~翌年2月
台湾のみかんやオレンジの値段とまとめ
台湾のみかんやオレンジの旬の時期は、日本と同じか少し時期が遅くなり、2~3月になります。この時期は、食品スーパーへ行っても、伝統市場へ行っても、果物コーナーや果物屋では、様々な種類のみかんやオレンジが店頭に並びます。
食品スーパーなどでは、「斤」という重量単位を使い量り売りする場合と個数販売する場合がありますが、どちらかと言えば、計り売りスタイルの方が多いです。この場合は、1斤=600gになりますので、概ねの目安として、1個あたり150~200g前後で計算すればよいと思います。つまり、大玉のものは3個で1斤、中玉のものは4個で1斤くらいになると思います。
台湾のみかんやオレンジの値段は時期により異なりますが、例えば3月上旬では、茂谷柑は近所の食品スーパーでは少し大きめのものが1個19元で販売されていました。日本円では約70円くらいになります。これは少し高めの値段になると思いますが、最近の物価の上昇により、台湾ではフルーツの価格も上昇傾向です。3月の食品スーパーでの価格は下記の通りでした。
- 茂谷柑 : 50元/斤(600g)
- 桶柑 : 40元/斤(600g)
その一方、よく道端で路上販売をしている農家さんがいますが、このような場所で購入すると、かなり安く購入することが出来ます。先日は、一袋50元で販売していましたので即買いしました。何と袋の中には大小大きさがバラバラで小キズもある半端物の桶柑が17個も入っていました。味や風味は食品スーパーで購入するものと同じでした。
食品スーパーや伝統市場、あるいは果物屋で購入する場合、台湾では腐り始めている果物が販売されているのは日常茶飯事ですので、一つひとつ慎重に確認してから購入することをおススメします。特に、みかんやオレンジは1個腐っていると、その他の同梱されているモノも腐りかけている場合が多いですからね。
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