台湾の大学生に将来の夢はありますか、将来の夢は何ですか、聞いてみた結果をレポートします。
現在、台湾の大学で日本語を学生に教えていますが、教え子でもある彼らに授業の合間を縫って、興味深い質問をぶつけてみました。
彼らの属性は、日本語を専攻している大学4年生で、ある程度日本語を聞き取り、話すことができます。
男女比は、おおむね男性4割、女性6割程度です。卒業を控えた(もう卒業した)彼らに、卒業後の将来の夢について尋ねてみました。
あなたはどう思いますか?|質問前の私の予測
大学での日本語科目の授業の参考になるかもしれないと思い質問したのですが、最近の台湾の大学生が自分の将来をどのように考えているのか、非常に気になるところです。皆さんは、現在の台湾の学生が自分の将来について、どのように考えていると思いますか?
彼らへ質問する前の私の漠然とした推測ですが、質問した相手が日本語学科の学生であり、しかも日系企業が多く進出している台湾という現状を考えると、あるいは現地の台湾企業と比較すると、若干給料も優遇されていて(?)、比較的将来の伸び白も期待できる日系企業に就職を希望する学生が多いのではないかと考えていました。
そして、彼らの中には日本での就職や留学を含めて日本へ行きたいと考える学生も多いのではないかと思っていました。
台湾の大学生が卒業後に描く将来、トップ5は?
それでは、彼ら台湾の大学生の答えは?
- 独立開業(小さな店舗経営)
- 日系企業へ就職
- 日本へワーキングホリデーに行く
- 特にない
- 兵役義務
特にアンケートを取ったわけではなく、自分の言葉で日本語が使えるかを確認するために話してもらいました。おおむね上記のようなことを考えている学生がほとんどでした。(上記の回答は順位ではないです)
想定外に多かった回答とは・・・
意外にも多かった回答は、日本語とは全く関係がなく、「自分のお店を持ちたい」という回答でした。
そして、想定外に「特にない」という回答も多かった印象です。また、私が予想していなかったこととして、ほとんどの男子学生は卒業後は兵役があるため、兵役義務を履行した後、考えるという回答です。
自分で事業を始めたいとは何とも台湾らしいですね。事実、台湾では若くても、年老いていても、年齢や性別に関係なく、老若男女を問わず、小さなお店は気軽に始めてしまう社会の素地がありますからね。
想定外に少なかった回答とは・・・
また、日本語学科の学生にしては留学などを含めて日本へ行くという選択が考えられたのですが、そのように考えている学生は意外にも少ないなという印象です。
日本へのワーキングホリデーは、台湾人の若者には非常に人気があり、希望者が多い反面、日本側のWHビザ発給者数に制限があるようで、多くの場合は抽選によってビザ取得者が決められるそうです。
それでも、台北を中心として台湾に進出している日系企業に就職して良い給料を貰ってお金を稼ぐという学生も何人か答えてくれたのは、予測通りでした。
彼らが描く大学卒業後の将来に対する私の感想
総じて、台湾の学生に将来の夢について質問し、最も気になったことは、あまり将来のことなど深く考えていないような印象を受けました。
日本の場合は、大学3年生になれば、就職活動を始めて、どのような企業に就職したいか、あるいは進学してどのような進路を選択するかを真剣に考える時間がありますね。
ところが、台湾の場合、男性の場合は兵役義務があったり、女性の場合であっても、早い時期から在学中に就職活動をするという習慣がないこともあり、将来の明確な意識を強く持っている学生は少ないように感じました。
よくよく考えてみると、自分が大学4年生だったときも、彼らと同じように将来のことをあまり深く考えていなかったことを思い出しました。
その当時、私はアルバイトをしていたため、アルバイト先に就職してもいいかなと漠然と考えていたのですが、結局、語学留学という名目で海外へ出て行ったことを思い出しました。
まあ、その当時私も彼ら台湾人の学生と同じように、あまり自分のこと、将来のこと、を深く考えてなかったということですね。