台湾の大学を含めたほとんどの学校も、そろそろ春節休みを前に休みモードになってきました。私が勤務している大学も期末試験が終了して、ようやく肩の荷が下りたと思っていたところ、今後は成績の評価をするためにテストの採点やそれに伴う手続きなどで大忙しの時期です。そこで今回は、台湾の大学（日本語学科）の試験に関することと、私が担当する来学期の科目について簡単にご紹介します。
台湾の大学で日本語教師として1年半が終了
以前もご紹介したことがあると思いますが、台湾のほとんどの大学は、9月が新年度新学期の始まりとなっており、春節（旧正月）前までが第一学期となっています。そして、春節明けの2月下旬頃から6月末頃までが第二学期となっています。春節は年により決まりますので9月の学期初めが少し早くなったり遅くなったりして日程調整をしているようです。
毎年、春節前になると、ソワソワすると同時に、試験の準備や来学期の担当科目の配分などにより、忙しくなる時期でもあります。そんな中、今年もこの時期を何とか乗り切る目処がつきました。1週間くらい前に最後の授業が終わり、その後、急いで期末試験の準備をして、今週はようやく期末試験が終わりました。
試験問題作成と授業内容・学生の理解度と試験結果の予測
試験問題の作成時には、受け持った学生の能力と授業で扱った内容を加味して、試験の問題の難易度とのバランスを考えながら作成します。ところが、過去には、簡単な問題だと思い作成した試験問題が、実は学生にはハードルが高すぎ、平均点がかなり低くなってしまったことがありました。こうなると、試験をする意味などなくなり、何らかの形で点数を調整しないと大部分の学生が不合格となってしまいます。
そのため、私は今学期からは、試験機関の直前に、期末試験の準備を兼ねて総まとめの時間を設けました。試験形式や試験問題の難易度などを学生に確認して、彼らの反応を見て試験問題のハードルと上げたり下げたりすることにしました。得点の分散があまり大きくならないようにするためにも、選択問題を適宜増やすことも有効だということに気が付きました。つまり、成績があまりにも良い学生と成績があまりにも悪い学生の二極化が試験で表面化しすぎるのも問題があるのではとの思いからです。
私の大学での成績評価方法は？
大学での成績評価は、全て担当する教員に委ねられています。そのため、どのような評価方法を採用してもよいのですが、ある程度の評価基準は大学のシステムに組み込まれているため、そのシステムに準じた形で評価することになります。そのシステムによると出欠席を取るのは必須要件になっています。
私の場合は、主に3つの方法で総合的に評価することを基本としています。
1.授業への参加度（貢献度）
2.レポートや宿題
3.中間・期末試験
だいたい上記の方法ごとに3分の1づつの評価です。どの科目もどの教員が担当しても上記のような評価基準になると思いますが、私の場合は、特に受講人数によっては、評価の比率を替えてみたりします。つまり、比較的小規模なクラスの場合は、授業への貢献度の評価基準を高くしたり、比較的大規模なクラスの場合は、出欠席率や試験結果の評価比率を高くしてみたりします。
今回の期末試験の結果は妥当だったか？
そして、今学期も期末試験が終わり、採点も概ね終わりました。毎回試験問題を作成する時には、想定する平均点を予測しながら進めています。そして、今回も概ね○○点～○○点程度とレンジを決めています。
そして、今回の期末試験の結果は、何とか事前に予測した平均点のレンジ内に納まりました。あまりにも平均点や中央値が偏ってしまうと、試験問題に疑問符が付いてしまいますので、今回の試験は問題なかったということが結果として分かり安心しました。
成績評価方法の課題と大学端末システムで苦労する点など
とは言っても、ある科目は日本語会話の科目であるため、採点するというよりも学生の努力を評価すると言うほうが適切かもしれません。つまり、私が一人で評価する以上、私の匙加減で学生の成績が全て決まってしまいます。この点は、来学期以降は再検討する必要がありそうです。例えば、学生同士による相互評価の方法なども検討してみたいと思います。
大学の評価システムは全て端末上で管理できるようになっているため、インターネット環境が整っていれば自宅などの外部からでも成績を付ける業務はできます。一方でセキュリティーなどの関係で、大学の端末システムに慣れていない私には少しばかりハードルが高く、しかも説明などが少し専門的な中国語で書かれているため、苦労します。
台湾の大学で非常勤講師をする上で困ったことのまとめ
今学期も、大学システムの端末の利用方法が分からず、小一時間ほど悪戦苦闘しながら、ようやく全ての評価が終了しました。（ィヤッホー！）
来学期予定の担当4科目が（仮）決定
そして最後に、私の来学期の担当科目は今学期と同様に4科目なる予定です。私の大学では多くの非常勤講師の教員は4科目を担当するように配分しているようです。
そして、問題の授業科目は？
・日本語会話
・日本語作文
・中級日本語
・コミュニケーション日本語
今学期までは何となく同じようなジャンル（会話）の科目だったため、やりやすかったのですが、来学期は見事にバラバラのジャンルです。日本語作文という科目は初めて教えるため、どのような教材を使用して、どのように教えたらよいのか全く分かりません。
また、コミュニケーションとは随分とフワッとした科目で、更にどんな内容をどのようなテキストを使用して教えたらよいのかますます分かりません。しかも、これらの科目は私の全く立ち入ったことがない未知のジャンルであり、裸で武器も持たずにジャングルに狩りに行くような状況だと思います。来学期はどうなってしまうのか？
