【保存版】日本語教師になる方法(キャリアアップのルートマップ付)

日本語教師になる方法 資格・試験

現役日本語教師が日本語教師になる方法を徹底解説します。全く未経験の方が、日本語教師になるまでのプロセスを順を追って説明していきます。

その中で、日本語教師に興味がある方が、最初にしておきたいこと、日本語教師の資格、日本語教師の応募条件、教育機関への就職までの道のりなどについて紹介します。

この記事では、主に下記のような内容をご紹介しています。

  • 先ず最初に考えるべきこととすべきこと
  • 日本語教師になるための学習とその方法
  • 日本語教師の仕事に応募するための条件
  • 日本語教師として採用されるための準備

日本語教師を目指す方が、上記のようなことを予め知ることで、日本語教師になりたいという憧れが、日本語教師になるという覚悟へ変わる切っ掛けになれば光栄です。

(この記事では出来るだけ中立な情報を提供するつもりですが、個人的な経験を基にしたリアルな現状を述べている場面がありますので、心が折れてしまう方もいるかもしれません。予めご了承ください。)

 

日本語教師を目指す方が最初に考えるべきこと・すべきこと

日本語教師とは、外国人に日本語を教える職業ですが、国家資格ではないため、必ずしも資格が必要というわけではありません。そのため、日本語教師の資格がなくても、日本語を全く教えた経験がなくても、日本語教師になることが出来ます。

そして、日本語教師が活躍できるフィールドは、下記のように大きく2つに区分できます。

  • 国内教育機関
  • 海外教育機関

そして、上記の教育機関は、更に下記のように、教育機関の種類によって3つに区分されます。

  • 大学・高等学校
  • 民間学校・日本語教室
  • 企業・政府機関派遣

つまり、上記のように、国内か海外かという2つの選択肢に、大学・高等学校、民間学校・日本語教室、企業・政府機関派遣の3つの選択肢があるため、少なくても6つの選択肢の、どこを目指すのかの選択になります。

応募条件やビザなどの様々な条件を考慮すると、上記の中で最もハードルが高い選択肢は海外の大学になります。そして、その次は国内の大学と考えて間違いないでしょう。

仕事の求人が最も多く、未経験の方が目指すにはハードルが比較的低い教育機関は、国内の民間学校・日本語教室になります。ただし、場合(国)によっては、海外の民間学校・日本語教室も比較的採用されやすいため狙い目でしょう。

企業・政府機関派遣の日本語教師の場合は、例えば、民間企業が日本語教師として、特別職(非常勤)として採用する場合や、政府機関の派遣では、例えば、(青年)海外協力隊(JICA)や国際交流基金のような政府機関が国際協力の一環として海外派遣するようなケースです。こちらも狭き門ですが、応募条件に合致していれば、応募して採用されれば、将来のキャリアアップの一つになることでしょう。

上記のように、日本語教師には、いくつかの選択肢がありますので、将来的にどの方向へ進もうと考えているのかにより、その後の学習方法が異なってきます。

 

日本語教師になるための学習とその方法

日本では、下記の条件を基準に日本語教師の「有資格者」としています。それと同時に、後述するように、この条件を一つ満たしていることを、日本語教師募集の応募要件としている教育機関が多いのが現状です。

  • 日本語教育能力検定試験 合格者
  • 日本語教師養成講座420時間コース 修了者
  • 大学日本語教育課程/主・副専攻 修了者

 

日本語教育能力検定試験の概要

日本語教育能力検定試験とは、公益財団法人日本国際教育支援協会(主催)と公益社団法人日本語教育学会(認定)による民間資格の一つです。

「日本語教育を行う専門家として基礎的水準に達しているか」を検定する試験ですので、厳密には資格試験ではありません。この試験に合格すると、日本語教師の「有資格者」として合格認定証を受け取ることが出来ます。

この資格試験の受験資格は、特に制限されていないため、学歴や国籍に関係なく受験することが出来ます。毎年一回、10月頃に検定試験が行われています。(受験料:10,600円)

日本語教育能力検定試験の出題範囲はかなり広範囲になりますので、合格するためには試験の為の事前準備は必須でしょう。その一方で、試験のための学習をシッカリしておけば、合格のハードルはそれほど高くはないでしょう。(合格率:25%前後)また、問題形式はほとんどがマークシート形式で、一部だけ記述形式の問題があります。

