勤務していた会社を退職してから次の会社を探しながら資格試験の学習をしていた期間に半年程度の短期間でしたが、学習塾の塾の講師のアルバイトをしたことがありました。
その時のことを思い出しながら、現在、台湾で日本語教師の仕事をしている自分と重ね合わせると、同じ教育分野という共通点はありますが、全く異なることもあります。今回は、日本にいた時に勤務していた学習塾での仕事内容と特徴あるいは勤務条件などの学習塾の実態について簡単にご紹介します。
学習塾の塾講師アルバイトの仕事内容と特徴
学習塾の形態には、一般的な学校の授業と同じような一斉授業型と一人ひとりの生徒と対面して教える個別指導型があります。私が勤務した学習塾の形態は後者の個別指導型の学習塾でした。一般的には、同じ時間中に最大で4名までの生徒を同時に個別指導するスタイルでしたが、2名か3名を同時に指導することが多かったです。
つまり、コンパートメントで半分囲われた机が4つ用意されており、生徒はそれぞれ個別で学習するスタイルになります。個別指導学習塾の塾講師は、それぞれの生徒の学習進度を見ながら、対面で1対1で指導します。
仕事内容については、基本的には、問題演習をした後に間違った部分や理解が不十分な部分を個別に指導していく形になります。そのため、授業前には問題演習用の問題を印刷したりして準備したりする必要もありました。あるいは、中学校などの学校で使用している問題練習帳をそのまま使用することもありました。
その学習塾での授業時間は、1コマが50分で、中学生や高校生が授業や部活動を終えてから、つまり夕方から夜9時頃までの時間帯での勤務でした。そのため、アルバイトの場合は、授業開始前に教室に到着し簡単に授業前の準備をして、1日3コマ程度担当することが多かったわけです。
私が担当することになった科目は、英語、数学、社会でした。ただし、英語を担当する時間が最も多く、次に数学が多く、社会を担当するコマ数はごくわずかでした。そして、英語は中学生と高校生を対象に教えていましたが、そもそも数学は私の専門外だったのですが、数学指導に関しては、教える側と教わる側のバランスが常に崩れている状態で、教える側が不足していた為、やむを得ず中学生対象の数学だけを担当することになりました。
個別学習塾の塾講師のお仕事の特徴について、学習塾とは言え、実際には、教えると言うよりも、先述したように学校で学習した内容の復習の場となっていました。そのため、どの科目も、学校で既習の内容に沿って問題演習をしてもらい、練習問題の丸付け採点をしながら、理解出来ている部分と理解出来ていない部分を一緒に確認し、その後、間違った部分や理解が不十分な内容を説明したり、再度理解を確認すると言うのが、個別学習塾の塾講師のお仕事の特徴です。
学習塾での私の経験から分かる仕事のメリットとデメリット
初めて勤務し始めてから1ヶ月程度は指導の方法や授業時間の配分などのペースがつかめず、バタバタしていましたが、その後は、中学生や高校生を学習指導することにも慣れ、一度要領を得てしまえば、ほとんど流れ作業のように時間が過ぎて行ったのを覚えています。
そのため、特に仕事をする上で頭を悩ますこともありませんでした。そして、数ヵ月が経過すると、特に英語や数学では、生徒が間違えてしまう場合のパターンというものがあり、理解不能に陥る子供たちの思考経路には法則的なことあることが分かるようになりました。このようにして、生徒たちの習得過程を冷静にになり分析的なことをしていたことを思い出します。このように、子供たちの学習過程での成長を発見できたことは一つのメリットだったのでしょう。
また、お仕事のメリットとして、その当時の私は英語に関連した仕事ができるからという理由で勤務し始めた部分も無きにしも非ずでした。ところが、現実的には英語が得意でなくても中学程度の英語であれば、それほど難しいことはないため、多くの方が教えられる科目だと思います。そのため、塾での英語担当講師は決して語学力の能力が高い方が英語力を仕事で生かすような仕事ではないことは確かでしょう。
とはいっても、応募後の面接では、その場で中学校3年生用の教科書を音読したり、基本的な単語や文法が理解出来ているかを確認するスキル・チェックテストをさせられましたので、それなりの知識は必要でしょう。人材不足だった数学の科目については、そのようなスキルチェックはありませんでしたが・・・。
事務職のような一般的な仕事と比較すると、仕事に関しての特徴は、学習塾での塾講師のアルバイト(正社員も)は潰しが利かない職種だと思います。つまり、経歴として学習塾で塾講師の正社員の経験が十分あったとしても、教育業界以外の業種に転職しようとした場合には、それまでの経歴はあまり高く評価されない可能性が高いでしょう。
ただ、教育業界でも管理職として目に見えるだけの高い業績を残した経歴があれば、それなりに評価されるかもしれません。そのため、学習塾の塾講師として働くことを考えた場合は、将来も教育業界で骨を埋めるつもりが必要かもしれません。
学習塾はブラック企業か塾講師の魅力とは?
