台湾で日本語教師として働く場合の給料について、台湾現地からレポートします。
日本と同様に、台湾でも日本語教師は常勤講師の場合は月給制、非常勤講師の場合は時給制のという仕組みになっています。
どの日本語学校でも同じだと思われますが、一ヶ月当たりに担当する授業時間の基準が決められており、その基準時間を超える場合は時間外労働という形式で時間外手当が支給されるところが多いです。
例えば、毎月の基準となる授業時間が50時間の場合は50時間を超えた時間には別途基準外時給が付与されることになります。
- 基本月給 :27,000台湾元
- 基準外時給:300台湾元/時間
- 基準外担当:10時間(総担当時間)
- 総支給額 :30,000台湾元(27,000台湾元+300台湾元×10時間)
台湾の日本語学校の日本語教師の給料(月給、時給)の調査の結果
下記は台湾の日本語学校の日本語教師(日本人)の常勤講師の月給と基準外時間の時給を示しています。
インターネット上の求人サイトで、台湾にある日本語学校が日本語教師を募集している案件を基にまとめてたものです。
学校名 | 月給(台湾元/月) | 時給(台湾元/H) |
---|---|---|
Gランゲージアカデミー | 36,000 | |
H日語部 | 35,000 | |
T日語 | 35,000 | 350 |
S日語学園 | 32,000 | 380 |
G児童日語補習班 | 31,000 | |
J日語補習班 | 30,000 | |
T国際語言センター | 30,000 | |
S日語 | 30,000 | 420 |
H国際短期補習班 | 30,000 | 400 |
M外語 | 28,000 | |
Y語文補習班 | 28,000 | 400 |
Y短期補習班 | 27,500 | |
S外語学院 | 26,000 | |
K日語 | 26,000 | 350 |
K外語 | 26,000 | 250 |
K日本語学院 | 26,000 | 380 |
Hアカデミー | 26,000 | 300 |
W日本語短期補習班 | 25,000 | 350 |
S日本語 | 24,500 | 350 |
Z外語中心 | 24,000 | 350 |
Y日語教育機構 | 23,450 | 320 |
C外語補習班 | 21,500 | 300 |
I日本語教室 | 500 | |
H国際教育学院 | 450 |
上記の給料について、待遇として表示されていた最低月給を記載しています。
というのも、日本語教師の場合は経験により給料が決定される場合が多いです。
そのため、実際には、月給45,000元以上のところもありましたが、それはかなりのベテラン講師の場合となります。
今回は基準となる給料を表示をするため、最低給料(月給、時給)に統一して、表示されていた金額を掲載しています。
実際には、上述したように、台湾の日本語学校の場合は1ヶ月の授業時間がある程度決まっており、その時間を超える場合は残業とみなして超過時間に対して時給を支給するところがほとんどです。
例えば、1ヶ月で授業時間が75時間を超過した場合は、1時間につき時給350元を支給するという給与形態になっています。
台湾の日本語学校の日本語教師の収入
上記の一覧表をご覧の通り、日本語教師の常勤講師の場合の月給は、21,500元から36,000元の範囲で、平均すると月給26,000元~30,000元程度の教育機関が多いようです。
ここに掲載している情報は2017年~2018年に応募している(応募していた)情報の一部ですが、その他の情報も考慮すると台北市内の日本語学校だけは1割程度給料が高く設定されているようでした。台北の場合は物価も高くなりますので、給料が少し高くなるのも当然でしょう。
次に、台湾で日本語教師として非常勤講師として勤務する場合ですが、これはビザの関係で募集案件が少なくなります。そのため、情報としても少ないため、あまり参考にならないかもしれません。
上記の一覧表の情報と知人の台湾人の日本語講師の方からの情報をまとめると、台湾の日本語教師の非常勤講師の時給は350~400元程度の学校が多いようです。
台湾での日本語教師のお給料は、皆様には、どのように映るでしょうか?
少し話がそれますが、台湾では日本語教師よりも英語教師の時給の方が高いのが一般的です。詳しくは、「台湾の時給」の記事をご覧ください。
金額だけに焦点を当ててみると、あくまで経験が浅い方の最低限保障される給料に関してですが、日本円に換算すると月収は10万円~12万円程度となります。
この月給の中には、日本では別途支給されるような住居手当、家族手当などの各種手当も含まれている場合が多く、台湾では一般的には交通費も支給されません。この他に、一年に一回、ボーナスが支給される教育機関も少なからずあります。
とはいえ、台湾で一人で生活するには十分な金額かもしれません。
台湾で日本語教師をする場合の勤務時間
それでは、勤務形態と給与形態の両面から考えて見ましょう。
上述したように、多くの日本語学校で1ヶ月に〇〇時間以内として月給制を採っていますが、1ヶ月〇〇時間を超過した授業時間は残業として残業代が支給されます。
そして、1ヶ月に75時間あるいは80時間の授業は、1日に換算すると3~4時間くらいに相当します。
それ以外の時間は講師が自由に使える時間となっているところがほとんどです。
ところが、実際には1時間の授業をするために準備する時間はどれくらい必要だと思いますか?
例えば、授業用のPPTの資料を作成するだけでも、1時間の授業に対して、1時間の準備時間は最低でも必要かもしれません。
実際に、未経験で日本語教師を始めた当初は、授業の準備のために非常に多くの時間がかかりました。友人の日本語教師の話しでは、当初は寝る時間も惜しんで準備していたとのこと。
その他にも、学生管理をしたり、会議や打ち合わせなどの時間も必要です。更には、営業的な仕事も割り当てられるかも知れません。
そう考えると、常勤講師の月給は決して高いものではありませんので、どうしても日本語を教えたいと考える方でなければ、長くは続かない仕事だと感じます。
とは言っても、長く続けていれば、自分の教材が出来上がってきますので、授業の準備の時間はほとんど必要なくなります。また、適正がある方であれば、他の学校などからの引き合いがあり、更に高い給料で採用されることもあるでしょう。
また、意思と能力がある方であれば、自ら学校を設立して運営していくことが可能であるのも、台湾で日本語教師を目指す魅力かもしれません。
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