日本語教育能力検定試験の学習方法

合格するための方法は、一般的なテキスト教材で、ある程度理解した上で、過去問を何度か練習をすれば、問題の傾向が把握できるようになります。一度解答をしてみて、間違った部分を、再度テキストに戻って確認するという、オーソドックスな試験対策をすれば、比較的簡単に合格基準に到達できることでしょう。

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日本語教師養成講座420時間コース

日本語教師養成420時間コースとは、文化庁(文部科学省の外局行政機関)が示した「日本語教師養成のための標準的な教育内容」の指針に沿った養成講座のことを言っています。

この養成講座では民間スクールが上記のシラバスを網羅した形で、カリキュラムを組み講座を受講して、最後に授業実習として模擬授業をするスクールが多いようです。実際のカリキュラムや講座、あるいは実習に関してはスクールにより異なるため、学習内容はスクールの色が出るところです。

この養成講座は各民間スクールによって受講期間が異なりますが、一般的には、1年前後の期間のところが多くなっています。その一方で、最短受講期間が6ヶ月間に設定されているスクールもあります。

受講費用も各民間スクールにより異なりますが、50万円~60万円程度のスクールが多くなっています。公共職業訓練や求職者支援訓練として認定されている講座もありますので、条件に当てはまる方や失業中で求職中の方は、詳細を調べてみるとよいでしょう。

大学日本語教育課程/主・副専攻

大学や大学院で日本語教育課程が設置されている場合は、所定の単位を取得することで、日本語教員養成課程の修了証が発行され、日本語教師の「有資格者」とみなされます。

現在、大学生あるいは大学院生で、所属する大学に日本語教員養成課程がある場合は、大学で単位を取得しておくことは、将来のキャリアアップに役立ちます。特に、海外の教育機関で活躍したいと考えている方は、専攻分野が日本語教育や日本語学(あるいは日本文学や日本文化)であることが非常に強いアピールポイントになります。

ただし、現在、学生ではない方が、敢えて大学の日本語教育課程に入り直すのは得策ではないように思います。それは、時間的なロスだけではなく、経済的なロス、それに機会や経験のロスになる可能性があるためです。唯一、大学で再び学び直す理由があるとすれば、将来、海外の大学で日本語教師を目指す方のみです。

海外の大学では、大学卒の学位が必要になったり、多くの大学では修士以上の学位が必須になります。また、日本国内の大学で日本語教師をしようとすれば、修士以上の学位が必須になります。

 

日本語教師の仕事に応募するための条件

日本語教師の求人は国内外を問わず、常に何らかの形で募集があるのが現状です。2020年には東京オリンピックが開催されろことも追い風になり、現在は日本語教師の募集が多くなっていますね。

ここでは、国内の教育機関と海外の教育機関に分けて、日本語教師の仕事の求人への応募条件を解説します。

 

日本国内の教育機関への応募条件

日本国内の大学の日本語教員の応募条件

日本国内の大学の日本語教員の募集案件を見ると、常勤教員と非常勤教員に分けられます。一般的に、常勤教員の場合は、大学での仕事として、以下の3つの業務を担当することになります。

  • 研究:一定の研究業績が求められる
  • 教育:年間(或いは学期)毎に一定数の講義を担当
  • 学務:大学運営の業務を担当(海外大学の提携や交流など)

非常勤教員(兼任教員)の場合は、基本的には、上記の「教育」にあたる授業の担当のみが業務になります。そのため、給料も時間制で「コマ数×時給」という計算になります。

その他にも、特任教員などという呼称で、上記の教育と学務の一部を担当するような契約形態もあるようです。

また、常勤教員と非常勤教員のどちらの雇用契約でも、任期なしと任期付きの雇用形態があります。つまり、任期なしの場合は学内規定の定年までの雇用になり、任期付きの場合は一年契約で毎年延長するケースや3年間の任期付き契約などという形になります。

応募条件は、各大学により少しづつ異なりますが、多くの大学では、(特に常勤教員の採用の場合)博士の学位が必須要件になり、(国立大学の場合)更に、今までの研究業績が重視される場合も多くあります。

非常勤教員の場合の応募条件は、(特に私立大学の場合)修士の学位(日本語教育や日本語学の専攻分野)以上が応募条件になっているケースが多いです。この場合、一般的には研究実績などは求められないことが多いです。

 

国内民間学校・日本語教室の日本語教師の応募条件

国内の民間スクールや日本語教室の場合は、各学校により応募条件が微妙に異なりますが、下記の一つを満たしていることを応募条件としている場合がほとんどです。ただし、給料は大学卒と短大卒あるいは高卒などの学歴や実績によって異なるのが一般的です。

