私は20歳代後半の頃、完全未経験の職種に派遣社員として外資系企業で勤務し始め、その僅か3ヵ月後に正社員として採用され、経理職として雇用されたという経験があります。
しかも、その会社は米国から進出してきたばかりのベンチャー企業であったためなのか、ブランチ(支店)ごとにアカウンティング・マネージャー(経理マネージャー)を配置していました。そして、未経験の経理職に派遣社員として働き始め、たった3ヵ月後に経理責任者として職務に就くことになったわけです。
一般的な就職活動から見れば、数奇な夢物語のような経験ですが、そのような就職活動の成功要因には、必ず法則のような理由があるものなのです。今回は、自分なりに、なぜその当時、私がトントン拍子に経理という、ある意味専門的な職種でありながら実務経験なしでも、いきなり経理責任者という肩書きの正社員になることができたのかを簡単にご紹介します。
未経験者が就職活動でスキルを証明するには資格
その当時、私はこちらの記事で紹介したようにブラック企業を退社後、暗中模索の中、ひそかに次の就職先を見つけるべく、就職に役立ちそうな専門的知識を身に付けられるような資格試験の勉強をしていました。その資格とは、「日商簿記検定試験」と「英文経理」でした。
それ以前にも、日商簿記の資格試験の学習をしたことがあったのですが、実はその時は、途中で学習を諦めてしまい資格の検定試験さえ受験することなく、学習用テキストを購入するだけで終わってしまっていました。
そのため、実際には、その時の簿記の学習は2度目の挑戦でした。その時は単発のアルバイトをしていたものの、ほとんど無職のような状態でしたので、後がないという切羽詰った状態でした。そこで、日商簿記2級と3級の両方の学習用テキストを購入して、毎日ひたすらテキストを読み問題演習を続けていました。
それと同時に、その当時、資格試験としては人気が高かった米国公認会計士(USCPA)の資格試験の入門編となる英文経理(簿記)についても、日商簿記3級の学習が一通り終わった時点で、学習を始めていました。つまり、日商簿記2級と英文経理の学習を同時並行で進めていたことになります。
その後、学習を始めて6ヶ月くらいで、初めて日商簿記2級と3級の検定試験をW受験しました。その結果、何とどちらの検定試験も合格することが出来ました。合格自体はそれ程大したことではないのかもしれませんが、生まれて初めて資格試験を受験して合格したという経験は、その当時の私には非常に大きな自信に繋がりました。
日商簿記の学習方法は要点を確認した後、勘定科目を暗記することが必要です。それでも、暗記する文字は英語ではないため、英文経理より学習に費やす時間も少なくて済みます。そして、後はひたすら練習問題(過去問)を解いていく中で仕分けの方法を習得するだけです。集中して学習すれば3ヶ月くらいでも、日商簿記2級に合格することが可能です。学習方法は独学よりも、自分が都合のよい時間に動画で学習するのが最も効率的でしょう。下記より新規会員限定で初月無料キャンペーン実施中です。
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英文簿記の学習を継続し就職活動へ
その当時、私はせっかく米国留学で少しだけ上達した英語を活用できるような仕事を希望していたため、日商簿記検定2級の合格は英文簿記の更なる学習に弾みが付きました。
とは言っても、資格試験に合格しただけで、就職先が簡単に見つかるほど、その中は甘くはなかったことを記憶しています。ところが、実務経験ナシの人にとっては経理の仕事の募集案件では、日商簿記2級の資格に合格していることが最低条件になります。
そのため、私は最低限の条件は満たしているものの、貧乏旅行で海外を放浪したりしてブラブラしていた期間も重なり、20代後半で未経験では経理職の目ぼしい募集案件はあまり見つかりませんでした。
地方都市で英語と簿記の知識が必要な仕事などあるはずもなく、とにかく企業に拘らず、また英語を使用するような仕事にも拘らず、経理の仕事を見つけ、応募していこうと決めました。
経験者募集の案件が意外な経路で巡ってきた!?