巷では、某有名学習塾はブラック企業だという噂がありますが、実際のところどうなのでしょうか?
実際に私が勤務した学習塾では、ブラック企業に認定されるようなことはありませんでした。それは、アルバイトと言う立場であった為かもしれません。
塾講師のアルバイトは大学生や大学院生も多く勤務していましたが、彼らにしても、与えられた仕事以外の雑務を強要されるようなこともないようでした。つまり、その当時、私は社会人のアルバイトとして勤務していたため、私だけが特別扱いで雑務などは免除されていたということもありませんでした。
ただし、学習塾での給料は、「担当科目のコマ数 × 時給」が基本ですので、その他の授業の準備に掛かる時間は給料に反映されません。そのような面では、実質的な時給は少し低くなるとも言えます。
また、学習塾が主催するテストの時期は人手不足になるため、採点作業の仕事を手伝って欲しいと頼まれたことがありました。その際でも、少し時給は低い条件でしたが、勤務時間に相当する給料は支給されました。やはり、それぞれの学習塾により、勤務実態は異なるのだろうと思います。
塾講師の魅力については、特に若い年齢層の方にとっては、職場で働いているスタッフの年齢が圧倒的に若いということが特徴的でした。(必ずしも全員のスタッフが若いわけではなくベテランの方もいましたが)職場環境については、それぞれの教室の教室長により随分と変わるようでした。人当たりがよく、年齢が若い教室長で、他のスタッフとも年齢が同じくらいの場合は、和気あいあいと楽しく働くことが出来ました。
とは言っても、正社員の場合は、午後から出勤して教育以外の雑務がありますので、人間関係の煩わしさを感じるような場面もあるかもしれませんが、アルバイトの場合は、自分のコマ時間だけ出社して、担当時間が終われば、教室長に10分程度の簡単な報告業務をして、直ぐに退社していましたので、人間関係で消耗するようなことはありませんでした。職場での人間関係が苦手な方は、この点が最大の魅力かもしれません。
学習塾の塾講師アルバイトをご希望の方へ
お仕事の概要(私の場合)
- 仕事内容:個別学習塾の塾講師
- 契約形態:アルバイト
- 勤務期間:約半年間
- 時給 :1,500円(交通費の支給あり)
学習塾の塾講師のアルバイトを始める切っ掛けは、会社を退職後に転職活動をし始めるまでの期間中に資格試験の学習をしていたため、あまりアルバイトに時間を費やすことは出来ないという状況でした。そんな折、その期間中に短時間でも高時給の仕事ということで、目に留まったのが個別学習塾のアルバイト講師でした。
早速、仕事について募集教室に連絡を入れると、面接への流れになり、即日で採用となりました。最初は週に2日の勤務だったのですが、2ヶ月が経過した頃には他教室への勤務も増えて週に4日の勤務になりました。週4日で1日3~4コマくらいの担当科目(3~4時間程度)で、1ヶ月の給料は10万円くらいでした。その当時は、資格試験の学習に軸足を置いていたため、それくらいの給料でも十分満足でした。
塾講師のアルバイトは、ほとんどのケースでは夕方からの勤務になりますので、兼業が可能な企業での会社員や昼勤務のアルバイトとの兼ね合いが出来る仕事としては比較的働きやすく、時給もコンビニなどの一般的なアルバイトと比較すると若干時給が高いのも魅力だと思います。
ただし、ネット上で騒がれているように、中にはブラック企業と揶揄されるような学習塾もあるかもしれません。そのような仕事を引き当てないためには、面接時にしっかりと仕事内容や勤務条件を確認することが必要です。ところが、実際には、このような給料や残業や詳細の仕事内容については、自分では聞き難いことが多いのも事実です。
そのような時には、面倒な手続きや聞き難い事も代わりに確認してくれる、エージェントを利用すれば、安心して働くための準備ができます。今では学習塾に特化した派遣会社もあるため、勤務地や仕事のマッチングも含めて、あなたに合ったお仕事がきっと見つかるはずです。
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