  • 日本語教育能力検定試験 合格者
  • 日本語教師養成講座420時間コース 修了者
  • 大学日本語教育課程/主・副専攻 修了者

応募にあたっては、日本語教師としての実務経験があった方が優遇される場合が多いですが、応募条件として挙げていることは少ないのが現状です。

 

国内の企業・政府機関派遣の日本語教師の応募条件

企業派遣や政府機関からの国内派遣の場合は、どの機関がどこ(教育機関の種別)へ派遣するのかにより、応募条件は異なります。

例えば、東南アジアからの看護師や介護士の日本への受け入れ(EPA)が始まり、関連省庁への派遣というケースがあります。また、国際交流基金なども、毎年、日本国内の教育機関に日本語教師を派遣しています。

この場合の応募条件を見てみると、修士以上の学位(または学士以上の学位+研究成果)に加えて、3年以上の実務経験、英語の運用能力などを応募条件にしている場合が多くなります。

 

日本国外の教育機関への応募条件

日本国外の海外の教育機関への日本語教師の場合は、原則的には、ビザの関係で専任教員・常勤教員としての応募がほとんどです。そのため、兼任教員(非常勤教員)の応募条件については省略します。

 

日本国外の大学の日本語教員の応募条件

外国の大学の日本語教員の募集案件でも、日本国内と同様に、常勤教員と非常勤教員に分けられます。海外の大学でも同じように、常勤教員の場合は、大学での仕事として、以下の3つの業務を担当することになります。

  • 研究:一定の研究業績が求められる
  • 教育:年間(或いは学期)毎に一定数の講義を担当
  • 学務:大学運営の業務を担当(日本の大学との提携や交流など)

海外の大学で日本語教師をする場合、その応募条件は国によって、かなり異なります。乱暴な区分すると、専任教員の場合は、下記のようになります。

  • 欧米諸国 :博士の学位+研究実績
  • 台湾   :博士の学位
  • 東南アジア:修士以上の学位(または学士の学位)
  • 中国   :学士以上の学位

あまりにもザックリとした、区分けですが、概ね上記のような応募条件を設定している大学が多くなります。もちろん、例外として、東南アジアや中国の大学でも、研究業績のレベルが高い大学(有名大学)は博士の学位が必須条件となっている大学もあります。

(非常勤教員(兼任教員)の場合は、ビザの関係があり別問題が発生しますが、台湾の場合は修士(日本語教育・日本語学専攻)以上が応募条件になります。)

 

国外民間学校・日本語教室の日本語教師の応募条件

一般的には、日本国内の事情と同様に、下記の条件の一つを満たしていることが応募条件になっている場合がほとんどです。

  • 日本語教育能力検定試験 合格者
  • 日本語教師養成講座420時間コース 修了者
  • 大学日本語教育課程/主・副専攻 修了者

海外の民間学校・日本語教室とは言え、経営者は日本人の場合も多いため、このようなハードルを設けているのでしょう。海外では現地の方が経営している小規模な日本語教室の場合は、特に応募条件はなく、日本語ネイティブであればOKというところもあります。ただし、そのような日本語教室は経営もしっかりしていない場合が多いため、就労するには注意が必要です。

また、応募条件として実務経験を求められるかどうかという点については、採用する学校の状況によります。つまり、クラス運営を任せられるような即戦力が必要な状況であれば、実務経験が豊富な人材を募集するでしょう。一方、将来的な経営の拡大などを模索しているような場合は、未経験の方を採用して、長期的に人材を育てていくというケースもあります。

一般的には、募集段階で実務経験を明確に打ち出しているケースは少ないですが、実務経験があれば優遇されるということは間違えないでしょう。それと、基本的に、海外のスクールでは日本語教師は経験の有無に関係なく、即戦力と見做されますので、採用と同時に授業を任せられます。そして、生徒からの評判が悪過ぎると、辞めざるを得ない状況に追い込まれることもあります。

 

国外の企業・政府機関派遣の日本語教師の応募条件

企業派遣や政府機関からの派遣の場合は、どの機関がどこ(教育機関の種別)へ派遣するのかにより、応募条件は異なります。

例えば、JICAは毎年、青年海外協力隊の活動として日本語教師を海外の大学などの高等教育機関に派遣していますが、その場合でさえ、大卒の学位を条件にしていたり、修士以上の学位を応募条件にしていたりします。

