台湾の大学で日本語教師として1年目の貴重な経験|今学期の全スケジュール終了

台湾の大学で、はじめて日本語教師として働き始め、1年が経過しましたので、総括の意味を込めてレポートします。2013年の9月から台湾の某大学で日本語を中心とした科目を教え始め、6月末に差し掛かり2学期目が終了しました。

2学期目の今学期は日本語以外の授業も担当することになり、当初の想定を遥かに越えた展開になりました。この1年間の日本語教師としての経験を一言で言えば、「非常に大変な仕事で疲れた、ようやく終わってホッとした!」です。(笑)

 

今学期大学での授業が大変だった理由とは?

どうしてこんなに疲れたのか?と自問自答してみると、いままで日本語を教えたことがなかったのにも関わらず、いきなり大学でしかも何十人もの学生を相手に教壇に立たなくてはならなくなったため、毎回が緊張の連続でした。

なぜ、緊張をするのか?を考えてみたのですが、やはり日本語などを教えるという仕事に慣れていないため、どのように進めてよいか分からないことが大きく影響しているのでしょう。

例えば、仕事などで多くの人の前でプレゼンをしなければいけなくなった時に、初めての時は手が震え、声が震えるくらい緊張するけれど、数を重ねる毎に慣れてくるという経験はないでしょうか?慣れにより緊張は緩和するものですね。

また、その他にも準備があまり十分にできていなかったと言う理由で、緊張が増幅された部分もありました。

特に、今学期は日本語以外の科目を突然依頼されやむなく担当することになり、しかもその科目は実際には自分の専門分野でなかったため、授業の準備が後手後手に回ってしまったことが大きな要因です。そのため、今後は授業の準備をしっかりと整えてから教壇に立とうと思います。

 

大学内でのシステムや手続きが分からないストレス

一般的には、大学の専任教員の仕事には、「教育」、「研究」、「行政(事務)」の3つをする必要がありますが、非常勤講師の場合は、通常は「教育」だけの契約を大学側と結びます。

今学期、私は非常勤講師として数科目を担当するだけでしたが、学生管理、成績評価、教材の手配など全ての面で端末システムでの管理になっているため、この点については非常に苦労しました。

台湾の大学であるため、全てのマニュアルや端末上の表記は中国語になります。そのため、例えば、休講や補講をとるにも、どのような手続きでどこに申請をすればよいのか分からないため、一苦労です。

ベテランの専任教員の方であれば、たとえ端末などに疎くても、ティーチングアシスタントが付きますので問題ないわけですが、アルバイト教師同然の私のような非常勤講師はそういうわけにもいきません。

台湾の大学で教えるためには、それ相応の中国語が出来た方がストレスが溜まらないと実感しています。もっと中国語でコミュニケーションがとれるように学習時間を割こうと思いました。

 

授業中ヤル気ない学生にどう対応するか?

それでも、ひとたび授業になれば、イニシアティブをとるのは教員しかいませんので、やるしかないという覚悟で教壇に立ちます。

台湾の学生も日本の学生と同様に、半数以上は授業を聞いていない学生で溢れています。そのため、少し無理矢理にでも彼らを授業に参加させる方法を考えないと、授業が成り立たなくなってしまいます。

ところが、こちらも、はじめての授業であるため、学生を授業に向かせるほどの技術は持ち合わせていません。どうしたらよいのか?非常に悩みました。

そこで考えた方法は2つ。一つは、学生を味方につけて授業に自然と参加させること。もう一つは、ヤル気のない学生は放置して、ヤル気のある学生だけに対して淡々と授業を進めること。前者の方が良いに決まっていますが、なかなかそうは上手く進みません。

たまには、ジョークを交えて学生の気を引いたり、授業とは全く関係のない個人的な経験を話したりして、学生を味方につけた授業をしたこともありました。このようなテクニックは、前学期と比べると、今学期は少しは上手になったかなと思います。

その結果、学生が私の授業について来てくれるようになりました。前学期はヤル気のない学生を放置しすぎました。(反省)

 

総括として辿り着いた「PDCA」活動

上記のような、成功した経験や失敗した経験は、授業の進め方などの改善や反省を基に更に、今後のより良い授業を構成するために活かせられそうです。「準備」、「経験」、「反省」のサイクルの中から改善が生まれ、更に進化した授業が進められると言うのが理想的な循環なのでしょう。これぞまさしく、経営学などでよく言われる「PDCA」のサイクルですね。来学期は更なるステップアップのために、授業の準備を怠りなくしようと思います。ということで、来学期も大学で数科目の担当依頼を受けています。(まだ教師に対する評価は終了していないのですが・・・低評価でクビならどうなるのかな?)
台湾の大学での学生からの教師評価の仕組みについては下記を参照してみて下さい。
台湾で大学教員として勤続する条件|初めての学生からの評価はいかに?

未経験から日本語教師を目指す方へ >>> 日本語教師になる方法

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