そんな中、新聞内の求人欄だったと記憶していますが、比較的自宅から都市で「英文経理」経験者募集という求人広告が目に留まりました。
地方都市でも、そのような特別な仕事の案件があるのだな・・・とぼんやり思いました。その時は、自分には実務経験がないため、自分から応募をすることもなく気にも留めていませんでした。
そして、ある時、別の求人媒体を通して、「英文簿記の仕事」という募集案件を見つけました。その広告を出しているのは、派遣紹介会社でした。特に、実務経験が必要だという記載もなかったため、私は思い切って、その派遣会社に連絡をしてみました。
そうすると、直ぐに派遣会社の担当者から面談の申し出があり、履歴書と写真を用意して往訪しました。面談と同時に、PCやエクセルとワードのスキルチェックがありました。
その当時、私は文書作成などのブラインドタッチが少ししか出来ない上に、エクセルもあまり使用できない状態でした。つまり、私の就職の強みとなるようなものと言えば、簿記2級の資格と僅かばかりの英文簿記の知識だけでした。しかも、実務経験がない20代後半の男子です(泣)。
派遣会社を通して英文経理の仕事を紹介される
そして、その他の派遣会社でも「英文経理」の実務経験者を募集しているということを知りました。それから、2~3週間程度経過した、ある日、私が初めに派遣登録した派遣紹介会社の担当者から電話で連絡がありました。
数週間前から募集がある「英文簿記」の仕事に応募してみる気はあるかという内容でした。それは、私が狙っていた募集案件だったようです。数週間経過しても、様々な媒体で募集が掛けられているのに、まだ求人が見つかっていないようでした。
担当者の方から募集案件についての説明がありました。その会社は米国から新規進出してきたベンチャー企業で、仕事内容は英語での経理業務と米国本社へのレポート業務だとのことでした。企業名を聞いて、直ぐにどこにある会社で、どのようなビジネスをしている企業なのか察しました。そして、派遣期間は3ヶ月毎の更新だったと記憶しています。
経理経験なしの私でも外資系企業に派遣社員として即日採用
派遣先への外資系企業で30分程度の簡単な面接がありました。私は初めて派遣会社を通しての応募だったので、面接の要領などがほとんど分かりませんでした。
そのため、面接での対応は、基本的に派遣会社の担当者が対応するため、派遣先企業の面接官から直接質問があれば、答えるようにとのことでした。
そのため、私は本当に簡単な自己紹介と仕事への熱意を少しだけ伝わるように、英文経理の知識を生かして実務を経験したいという旨の自己PRを少しだけした記憶があります。
そして、派遣元企業の担当者と派遣先の採用責任者との間で契約内容の確認などのため(?)、面接が終了して30分くらい待たされました。その後、更に30分程度経過した時に、派遣会社の担当者の携帯電話が鳴り、即日で採用が決定したとの知らせが入りました。
後日談ですが、派遣先で採用までに少しだけ待たされたのは、派遣スタッフの性別は基本的には面接まで知らされない(?)ため、派遣スタッフ(私)が男性であったことで、職場スタッフの確認が必要だったなどと、その後、職場で同僚となる方たちに教えてもらいました。それもそのはず、事務職での派遣スタッフは、圧倒的に女性が多いですからね。
初めての派遣の仕事が外資系企業で経理の仕事!その職場環境と仕事はどうだったか?
米国に本社がある会社でしたが、支社である職場で働いているスタッフは全て日本人でした。彼ら日本人スタッフは、正社員の方は全員、英語が必須要件のようで、会話や電話での英語対応は出来なくても、少なくてもメールでの英語対応は出来るレベルの語学力は必要なようでした。
基本的に、職場内でのあらゆるシステムなどはアメリカから、そっくりそのまま持ち込まれたものだったため、当然、使用している会計ソフトも英語のものでした。初出社日は、初めての外資系企業で働くことになったため、非常に緊張していたのですが、職場の雰囲気は日本の企業にはない、自由な雰囲気で張り詰めた空気がなかったことだけが印象的でした。
そして、私に割り当てられた業務は、1週間以内に経理業務を支社のアカウンティングマネージャー(経理責任者)から引継ぎ、3ヶ月間、その経理責任者が担当してきた全ての業務をすることでした。初めて聞いた時は、引継ぎ期間が短いことと、実務経験がない自分には負担が重いという気持ちで絶望的になりました。
支社の経理責任者が転職により担当が不在になる急募案件だった
私の派遣先での業務の引継ぎがたった1週間だった理由は、働き始めて直ぐ分かったのですが、その支社の経理責任者が転職をすることになったためでした。
そして、新聞などの求人募集欄で「英文経理実務経験者」募集の案内記事を頻繁に目にしたのも、1ヶ月以上前から募集を掛けているのにも関わらず、地方都市ということもあり応募者が少なかったのだそうです。
また、英文経理という特殊な募集案件だったため、適任者がなかなか見つからなかったためだと知らされました。そして、気が付いたら募集案件に対する適任者不在のまま、その会社の経理責任者の退職日が間近に迫っていたという状況でした。