また、学位だけではなく、日本語教育の実務経験3年以上などの条件を挙げている案件も見受けられます。

 

日本語教師として採用されるための準備

応募条件に合った募集を見つけ、その募集案件が気になる場合は、躊躇なく応募をしたほうが良いでしょう。というのも、人気がある募集案件は、多くの応募者が殺到するため、早めに募集を停止する場合もあります。

現在、自分に合った募集案件がなかったとしても、事前に応募に必要な書類(証明書、経歴書など)を準備しておきましょう。例えば、大学卒業証明書などは、自宅の近くに母校があれば問題ありませんが、遠方にある場合は郵送でのやり取りなどで時間が掛かるものです。

日本語教師の募集に限らず、人材の募集は、定期募集の場合、着任日から起算して6ヶ月以上前から始まる場合が多いようです。特に、国内外の大学の場合は1年以上前から募集が始まることも多くあります。

そのため、自分がいつから日本語教師として働き始める予定なのかということと、各教育機関での着任月はいつ頃が多いのかということを知っておくことが重要です。一般的には、日本では4月から着任、海外では9月(または8月)からの着任というケースが多くなります。

結論として、募集時期を見越して、いつでも応募できる準備をしておくことが必要になってきます。一度逃したチャンスは二度とはやって来ない、くらいの気持ちで準備をしておきましょう。

 

未経験から日本語教師としてキャリアアップするルートマップ

日本語教師を生涯の仕事とする場合、将来のキャリアを考えておくことは、後の教師人生での迷いや停滞という負の時期を乗り切るために重要です。

日本語教師に限らず、仕事でのキャリアを描く際には、まず最初にキャリアデザインをイメージすることから始めると、目標設定がしやすくなります。

例えば、大目標に対して、中期的な中目標を作ると、短期的な小目標をイメージしやすくなり、それならば、今は何をすべきなのか、が明確になるという、ごく典型的な目標設定シートの考え方です。

 

日本語教師としてのキャリアの目標を決めるべし

まずは、今現在の自分の希望や将来の理想として、どのような日本語教師を目指すのか、を決めておくことが最も重要なことでしょう。

つまり、最終的な日本語教師としての自分の理想形になります。例えば、日本語教師の理想像として、下記のようなイメージが考えられるかもしれません。

  • 民間スクール・日本語教室を運営する日本語教師
  • 教育機関種別は問わず海外で働き続ける日本語教師
  • 大学で研究をしながら大学教員として日本語を教える日本語教師
  • 専門分野(入門レベル、発音矯正など)のプロ教師としての日本語教師
  • 地域に根ざした在日外国人へ社会貢献をする日本語教師

もちろん、上記のような日本語教師の自分の理想像は、実際の現場で活動をし始めれば、次々に変わっていくものかもしれません。

例えば、将来的には大学で日本語教育の研究をしながら、外国人に日本語を教えたいというのであれば、出来るだけ早いうちに、大学院へ進学し必要な学位を取得しておく必要があります。

あるいは、海外で日本語を教えたい場合は、少なくても英語、あるいは該当する国の言語を習得しておく必要があります。そして、それはいつ頃までに達成しておく必要があるのか…。このように、上述したような大目標を決めることで、必然的に条件が絞り込まれ、中目標が決まってきます。

そうすれば、中目標が決まり、短期的には何をする必要があるのかが分かりますね。まずは、日本語教えるための舞台に立つ必要があります。その舞台に立つためには、現時点で、日本語教師として務める教育機関に就職する準備となります。

その準備とは、日本語教師になる方法で述べたような条件を満たす必要があります。その理由は、どの教育機関でも、検定試験合格、養成講座修了、大学の養成課程修了のいづれかを要求しているからです。

余談ですが、上記のような試験合格や講座修了をしているからと言って、教育現場では必要のない知識も多いのはココだけの話…。

 

民間スクール・日本語教室運営の日本語教師

国内外を問わず日本語教師としての教育現場を数年~十年以上経験した後、日本語を教える学校を設立する方も多くいます。実際には、日本国内よりも、日本企業が多く進出しているアジア諸国では、小さな日本語教室から始めて、少しずつ業務を拡大して、学校を設立するというパターンが多いです。

特に、私が住んでいる台湾では、日本語を学ぶ台湾人が多く、教育熱も高いため、それなりの需要があり、上手に運営をすれば、生徒が多く集まり、学校運営へと発展して、軌道に乗っている学校もチラホラ見受けられます。

