日本語学習用の書籍を中国語学習のために転用してみました。台湾で発行されている日本語学習者用の教材には、多くの場合は日本語だけではなく中国語(繁体字)の翻訳が記載されています。そのため、以前から中国語の学習のためにこのような日本語教材を利用できそうだと思っていました。
最近、いろいろな日本語教材を用意しなければいけなくなり、台湾最大の通販ショップ「博客来」で本を購入するついでに半額の特別価格の日本語教材も購入してみました。そうしたところ、この日本語学習者用の日常会話の教材が思った以上に中国語学習に向いているということに気が付きましたので、簡単にご紹介します。
日本で販売されている中国語教材のほとんどは簡体字
一般的に、日本書店で販売されている中国語学習用のテキストのほとんどは中国大陸で使われている簡体字の表記です。そのため、台湾に留学しようと思っている方や台湾で生活してみようと思っている方にとっては不向きな中国語学習教材になってしまいます。その他にも、実は中国大陸で使われている中国語(北京語)と台湾で使われている中国語(台湾国語)では、言葉の使い方が若干異なることがあります。例えば、よく知られたことを挙げれば、「おはよう!」という表現の中国語は下記のように異なります。
・中国:「早上好!」
・台湾:「早安!」
それだから、中国大陸の言葉が台湾では通じないと言うわけではないようですが・・・。
日本の書店では、台湾で使われている繁体字で書かれた中国語学習用のテキストを見つけるのが難しいという事情があります。そのため、多くの場合は日本で繁体字で書かれたテキストを使って学習する場合は、下記の二択になります。
・「新版実用視聴華語」シリーズ
・「當代中文課程課本」シリーズ
台湾で中国語を学習する場合でも定番テキスト
上記で挙げた2つのシリーズの中国語学習用教材は、台湾で中国語を学習する場合はどちらも定番のテキストになります。数年前までは、「新版実用視聴華語」シリーズが定番中の定番で、どこの大学附属語学学校でも使用されていたテキストでした。ところが、ここ数年間は新たに「當代中文課程課本」シリーズが出版され、多くの主要な大学附属語学学校で使用されるようになっているようです。「新版実用視聴華語」シリーズから「當代中文課程課本」シリーズの移行は、内容的に古くなり時代の流れにそぐわなくなってきたためだそうです。
それでは、台湾で現在よく使われているテキストを購入しようとすると、当代中文課程課本の定価は900元ですが、ネット通販を利用すれば約25%割引の675元で販売されています。それでも、台湾の物価基準から考えるとかなり高い価格になっています。そこで、台湾で出版されている中国語学習用のテキストは他にあるのか探してみても、ほぼ上記シリーズの二択になります。たぶん、台湾での中国語(繁体字)学習の需要は台湾に来る留学生くらいしかないため、他の出版業者が入り込む余地がないのでしょう。語学学校が指定するテキストしかマーケットには出回らないため、非常に限られた種類のテキストしか存在しないようになっているのだろうと思います。
偶々手にした日本語学習用テキストが中国語学習教材へ
書籍のネットショッピングの際に半額の特別プライスで販売されていたため安さに釣られて日本語学習用の教科書を買ってみました。元々は、日常会話の事例教材を作成する目的で購入したのですが、中国語(繁体字)が併記されているため、中国語を眺めていたら、「これ使える!」とビビッと来ました。
外国語学習で難しいステップに関して、特に話すことに関して言えば、単語を暗記することと表現のパターンを使えるようになることだと思います。使える単語の数を増やすには見るもの聞くものの中で知らない単語を暗記して正しい発音を習得していけばよいだけです。ところが、表現力はそうは行きません。
例えば、「思ったよりも・・・」と言う表現を自主的に学ぼうとすると台湾人の方に聞くか辞書と睨めっこをするしかないのですが、そのような場合に限って、実際には日常会話ではあまり使われない表現であったりします。
そんな折、日本語学習者用に書かれた台湾人の方が編集した日常会話用のテキストにある中国語訳はコミュニケーションで使える表現が満載でした。台湾が大好きになり将来台湾で生活したい方、台湾に駐在する予定の方、台湾に留学する予定の方は、台湾に旅行に来た折にも日本語学習者用の日本語学習教材を調達して、中国語学習に利用するのも良いと思います。
関連記事:中国語入門者のための中国語会話習得法
コメント