台湾の某大学で日本語教師として、非常勤講師をしています。大学での日本語教育歴も3年目となり、マンネリ化しつつあります。
今学期担当する学生は前学期担当した同じ学生のため、自然と緊張感も薄れ打ち解けやすくなっています。そのため、心なしか大学生との距離間も、少しは近く感じます。
また、授業中には、緊張感が崩れ、少しばかりゆる~いハプニングが起きたり、想定外のことも発生したりします。今回は、私が台湾の大学に赴任してから起きた、あまりお目にかかれない珍事を簡単にご紹介します。
先生!! わたし…実は…ニンシンしちゃった…!?
今学期の出来事ではありませんが、ある学期の学期始めに、可愛らしい女子大学生から相談があると言われ、少し話をすることになりました。
一般的なこととして、非常勤講師でも学生から相談されることがあります。相談内容は、ほとんどは自分が担当する授業のことです。
特に、相談が多いことは、授業を欠席する、あるいは遅刻や早退をすることについて、了承して欲しいというものです。私の授業の出欠席に対する方針として、正当な用事があれば規定の手続きをとれば、自由に休んでよいことにしています。
そして、話を戻しますが、女子学生から、相談を受けたのですが…。相談前から表情を見ていると、何かモジモジしていて様子がおかしかった。
そして、その女子大学生は、唐突に私に言いました。
「先生!! 私、妊娠しました。どうしたらいいですか!?」
正直、身に覚えがなかったため、冷静な自分と、アレッ! 踏み外したか!? という心に少し動揺が走りました。その結果は・・・?
大学生の教え子から「妊娠しました」と言われ・・・
授業中に咳が止まらなくなり、授業が一時停止になった理由は?
ある学生が授業中に遅刻をして、教室に入ってきた瞬間、その学生は咳き込み始めました。風邪でも引いて、病院に行って来たのかと思ったその瞬間・・・。
今度は、教壇に立っていた私の喉に異変が起きました。喉が埃っぽくイガイガする。もう我慢できないという状況になり、私も咳き込み、咳が止まらなくなりました。
一瞬で異常に教室内が埃っぽくなり、同時に喉の調子がおかしくなり、声を発することもできなくなりました。そして、次の瞬間、目も開けられないくらい、埃っぽさの濃度が強くなりました。そして、目が少し痛くなり涙がにじみ始めました。
その直後、次から次へと他の学生も咳き込むようになり、教室内のほとんどの学生が咳をし始めました。これは異常事態だと感じながら、空調を止めたり、窓を全開にしたり、数人の学生が協力してくれました。
それでも事態は変化しないため、全員、教室から出るように指示しました。そして、なぜか一部の学生が苦笑いをし始めているのに気が付きました。
少し時間を置いて、教室内の埃っぽい空気が消え始めた頃、教室に戻り、授業を再開しました。その時、教室の一番前に座っていた学生が、コッソリ教えてくれました。日本語で何と言うのか分からないため、スマホを見せてくれました。スマホに出ていた文字は・・・?
「催涙ガス」
前の方に座っていた女子学生が、防犯用の催涙スプレーを見せていました。そして、その横に座っていた男子学生が冗談で押してしまったというジェスチャーをしていました。なぜか怒る気にもなれず、結果が分かってホッとしました。
テストの最中に突然、女子大学生が乱れた!? オイどうした!?
先日、大学の中間試験がようやく終わりました。中間試験と期末試験の期間が決まっていて、試験期間中は緊張感と安堵感が交錯する時期でもあります。
普段の授業では、あまり真面目に授業を受けていない学生でも、定期試験となると必ず与えた課題をしてきてくれます。そして、定期試験では、普段欠席が多い学生でも、ほとんど全員、出席します。
ある授業の中間試験の課題として、各学生に発表の課題を与えました。それも、今回は少しハードルを上げて、難しい課題をしてもらうことにしました。驚いたことに、いつもはあまり真面目に授業を受けていない学生も、思った以上に健闘してくれました。
そして、いつも授業では最も真面目に授業を受けてくれている女子学生の発表の順番になりました。授業にも協力的だし、真面目な学生のため、心の中で少し応援したくなりました。(でも成績評価は公平公正に行いますよ)
そして、途中まで順調に発表を進めていったのですが・・・エッ! 突然話が止まってしまいました。暗記してきた内容を忘れてしまった!? いや違う。声が擦れて声にならなくなっている。
あ~、半泣きになっちゃってる。一体どうした? 半泣きながら、最後まで発表を終えてくれました。(ホッとしました~)発表の内容に自分の経験談が含まれていたため、その時の気持ちがスラッシュバックして来たのかも知れません。
それと、真面目な学生ほど、失敗してはいけないという気持ちが強く、あまりの緊張感で耐えられなくなってしまったのかもしれません。どちらにしても、何とか最後まで無事に発表を終えられて、一安心しました。
そして、授業終了後、その女子学生は、私のところに来ました。
彼女は、苦笑いで「試験なのに泣いちゃった。」と一言言いに来てくれました。
私は彼女に言いました。「大丈夫だよ。よく頑張ったね。」