台湾で日本語教師養成講座を受講した話です。
この講座は毎週日曜日、朝から夕方まで受講しますが、今回は2週目の授業でした。
受講生は14名で、このコースでは5名くらいの先生がローテーションを組んで、毎週、日本語教育に関する異なるテーマを教えてくれます。
実は、以前、日本語教育に関する概要を少しだけ独学で学んだこともあるので、既に知っている知識もあります。
ところが、改めて現役の日本語教師の方からご教示いただくと強いインパクトを受け、新たな発見があったりします。
その中でも、今回のテーマで強い印象を受けたことを少しだけ簡単にまとめておきます。
1.コミュニケーション
2.クラス運営と学生の緊張
3.外国語習得と面子
4.クラスでの導入
5.直接法での教師の言葉
まず、コミュニケーションとは何か?ということについて、みんなで考えました。
一般的には、相手がいて初めて成り立つのがコミュニケーション、そのため1人でのスピーチはコミュニケーションとは言えないとのことでした。
特に、外国語教育でのコミュニケーションは、相手の言っていることが分からなければ、一方的に1人の人が話しているだけとなるため、コミュニケーションが成り立たないことになります。
一方で、聞き取りができなければ、コミュニケーションが成り立たないということが言えます。
ところが、コミュニケーションを取るときには、全ての言葉を一語一句聞き逃さずに聴き取っているかというと、そうではなくキーワードを中心にして「大体」聴き取っているのだそうです。
これは、外国語習得だけでなく日本人が日本語を聴いている時にも同じことが言えるでしょう。
クラス運営に関して、日本語教師が気を付けなければならないことの1つはクラスの雰囲気づくりとのことでした。
基本的には、日本語を学ぶ学生はクラス内では外国語である日本語が聞き取れないため緊張しているとのことでした。
これは、本当に頷けます。
中国語を聞き取れない、いいぞっが、このようなクラスで中国語で授業を受けている時に、先生から指名された時のドキドキ感は測り知れませんw
このようにならないためにも、学生の立場に立って、緊張感のないクラス運営をすることで、学生の語学習得をより促進することができるのだそうです。
逆に、緊張した状態で学習している学生は、外国語をスムーズに吸収できないのかもしれません。
小さな子供が大人よりも外国語をよりスムーズに習得できる理由は、子どもには面子がないから恥ずかしさもない、そのため模倣の連続で外国語を早く習得できるのだそうです。
コミュニケーション成立の条件、緊張、面子、模倣、全てにおいて、中国語を学習している自分にとっては納得できる内容で目からウロコが落ちました。
日本語教育で外国人に日本語を教える時の「導入」について少しだけ実習をしました。
外国語教育の導入とは、新しい表現を教える時に、その表現が使われる状況を学生に示した上で、その表現が使われる場面を理解させるとともに関心を持ってもらう学習の準備作業をいうのだそうです。
実際に、このような導入の練習を教師という立場で実践したのですが、自分は日本語で全て話したため、できるだけ簡単な表現で、表現も統一した方がよいという指摘を頂きました。
毎回、このように日本語教育に関する新たな発見がありそうです。
今まで携わったことがない分野ですが、このように考えると日本語教師も面白いかもしれません。