海外在住者が日本人のアイデンティティーを自覚する5つの瞬間

海外で生活している日本人の海外在住者にとって、自分が日本人だと最も強く感じる瞬間を5つの場面でご紹介します。海外での生活が長くなると、知らず知らずの内に海外の生活や慣習に慣れていくものです。

そうなるにつれて、自分が日本人だと感じることに鈍感になっていく感覚もあります。逆に、台湾のような緩い社会で生活していると、日本人との交流には非常に神経を使い、面倒臭くなることさえあります。そこで、自分が日本人だと改めて実感する5つの瞬間をご紹介します。

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海外在住者が最もホッとする瞬間はいつか?

私は家に帰ってくるとひとまずホッとしますが、それは日本で生活していても同じことかもしれません。日本で会社員をしていた時にはゴリゴリにやる気満々のやるキーマンをしていたわけではないですが、仕事が終わり自宅に帰った瞬間が最もホッと一息して気が楽になったことを思い出します。

今回私が台湾から日本へ一時帰国した際に実感したことですが、海外在住者が最もホッとする瞬間は日本へ帰国した時だと改めて感じました。緊張していた糸がプツンと切れる感覚ではなく、ダラリと緩む感覚でした。

以前、海外旅行へ行き、日本に帰国した時には、また現実の世界に戻されるという感覚が強く、ホッとする感覚など微塵もなかったのが不思議です。たぶん、この感覚の真逆のことが起こっているのだと思います。海外で比較的長い期間、仕事をしていた方であれば、日本への一時帰国ほどホッとする瞬間はないでしょう。

 

日本人の昔ながらの味覚を忘れることは不可能!?

台湾では今や日本食ブームの真っ只中です。日本から外食産業が台湾へ新規進出して、多くの日本の外食企業が台北を中心に出店しています。これは、いくつか理由があると思いますが、それは別の機会に記事にしようと思います。「日式」という名前を付けて開店すれば、少なくても開店当初はお客さんを集められると言えるくらい台湾人は日本食が好きなんですね。

そのため、偽者の日本料理屋が氾濫しています。ラーメンのスープが薄過ぎたり、味噌汁が甘かったり、焼き魚が油でベタベタだったり・・・日式に失敗した和食は非常に残念なことになっています。それでも、台湾人は日本食だと思って食べているようですが・・・(笑)

何が言いたいかというと、台湾(すくなくても台中では)で本当の日本の家庭料理を食べられるレストランは非常に少ないです。回転寿司に行けばひとまず、ほぼ日本と同じ回転寿司が食べられますが、家庭料理ではないですからね。

台湾では日本の家庭料理を気軽に食べられるレストランはほとんどありませんし、本物の日本料理を食べられるレストランは敷居が高く、会社経費で落とせる駐在員でなければ気軽には行けません。そのため、一時帰国して日本の家庭料理を嗜み味覚がジャストミートした瞬間には、自分が日本人だとつくづく強く感じました。

 

誰と話している時に本当の自分をさらけ出せるか?

中学生や高校生の時に腹がよじれるくらい笑い、涙が止まらなくなるくらい笑い、本当に腹筋が痛くなったことを思い出します。そこまでバカになれるほど笑わなくても、日本にいれば気心が知れた友人とちょくちょく会って酒でも飲みながら他愛もない話をすることもあるかもしれませんが、海外にいると、そういうわけにも行きません。そもそも、気心が知れた友人に出会うことも、一緒にバカになれるほど大笑いできる友人が出来るのは稀でしょう。

逆に言うと、海外で日本人と出会ってバカ話まではしなくても他愛もない話で盛り上がった瞬間は自分が日本人であることを実感します。一緒に話をしていて日本人同士だからこそ、小さな共感を感じる瞬間があったりします。それ!それ!と言い合うと何故か小さな笑いが込み上げてきたりします。この瞬間こそ、自分が日本人であり海外では外国人だと感じる瞬間でもあります。

 

日本では考えられないルーズな出来事に遭遇した瞬間

日本人が台湾を好きになる理由のひとつは、台湾の「緩さ」かもしれません。
部屋着のままサンダルを引っ掛けて、ファストフードに行って、人前で大きな音を立てて鼻をかんだり、大きな音を立ててゲップをしても、誰も気にしないどころか、そんな人ばかりです。誰も、日本人のように神経質なほど他人のことなど気にしていないようです。習慣の違いと言えばそうかも知れませんが、台湾で生活する上で気楽な部分も多いです。

逆に、日本人には台湾の緩さが悪い意味でルーズに感じることも多くあります。全ての「時間」が「大体」と置き換えられます。日本人のように予定時間の10分前に全員集まることなどありません。大体、30分後くらいに1/2くらいの人は集まるイメージです。
以前、30分毎に来るバスを待っていたら、1時間待たされた挙句、同じ目的地へのバスが2台並んで来たことさえあります。

一般的に、台湾人はビッグマウスです。大きなことを言うけれど、実際に実行する(できる)ような人は非常に少ないです。あくまで、全般的にそのような人が多いという話しで非常に慎重な言動で言ったことを必ず守ってくれる人もいますが、かなりの確率で台湾の方は言いっ放しの人が多くいます。そんな時には相手を問い詰めても相手からのトドメの一言「しょうがない(沒辦法)」で決着させられてしまいます(笑)。

 

想定外に外国人(日本人)の扱いをされた瞬間

外国人扱いされる時には、良い場面も悪い場面もあります。多くの場合は、日本人というだけで、少なくても最初の内は、台湾人の方は日本人に対して良くしてくれます。台湾人の方は外国人に対するホスピタリティーが高く、特に日本人には国が近く文化的にも、歴史的にも日本や日本人と親近感があるためなのでしょうか、本当にいろいろな面でよくしてくれます。

いや・・・一般的に日本人が外国人に対して、ホスピタリティーを提供することは苦手だという部分があるのでしょう。それは言葉の問題だけではなく、言語以外のコミュニケーション能力であったり、国民性による心理的距離の違いが要因のように感じます。そのため、日本人はこのような台湾人のホスピタリティを受けると、相手からのホスピタリティーをより強く感じるのかもしれません。逆に、台湾人自身はホスピタリティを提供しているという気持ちはそれ程強くはないのでしょう。

何が言いたいかというと、外国人である日本人が、台湾人からのホスピタリティを受けた時は、自分が日本人であることを強く自覚する瞬間だと言うことです。

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