台湾で常勤の大学教員になる条件とその方法

台湾で常勤の大学教員になる条件とその方法についてのご紹介です。

台湾では多くの日本人が、主に言語学分野つまり日本語教育の分野で大学教員として教鞭をとっている方が多くいます。

ただし、大学教員といえど、常勤(専任教師)と非常勤(兼任教師)によって採用の条件などが大きく異なります。

 

台湾で日本語教師として非常勤講師になるための最低必要条件

まず、非常勤講師の場合ですが、多くの日本人の方が台湾の大学で日本語教師として活躍しています。日本語教師として、大学の兼任教師になるための条件ですが、概ね以下の点をクリアしていると、応募要件を満たしていることになります。

  • 修士以上の学位(日本語学、日本語教育、言語学などの分野が望ましい)
  • 日本語教師としての経験(最低3年以上の経験が望ましい)

 

その他の要件としては、以下のような点をクリアしていると採用に際して有利のようです。

  • 就労ビザの取得要件(配偶者が台湾人の場合は就労ビザ取得の必要なし)
  • 日本語教育以外の分野でも専攻する研究分野あるいは副専攻の研究分野があること
  • 中国語でのコミュニケーション能力

 

台湾の大学で専任教員になるための条件と能力

それでは、常勤の大学教員(専任教師)になるためにはどのような条件と能力が必要になるのでしょうか?まず、一般的な大学教員の職務内容から、ご説明します。常勤の大学教員の職務は大きく区分すると3つあります。

  1. 研究
  2. 教育
  3. 行政(事務業務)

大学の教員は、自分の専門分野の研究だけではなく、学生への教育つまり授業の担当、あるいは行政の役割も求められます。行政とは、大学には各種委員会があり、各委員会にはそれぞれの教員が割り振られる形で担当が決められます。学生募集などの雑務も重要であるものの面倒な業務の一つです。

例えば、私が大学への応募にあたり簡単な説明を受けた際には、専任教員としての採用の場合は、日本や日本以外の外国の大学や企業との姉妹校や企業プログラムなどの提携交渉などの仕事をしてもらうことになるとの話がありました。(結局、専任教師にはなり(れ)ませんでしたが)

以上のように、大学教員は研究職として特別な仕事だと思われがちですが、実際には雑務業務の仕事も多いため、調整能力や事務処理能力が求められます。

 

台湾の大学で専任教員になるための必要条件

以上のことを踏まえた上で、大学の専任教員になるためには、以下のような条件を満たしている必要があります。

  • 博士の学位、あるいは相応の研究業績
    (分野は問われない場合が多い)
  • 研究業績(今までに発表した研究論文)
  • 日本語教師としての経験

概ね、以上のような条件が応募条件となっている場合が多いです。

そして、何よりも重要なことは、採用枠を紹介してくれるような人脈です。応募希望大学内に知り合いなどがいて、その方がその学部のキーマンであれば、採用の可能性が大幅に高まります。

 

日本の大学教員と台湾の大学教員の呼称の違い

日本の大学では、以下のような職階となっています。

  • 教授
  • 准教授
  • 講師
  • 助教

 

一方、台湾の大学では、以下のような職階となっています。

  • 教授
  • 副教授(日本の准教授に相当)
  • 助理教授(博士の学位を取得している講師)
  • 講師

日本の大学では教授という肩書きの先生が多くいますが、台湾の大学では日本の大学ほど教授という肩書きの先生は多くいません。そのため、台湾の大学では教授はかなり尊敬されている身分のようです。一方で、助理教授という肩書きの先生が多いのも、台湾の大学の特徴でしょう。(助理とは中国語ではアシスタントと意味しますが、大学内では特にそのような身分関係はありません)

 

まとめ:台湾で大学教員になるために必要なことは?

台湾で大学教員として採用されるためには必要なものは、学歴と人脈に集約されるかと思います。台湾で大学教員をしたい方は、日本で博士の学位を取得することをおススメします。そして、日本語教師として台湾の大学で教員になりたい方は、日本語学、日本語教育、日本文学、日本に関する社会学など日本に関連する分野の修士以上の学位を取得しておきましょう。

台湾では、学術的な研討会や学会などに参加するなどして人脈を作りながら、ポストを紹介してもらうのが一番の近道となるでしょう。私の知人の日本人の方は、ポストの応募をしているかいないかに限らず、一方的に履歴書などを大学に送って、大学の教員のポストを得たそうです。(その努力と根性が素晴らしいですね)

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