そして、悪戦苦闘する中で、3ヶ月間は何とか英文経理の業務の最低限の仕事をこなすことで手一杯でした。私は未経験ながら、比較的分かりやすい会計ソフトを使用していたため、英文簿記の知識があれば、何とか業務をこなすことが出来る程度の内容でした。
経理未経験の派遣社員が外資系企業の経理責任者になる
そして、私が派遣スタッフとして勤務している期間も、私が臨時に担当している業務の後釜の経理責任者を募集したり、人材紹介会社などを通して探しているようでした。
それでも、何人かは募集案件に対して応募してくる方がいたようですが、会社が求めている応募者は少なく、偶に適任者がいたようですが、そのような方に限って採用決定後に辞退する方もいたようです。
後日知ったのですが、入社辞退をする理由は、ほとんどの場合は待遇面だったようです。一般的に、大手外資系企業以外の外資系ベンチャー企業の場合は、給料(年棒)がかなり低かったりします。私が派遣先として働いていた会社も例外ではなく、想定外に給料が低かったわけです。
そんな中、私の派遣期間も2ヵ月半が経過した頃、どこともなく、誰ともなく、私を派遣社員から正社員に転身させてはどうかという話しが持ち上がり始めていることに気が付きました。
そして、ある日、ゼネラル・マネージャー(支社長)に呼ばれて、正社員として入社し働く意思があるかどうか、と言う内容の話をそれとなく聞かれました。それまでに、私は職場環境も自由な雰囲気で、同僚となるであろう方たちにも恵まれているようだったため、待遇面はさて置き、YESと答えました。
その後は、派遣元企業と派遣先企業との契約に関して、ちょっとしたすったもんだがあったようですが、派遣元企業へ何らかの紹介料のようなものを支払うことで、晴れて私は未経験の派遣社員から外資系企業のブランチ・経理責任者に新たに正式に採用されることになりました。
未経験からでも正社員(経理責任者)へ雇用された経験から分かる就職活動のポイント
上記のように、未経験からでも正社員に採用された経験から分かる就職活動のポイントについて、簡単にまとめておきたいと思います。
まず、職種にもよりますが、最低限の応募要件を満たしていることが必要でしょう。例えば、私の場合であれば、経理の仕事に対して、簿記の専門的知識と英文経理の知識が必要でした。その条件に合致していたことは、ただ単純に運が良かったというわけではなく、狙った通りの準備があったからこそなのです。
また、当初は、派遣労働として働く場合でも、即戦力としての人材を企業が求めていたため、応募要件として実務経験が必要な案件でした。ところが、実際の応募に関しては、応募者数が限られるような案件では、必ずしも実務経験などの必要要件に満たない場合でも、面接を受ける機会を設けて貰える場合があります。私の場合は、その辺りの難しい交渉は派遣会社の担当者が代理でしてくれたことになります。
そして、派遣スタッフとして働く機会が得られれば、お金を頂いて実務経験を積むくらいの気持ちで働くのがよいのでしょう。実際には、派遣労働の場合は時給などの待遇に不満がある場合もあるかもしれませんが、1年間も働けば与えられた仕事については正社員と同じくらい仕事がこなせるようになります。特に未経験者の場合は、待遇面をあまり重視しないで、経験を積んでから派遣元企業と交渉すればよいのではないでしょうか。
そうして、派遣社員として頑張っていれば、いずれ正社員として採用されるチャンスが巡ってくる場合もあります。また、私が経験したように、前任者が退職する場合などは、特に将来的には正社員として採用されるチャンスの可能性が広がることでしょう。
それに、蛇足になるかもしれませんが、派遣先企業が外資系企業だったことも運が良かったのかもしれません。と言うのも、外資系企業の場合は会社によっては、それまでの経歴などは度外視して、仕事の実力次第で評価してくれる会社も多い印象があります。日本の伝統的な年功序列型の組織システムとは異なり、外資系企業だからこそ業務の評価次第で短期間で正社員にまでなることができたのかもしれません。
派遣スタッフや正社員として求職や転職を目指している方へのアドバイス
そのような派遣先での生情報を握っているのは派遣会社です。彼らエージェントの方は、個人では知り得ないような仕事や企業の情報を知った上で、派遣スタッフを派遣先企業へ紹介しているわけです。
また、実際に勤務することになった場合は、派遣紹介会社を通せば、勤務条件(給料、交通費、残業、休暇)などの聞き難い事なども全てエージェントやコンサルタントが代理で相談に乗ってくれます。
まずは、派遣会社へ登録しておけば、希望条件に合った募集案件をマッチングしてくれ、紹介してくれます。もし、紹介案件の中から気に入った仕事があれば、その旨を伝えるだけですので気軽に応募できます。
まずは、募集案件が多い大手派遣会社や転職サイトに登録することから、あなたの新たな転機の第一歩が始まります。私がたった1本の派遣会社への電話から、新たな人生の転機を掴んだように。下記から登録しておけばスカウトを受けることも出来ますし、非公開案件の紹介にも繋がります。
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