台湾人の職業観とビジネス文化の裏側に存在する憲法との関係について、台湾現地からレポートします。
台湾のビジネス社会の特徴
台湾人の離職率は高い
一般的に、台湾人の離職率は非常に高いです。日本企業の離職率の比ではないくらいです。その理由は能力がある人は次から次へと待遇や給料が高い会社へ転職をし、能力がない人は直ぐにクビにされ、次の転職先へと仕事を変えるからです。
台湾の社長の比率は高い
その反面、台湾では人口との相対的な社長の比率が高いとされています。なぜ、台湾社会では、このようなビジネス文化が生まれて定着しているのか、少し考えてみました。
台湾人は、皆が社長に成りたがる傾向があります。そのため、日本社会と比べると、台湾社会は極端に社長の比率が高いようです。
鴻海精密工業やTSMC、あるいは長栄集団や統一集団などの大企業の経営者が大社長なら、商店街の店長も社長です。
このように、ビジネス規模に関わらず、何でも構わないから自分でビジネスを始め企業をすれば、社長となりますね。このようにして、台湾人は独立して自分でビジネスを始める人が多いのです。
ビジネス規模は大きなものでなくても、夜市でたこ焼き屋を始めても、一端のビジネスになり社長になります。お店が流行らなければ、直ぐに止めて、別のビジネスを始めればよいのだと思っているようです。
このように、ビジネスの規模を問わなければ、台湾人の妻の家族、親戚、友人達は、社長だらけなのです。
台湾では小さな事業が多い
こんな事情のため、小さな事業が乱立し、生まれては潰れていくのが台湾のビジネス社会の傾向です。
例えば、少し前に開店したと思っていたレストランが、半年後には閉店しているというようなことは、台湾では日常茶飯事です。そして、その後、同じ場所に直ぐに別の新しいレストランが開業するのです。
台湾人は商魂が熱く、台湾のビジネス社会は混沌としていて、面白いと思います。
台湾社会のバックボーンの中華民国憲法
このような台湾人の職業に関する意識の違いの裏側にあるものとは?
台湾の憲法では職業の自由が認められているという話を聞いたことがあります。
台湾の中華民国憲法と職業の自由
そこで、台湾の憲法である「中華民国憲法」を調べてみました。
中華民國憲法
第15條
人民之生存權、工作權及財產權,應予保障。
上記のように、中華民国憲法の第15条には、下記のような内容が書かれています。
「人民の生存権(生きる権利)、工作権(働く権利)、財産権(財産を持つ権利)が保障される。」
ご存知の方も多いと思いますが、一般的に、どの国でも共通して言えることは、憲法は人の権利を守るために存在し、憲法の下に制定される法律は人の権利を制するために存在します。
自由に働く権利が保障される現在と過去
法の最高法規である憲法で、自由に働く権利が保障されていることは、日本人からしたら当然のことだと思うかもしれません。
ところが、台湾が民主化されたのは、李登輝総統が誕生して以降ですので、ほんの25年程度しか経過していないのです。
それ以前は、実質的には国の体制は独裁政権下で厳しく人の権利が縛られていたという過去があります。
職業の自由が保障されている台湾
様々な資格や許認可が必要なのは日本も台湾も変わりませんが、一般的には、一部の分野を除いて、誰でもどのような仕事でも自由に始められる権利が保障されています。
ただし、権利が保障されているだけですの、実際に役所が認めるかどうかは法律の下で規制されることになりますが…。
例えば、台湾では街を歩けば、無数のレストランや食堂のお店を開くことができるのも、憲法で仕事をする権利(職業の自由)を保障されているからと考えられます。
そのため、明日から街角で、たこ焼き屋をしたいと思えば、いつでも始められるし、たこ焼き屋を止めて、寿司屋を始めることもできます。
実際に、このように次から次へと職業を変えていく台湾人が多いのが台湾のビジネス社会の現実です。
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