中国での大学教員(日本語教師)の給料(月収)はいくらか?応募条件は?

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中国で日本語教師として大学教員になる場合の給料(月収)を募集案件などの公開されているデータを基にまとめてみましたのでレポートします。

中国では日本語教師の需要が高く、常時何らかの形で募集案件が多くあります。

そんな中国で日本語教師をする場合の待遇はどれくらいなのか、疑問に思い調べてみましたので、簡単にご紹介します。

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海外で日本語教師として大学専任教員を目指すのであれば中国が狙い目

日本語教師の募集案件自体は、1年間を通して国内外に限らず何らかの形でありますが、海外の案件を見る限り最も多い地域はアジアです。

その中でも高等教育機関に絞った場合、突出して募集案件が多い国は中国となっています。

そこで、中国の高等教育機関である大学で日本語を教える場合の待遇を調べてみました。

待遇とは、主に、月給、住居、社会保険、渡航費用の有無です。

インターネット上に挙げられている過去と現在の募集案件を基にデータを取ってみました。

 

中国の大学での日本語教師の待遇(月給・住居・帰国費用・健康保険)のデータまとめ

教育機関名月給(元)住居帰国費用健康保険
瀋陽大学4500
5000
無料年1回
華僑大学6500(修士)無料年1回
(8000元迄)
山東農業大学5000(学士)
5600(修士)
6000(博士)
無料年1回
中国西南大学6000(修士)無料年1回
華中科技大学3500(学士)
4500(修士)
5500(博士)
無料年1回
遼寧師範大学5000(学士)無料年1回
長春師範大学4500(学士)無料年1回
鄭州大学 5500(学士)
6500(修士)
無料年1回

上記は特定の期間(11月頃)に募集案件があった大学をピックアップしてリスト化したものです。

恐らく、旧正月明けなどで募集を公開する案件が最も多くなるタイミングであれば、更に多くのデータが取れたかもしれません。

実は、以前から中国の大学での待遇をネット上で公開されているものに注目してチェックしていたのですが、概ね上表の通りでした。

中国の大学での専任教員の月給は3,500元から6,500元という結果になりました。

どの大学においても、取得した学位の種類により給料が異なるようです。

日本円では、70,000円から130,000円程度(人民元=20円)となります。

ただし、経験なども考慮して給料は決められるという記載も見られました。

修士や博士の学位を取得していなくても、学士つまり大学卒業の学位があれば、中国では大学の教壇に立つことが出来る場合が多いようです。

 

中国の大学で日本語の専任教員になる場合の一般的な待遇の詳細

どの案件にも共通していることは、住居費は多くの大学では大学内に宿舎(教師用宿舎)が用意されており、無料で提供されるということです。

ただし、水道光熱費は、全額自己負担または部分自己負担という形になっている案件が多いです。

特に、水道代は無料の場合が多いのですが、電気代は使用量に応じて自己負担になる大学が多くなっています。

また、基本的な家具一式(テレビを含む)は備えられており、インターネットも無償で利用できる大学がほとんどです。

つまり、かばん一つで中国に行けば最低限の生活は出来そうです。

また、渡航費用や一時帰国費用、帰国費用に関しては、1年間1回だけ大学側から航空チケットを無償で提供される場合がほとんどです。

ただし、航空チケットはエコノミークラスとの記載が多くありました。

その他、医療保険と記載がありますが、日本での健康保険に当たるものだと思いますが、こちらも大学側で用意している場合が多いです。

診療を受けた場合の診察費用は自己負担だと思われます。

 

中国で大学の専任教員になる為に求められる条件

現在は中国の大学などの高等教育機関では、日本語教師の需要が高いようです。

そのため、一年間を通して募集案件が絶えないのですが、大学から求められる条件はどのようなものでしょうか?

最低限必要な学位は、大学によりますが「学士」、つまり大学卒業の学歴です。

えっ、それなら大学卒業していれば誰でもできるのか、と思ってしまった人もいるかもしれませんね。

ところが、その他にも日本語教育に携わった経験が2年あるいは3年以上などの条件がある大学も多くあります。

また、多くの大学で要求している条件で、下記3つの要件の内の一つを満たしていることが必要な場合が多いです。

  • 大学日本語教育課程 主・副専攻修了
  • 日本語教師養成講座420時間コース 修了
  • 日本語教育検定試験 合格

その他、年齢制限を設けており、60歳以下などの条件を上げている大学もありますが、健康で経験があれば、そのような年齢条件はハードルにはならないこともあるでしょう。

当然ですが、日本語が母語の者という条件もあります。

ところが、中国語の語学能力は問われないケースが多いのが少し不思議です。

その他、日本語教育学、日本語学、日本文学などの専門分野を専攻している場合は、採用には有利で優遇されるようです。

 

1週間にどれくらいの授業を担当することになるのか?

1週間に何時間、あるいは何コマの授業を担当することになるのか、という授業時間数は応募する上で月給と同じくらい重要なことです。

授業数が多くなればなるほど、授業のための準備にも時間が掛かります。

例えば、1コマの授業が50分の場合は、1日3コマ×5日/週で1週間当たり15コマ程度までであれば、何とかこなせそうです。

ところが、それ以上の授業時間の担当を課される場合は、じっくりと検討したほうがよいかと思います。

そして、中国に限らず海外で日本語教師をする場合、日本人教員が担当する科目の多くは、「会話」と「作文」の授業になります。

どんなに日本語が達者な外国人であっても、母語による干渉があり日本人と全く同じ発音では発話できない場合が多いのです。

外国人にとって文章を書くことは、更にハードルが上がるため、母語が日本語である日本人が担当することが必然的に多くなるということでしょう。

 

中国で大学教員になる場合のメリットとデメリット

今後、中国元の通貨が上昇すると同時に、GDPや消費者物価も高くなれば給料も上がることが予想されます。

その一方で、生活費も上がるわけですが、中国と日本との経済力の格差が縮小することになれば、長期的に見ても中国の大学で日本語教師の経験を積めば、将来も明るいかもしれません。

ただし、注意すべき点は、契約期間は基本的には1年単位となるため、大学や学生から一定の評価が得られないと、職を失うことになるかもしれません。

そのような点では、長期的なビジョンを描き、計画的にキャリアを積み難いかもしれません。

実際に、中国で大学の教員になったことがないため、あくまで自分の台湾での教員経験とその延長線上での予測、およびネット上の情報とネット上で知り合った方たちからの情報がベースになっていますが、中国で大学教員になる場合のメリットとデメリットを考えてみます。

メリット

  • ほとんどの大学では無料の宿舎施設が利用できる
  • 家賃は掛からないため可処分所得は多くなる
  • 食費も大学内の学食は非常に安く利用できる
  • 必要な生活費は非常に安く抑えられるため貯金ができる
  • 大学の教員というステイタス
  • (たぶん)中国人の大学生は真面目に授業に取り組むため充実感がある

デメリット

  • 生活費は安く済むとは言え、月給の絶対額はかなり低い
  • 基本的に契約は1年単位のため不安定
  • 専任教員とは言え、夏休みや冬休みの期間は給料があるかどうか不明
  • 中国独特の生活習慣や生活環境に慣れることが出来るかどうか
  • インターネットに制限が掛けられている

 

私にとってはインターネットに制限が掛けられるのが最も痛いですが、中国でも自由にインターネットを利用する方法があります。下記記事を参考して下さい。

≫≫ 海外からは利用できないネット動画を視聴する方法

 

未経験から日本語教師を目指す方へ ≫≫ 日本語教師になる方法

 

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