中華学校と子供の教育｜日本にある小さな華人社会と文化

日本にある中華学校についてご紹介します。

日本には台湾系中華学校が３校と中国系中華学校が２校あります。

台湾系中華学校

中国系中華学校

台湾系の東京中華学校と言えば、台湾出身の中華料理の陳健一さんや歌手のジュディオングさんの出身校として有名です。一方、横浜山手中華学校と言えば、「中華学校の子どもたち」（2008年）というドキュメンタリー映画で有名です。

元来、このような中華学校は、在日台湾人や在日中国人あるいは、彼らのご子弟の教育のために設立された学校です。例えば、東京中華学校の例を挙げれば、小学校、中学校までの9年間の義務教育だけではなく、3年間の高等学校まであります。

小学校では台湾で使用されている繁体字の教科書を使って教育が提供されています（一部、日本の教科書も採用）。中学校や高校では中国語だけではなく、日本での進学を想定して日本語でも教育を提供しています。

とはいっても、これらの学校は日本では学校法人でありながら各種学校という扱いで日本の義務教育としての一条校ではなく、台湾や中国の教育局の傘下で管理されています。

それでは、現在これらの学校の現状はどうなっているのか？日本籍（台湾籍の二重国籍も含む）の生徒が大多数を占めているようです。中国経済の成長が影響しているのか、純粋な日本人の子弟の中でも、このような中華学校への進学希望が増えているようです。

なぜ、このように日本人の子供たちの入学希望者が急増しているのでしょうか？主な理由は、中国語を習得しながら日本語での授業もあるため、中国語の習得が可能だと言うことが最も大きな要因でしょう。

それならば、子供の頃から日本にある中国語の語学学校に入学させればよいのではないかと思います。ところが、小さな子供も大人と同じように無意識のうちに楽な方へ楽な方へ気持ちや行動が向かうと言う習性があります。

もし、小学生を語学学校へ通わせたとしても、日本での主な生活環境が日本語だけの場合は、ほとんど言葉の習得には役立ちません。あるいは、それほど子供対象の中国語講座にニーズがないため、子供対象の中国語の語学学校が日本にはあまり存在しないのも子供に中国語を学習させることが出来ない１つの理由です。

それでは、中華学校に通学させた場合は、どうなるか？

中華学校では、基本的には中国語だけの授業が進められるため、必然的に中国語で学習を進めざるをなくなります。そのため、楽な方（日本語）への逃げ道が閉ざされてしまっています。その学習環境により、子供たちは中国語が必然的に習得できるということになります。

それでは、日本の中華学校に通学する日本人のご子弟の日本語はどうなのか？日本に住んでいる以上、中華学校を一歩外に出れば、日本語だけの生活環境となりますので、日本語は必然的に身につくということに成ります。

横浜には台湾系の横浜中華学校と中国系の横浜山手中華学校がありますが、横浜山手中華学校の子供たちにスポットを当てた、「中華学校の子どもたち」というドキュメンタリー映画は、中国語と日本語のバイリンガル文化が交錯する社会の現状を映し出しています。