海外で銀行のトークンを使用することが出来るのかどうか、今回たまたまネットバンキングを利用してトークンを用いてワンタイムパスワードを使用する機会があったため、その結果を台湾現地からレポートします。
一時的に海外で生活している方や海外在住中に銀行のインターネット取引サービスを利用することがあるかもしれません。私は、たまたまヤフーオークション(ヤフオク)で欲しい商品が出品されていたため、支払いを銀行振り込みで支払う時に、ジャパンネット銀行のトークンを使用することになりました。
海外在住以外でも、海外ロングステイ、数ヶ月単位の語学留学、あるいは長期出張や海外旅行などで、外国から銀行取引をする必要がある場合には、銀行が発行するトークンを海外へ持って行き、使用することが出来るのかどうかは、海外生活を便利に快適に過ごすためには重要なポイントになります。今回はJNBのトークンを実験台にして、海外でトークンを利用できるかどうかの検証をしてみようと思います。
トークンとワンタイムパスワードとは?
そもそも、トークンとワンタイムパスワードとは何か?
今回、私が利用したジャパンネット銀行(JNB)の例で簡単にご紹介します。
トークンとは?
トークンとは、お客さまがお取引をされる際に必要な本人認証として、1度だけ有効なパスワードが表示される大切なものです。
トークンは何のために必要で、どのようなメリットがあるのか、上記の説明だけでは全く分かりません。もう少し具体的に言えば、ネットバンキングを利用して銀行間振込みをする場合に、IDとパスワードが必要ですが、それだけだとPCやスマホがスパイウェアなどに感染してしまった時に、IDやパスワードが乗っ取られてしまうかもしれませんね。
そのような時に、PCやスマホがウイルスなどで感染してしまった場合でも、それらから隔離された独自の一時的な使い捨てパスワードがあれば、悪意のある人から振込み取引を守ることが出来ます。こんなメリットがあるのがトークンというわけです。
ワンタイムパスワードとは?
トークンに表示される6桁の数字で構成されたパスワードで、1度使ったワンタイムパスワードは無効となります。
お振り込みや登録情報の変更など、重要なお取引の際に、本人確認のための認証パスワードとして、お使いいただきます。ワンタイムパスワードは、使い捨てパスワードが自動発行され、一度使用したワンタイムパスワードは無効となりますので、万一フィッシングなどでワンタイムパスワードが盗まれた場合でも、それを再利用し、不正に取引されることはありません。
トークンを海外で利用しても良いのか?
そもそも、トークンは海外で利用できるような仕様になっているのか?
JNBのウェブサイト内を検索してみたのですが、このことについて特に記載はないようでした。(私の見落としかもしれませんが)
そこで、他の銀行のトークンは、どうなのかを調べてみました。大手銀行の場合には概ね、下記のような注意書きがありました。
- トークンは日本国内での使用を前提としている
- 海外でのご利用は動作保証の対象外
- 技術的には海外でもご利用できる
- 海外で使用する場合は自己責任で利用すること
- 一部の国や地域ではトークンの持込みや利用に制限あり
大手銀行のトークンについての海外での利用に関しては、要約すると上記のような内容でした。
つまり、技術的には(たぶん)利用可能ではあるものの、銀行側は一切責任を負わないという条件で、それでも利用したければ、自己責任で利用してください、と言うことになります。
ということで、JNBで試しに利用してみました。
ジャパンネット銀行のトークンは海外で使用することが出来るのか?
ジャパンネット銀行で銀行振り込みをする場合に必要なものは下記の通りです。
- キャッシュカード(店番号と口座番号)
- ログインパスワードと暗証番号
- トークン
- インターネット環境
上記の一つでも足りない場合は、国内でも海外でもネットバンキングそのものが利用できません。私は運良くJNBのキャッシュカードもトークン(旧式キーホルダー型)も台湾に持って来ていました。
そもそも、中国のようなネット規制が厳しい国では、インターネットバンキングができない可能性が高いです(監視されているかもしれないですし・・・)。そんな場合は、一時的にネット環境を海外IPから国内IPに移すことで問題は解決します。詳しくは、こちらの記事を参照してください。
銀行振り込みをする際には、ログインパスワードでログインした後、振込先口座情報や金額などを入力します。そして、最後に、トークンに表示された6桁の番号(ワンタイムパスワード)を入力して、振込決済完了となります。
その結果は、・・・・・・・・・?
何と! 何も問題なく決済完了しました。
以上のことから分かることは、JNBの銀行間振込みの場合で、台湾でトークンを利用した場合は、問題なく海外でも利用できることが分かりました。
日本と台湾では1時間の時差があります。このことから、JNBのトークンは時差には関係がないことが実証できました。つまり、(たぶん)世界のどこからでも時差が問題となってトークンが利用できないという問題は起きないだろうと考えられます。
ところが、三菱東京UFJ銀行のトークンの場合は、ネット上の情報では複雑な手続きや設定が必要だという記載もありました。実は、私も三菱東京UFJ銀行のカード型トークンを持っていますが、まだ海外では利用したことがありません。それは振込み手数料がジャパンネット銀行(JNB)や住信SBIネット銀行の方が圧倒的に安く便利だからです。
海外を拠点に活動をする予定の方は、是非とも日本を出国前にネットバンキングや手数料に有利なJNBや住信SBIネット銀行、あるいは新生銀行の口座を開設しておくことを、強くおすすめします。(海外在住で銀行口座を利用することが出来るのかという話は別記事で)
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