台湾の大学講師から見た日本語学科の学生たちの日本語能力

日本語教育

現在私が大学で教えている台湾の日本語学科の大学生たちについてレポートします。

今学期、大学の日本語学科で教え始め約1ヶ月が過ぎようとしています。

学期が始まる前は、どんな学生たちなのか、内心は期待と不安でドキドキでした。

 

今学期は日本語学科の科目を担当しているため、授業中はほとんど日本語だけで教えています。

今学期担当する学生たちは、大学3年生と4年生のため、実質的には日本語を少なくても2年半から3年半程度は学んでいることになります。

これくらい日本語を学んでいる学生の日本語はどれくらいできると思いますか?

今学期が始まり、学生の日本語能力を知るために、各種の方法を駆使して彼らの日本語能力をチェックしました。

 

彼らの日本語語学能力をチェックするためにしたことを簡単に挙げてみます。

■聞き取る能力
日本語だけで授業を進めて学生たちに理解できているか簡単な質問を投げ掛けます。

単純な内容の短編ドラマを見て、理解できるか討論をしてみます。

■話す能力
上記のような方法で彼らに話す機会を十分与えてあげます。

■読む能力
彼らは平仮名は問題なく読めるので、カタカナと漢字も問題なく読めるか確認するため、授業中は頻繁にパワーポイントの文字を読んでもらいます。

■書く能力
上記で挙げた短編ドラマを見てもらった後、ストーリーのサマリーを簡単に書いてもらいます。
自己紹介文を書いてもらいます。

 

上記の作業を授業中や宿題として一緒に進める中でどれくらいの日本語能力があるか少しづつ分かり始めました。

◎聞き取る能力
大学4年生:
ほとんど問題なし、推測ストラテジーも駆使して普通に話していても理解できているようです。
大学3年生:
ゆっくりとはっきりと話しながら、各ポイントで学生の反応を確認進めていけば、問題なく理解できている様子です。

△話す能力
大学4年生:
私の質問に対して答えることは問題なくできるけれど、学生から質問をしたり、説明したりすることは難しいようです。
大学3年生:
さらに話す能力は難しそうです。

○読む能力
大学4年生:
当然、平仮名は問題なく読めますが、カタカナも問題なく読めます。
一般的な単語であっても漢字は読める単語と読めない単語があります。
大学3年生:
大学4年生よりも少し劣ります。

▲書く能力
大学4年生:
基本文型を駆使して簡単な文章を書くことはできます。
助詞の使い方はよく間違えています。
大学3年生:
チェックしていないため不明。

 

彼らの日本語語学能力に関して、私が受けた感覚としては、上記のようなものです。

つまり、聞く能力と話す能力はなんとか問題なくコミュニケーションが成り立つレベルです。

読む能力についても、漢字という日本語と中国語の共通部分を加味すれば、理解することはできるのですが、適切な発音はできない場合があります。

書く能力はかなり難しいとは思いますが、学生により最も語学力が試され、同じ大学4年生でも、学生間で最も能力が分かれる部分のようです。

 

よく言われることですが、台湾では日本人は外国籍の教師になりますので、初めは台湾の学生からは興味深く接してくれますが、飽きてくると授業すら聞いてもらえなくなると言われたりします。

外国人教師としての「珍しさ」の賞味期限は、1ヶ月くらいだと、ある人から聞いたことがありますが、実際私もそのように感じていました。

今学期担当するクラスは、日本語学科の学生であるためか、皆、非常に真面目に関心を持って、授業を受講していくれています。

もう直ぐ1ヶ月が過ぎて、来月には台湾の国定祝日(4月3日-6日)がありますので、その後の学生の反応が私の授業の評価についての勝負どころとなりそうです。

 

最後に、台湾の大学の学生食堂(自助餐)で先日食べた質素な昼食です。(40元)
IMAG2188

タイトルとURLをコピーしました