将来、スクール運営を目指そうと考えている場合は、日本語教師としての資質よりも、営業力や人的管理能力が必要になります。その意味では、むしろ日本語教師の資質がなくても、教える人を募集して、学ぶ人を集客する能力が高く、教師と生徒を管理する能力が高ければ、スクール運営は出来てしまうかもしれません。

キャリアルート:日本語教師 → マネージャー → 学校設立

 

海外で働き続ける日本語教師を目指す

海外で日本語教師として活躍したい方は多いと思います。特に、若い方は、日本語教師を務めながら、英語やその国の言語を習得したいと考えている方も多いことでしょう。

海外へ出る前には、外国語の習得をある程度、身に付けておいた方がよいでしょう。そして、できれば、一度くらい、日本で民間スクールや日本語教室などで、日本語を教える経験を積んでから、海外へ向うべきでしょう。

外国語も中途半端、日本語教師としての経験もない、両方とも身に付けられていない状況で、海外で日本語教師として働き始めるというのは、かなり無謀な賭けになります。

どちらか一方が、想定していた以上に苦戦することになると、もう一方も足を引っ張られ、苦労するという底なし沼に嵌ることがあります。そして、どちらも、上手くいかず、最悪の結果になることを想定しましょう。

海外で日本語教師として働き続ける理想形は、ノマド的に数年毎に働く国を移動しながら、日本語を教えることで、世界中に友人が出来る…というものかもしれません。数年毎に旅をするように、世界各国を股に掛けながら、日本語教師を続けキャリアアップを目指すというとことでしょうか。

キャリアルート:日本で外国語習得&実務経験→海外で日本語教師(外国語UP)→海外で日本語教師

 

研究者+日本語教師を目指す方

日本語教師というよりも、日本語教育、日本語学、日本文学、日本文化などの専門分野の研究者と言ったほうがよいかもしれません。出来るだけ早めに、大学院へ進学して博士の学位を取得し、自分の専門分野の研究業績を積み重ねましょう。

常勤の大学教員は、専門分野だけの仕事をしていれば良さそうですね。ところが、実際には、大学運営などの学務に関する雑務が多かったりすると、民間企業のサラリーマンと変わらなかったり、研究業績の締め切りが迫っていたりすると、かなりのストレスになりそうです。

常に、自分の研究をし続けて、そのような研究を一生楽しめられる方でなければ、大学での日本語教師は務まらないでしょう。一方で、日本語教師の中では、待遇が圧倒的に高いのが大学教員です。

キャリアルート:大学院進学 → 博士学位取得 → 大学教員任用

 

専門分野のプロ日本語教師を目指す方

上記の大学教員として日本語教師を目指す方が研究のプロであれば、専門分野のプロとは、日本語教授の現場のプロ日本語教師と言ったところです。日本語教師を未経験から新たに目指すのであれば、プロ日本語教師を目指すべきだと思います。

専門分野はどのような切り口でも構わないと思います。できれば、学習層が多く需要が高そうな分野で、尚且つ一般的な日本語教師には難しそうな分野で一流になるのが一番でしょう。そうなれば、どの教育機関でも、どの国であろうとも、引っ張りダコになるのが必然でしょう。

どのような専門分野が考えられるでしょうか?

  • 入門学習者に、ひらがな・カタカナ・漢字を効率よく習得させるプロ
  • 初級学習者に、単語を効率よく学習させ、語彙を習得させるプロ
  • 中級学習者に、正確な表現を身に付けさせ、表現力を向上させるプロ
  • 上級学習者に、正確に多くの文章を書かせ習得させるプロ
  • 外国語訛りの日本語発音を劇的に矯正させることが出来るプロ

などなど、適当に挙げてみましたが、自分の専門としたい日本語教授分野を磨いていくことで、どこへ行っても使える日本語教授の技術を身に付けておくと、キャリアアップをする立場から、キャリアアップを手助けする立場になることでしょう。

キャリアルート:日本語教師(全般) → 日本語教師(専門) → 日本語教師のメンター(プロ)

 

地域貢献・社会貢献をする日本語教師

ブラジル人をはじめとした日系外国人が日本で生活するようになり、その在日日系外国人二世の一部が日本の社会に馴染めず、日本社会のアウトサイダーに押しやられているという報道を耳にしたことがあります。

このような政府や民間企業の手が回らないところで、活躍するのがNPO団体などの組織ですね。これは、国内だけではなく、海外でもNPO活動として、活躍されている日本語教師の方は多くいることでしょう。

このような立場で日本語教師をする方たちとは交流したことがないのですが、おそらく、日本語教師として活動以上に、地域相談員のような役割も果たしているのではないかと推測します。もっと極端な言い方をすれば、人助けのボランティア活動と言ってもよいケースが多々あることでしょう。

キャリアルート:地域ボランティア・外国語習得 → 日本語教師&相談員

 

若い方にお勧めしたい日本語教師のキャリアパス

日本語教師の求人情報を見ていると、現在は日本語教師が非常に不足しているということがよく分かります。それは、国内の教育機関だけではなく、海外の教育機関でも同様です。

特に、中国の大学では日本語教育熱が高いため、日本人の日本語教師が常に不足しているのではないかと思われます。そして、その応募条件を確認してみると、常勤教員であっても、特に地方の大学では、応募条件が緩く、大卒(学士)の学位があれば、外国語(中国語)が出来なくても問題ないとされています。

せっかく、日本語教師を目指すのであれば、日本で教えるだけではなく、海外でも日本語教師の実績を積めば、将来のキャリアアップに繋がるのではないかと思います。ましてや、日本の日本語スクールで学習する外国人の中では中国人が圧倒的に多いのが現状。

中国国内の日本語教育事情を知っておくことは、将来的に日本に戻って日本語教師をする際にも、中国人の習慣、考え方、教育事情など、大いに役立つことでしょう。ただし、中国の大学教員としての給料は、日本の所得と比べれば、非常に低くなります。(それでも中国の所得の違いを考慮すれば十分生活できるレベルの給料)

また、タイやベトナムなどの国でも、日本語教師の需要は高まっているように感じます。このような、必要とされている外国で、若い時に日本語教師の経験を積むというのは、将来に大きな資産となるように思います。

最後に、日本語教師として未経験の方が、キャリアアップを目指すのであれば、どのようなキャリアパスを歩めばよいかを考えてみます。まず、海外で日本語教師をするのであれば、大卒(学士)以上の学位は必要です。

もし、大卒でない方は、日本の民間スクールで日本語教師として働きながら、通信制の大学で学位取得を目指しましょう。
働きながら大卒資格や教員免許を取得したいあなたにオススメの通信制大学!

そして、2年~3年間程度、日本国内で日本語教師の実績を積んだ後、海外の教育機関への就職を目指したらどうでしょうか? この場合、海外の民間スクールではなく、海外の大学で日本語教師をした方が、その後のキャリアに繋がるように思います。そこで、狙い目なのが、中国の大学での常勤教員(専任講師)です。(あるいはタイの大学での常勤教員です。)

人によっては、海外での日本語教師のキャリアは、日本に戻ってきた時、プラスにはならずにマイナスになると考える方もいるかもしれません。そのような考え方も一理あると思いますが、漫然と日本語教師をしていれば、日本語教師としての実力は身に付かないでしょう。

ところが、上述したように、強い意志を持って、専門分野のプロ日本語教師を目指せば、どこで働いていても、どこへ行って(働く国がどこで)働いても、必要とされる日本語教師になることが出来ますよ!!

キャリアルート:日本語教師(国内) → 日本語教師(海外) → 日本語教師(海外/プロ) → 海外ノマド日本語教師(または日本で日本語教師)

 

まとめ

未経験から日本語教師を目指す方が「日本語教師になる方法」というテーマで必要な条件やプロセスを中心に述べてきました。

繰り返しになりますが、日本語教師にも、様々な働き方があり、海外で働く場合と日本で働く場合では、準備に掛ける時間も変わってきます。先ず最初にすべきことは、どこでどのような教育機関で日本語教師をしたいのかを決めることでしょう。

そうすれば、応募条件が必然的に見えてきます。その条件を満たすためには、どれくらいの期間が必要かの目安が分かることでしょう。例えば、日本語能力検定試験の場合であれば毎年10月に試験があり、日本語教師養成講座の受講の場合は、いつから開講され、いつ終了するのかなどです。

条件を満たした場合は、未経験でも臆することなく、応募をすることで、採用の可能性は高くなります。面接では、いきなり模擬授業のデモを求められる場合もありますが、最初の数社の面接は、面接の練習程度に考え、あまり気を張らずに、どんどん面接を受けてみましょう。いずれ、縁のある教育機関から採用の通知が届きますから!

関連:台湾で日本語教師をする時の就労ビザについて詳しく解説します

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