<台湾茶の種類(銘柄)の特徴とおすすめの選び方

台湾茶の種類(銘柄)の特徴とおすすめの選び方

台湾で生産される台湾茶について、種類、銘柄、特徴、選び方に関して台湾現地からレポートします。

ココに注目

  1. 台湾茶と中国茶の違いは何?
  2. 烏龍茶と高山茶の違いは何?
  3. 烏龍茶にはどんな種類があるのか?
  4. 台湾茶にはどんな銘柄があるのか?
  5. 台湾茶にはどんな特徴があるのか?
  6. 烏龍茶の作り方はどうやって製造される?
  7. 烏龍茶の等級レベルはどんな感じ?
  8. おすすめ台湾茶の選び方は?

はじめて烏龍茶や高山茶を嗜んでみようと思う方は、上記のような疑問を持つ方もいることでしょう。

そこで、以下では台湾在住で台湾茶を毎日飲んでいる私が台湾や中国のお茶事情を交えながら詳しく解説します。

この記事の目次

台湾茶とは?台湾茶と中国茶の違いは?

台湾茶とは、台湾で生産された茶葉から発酵製造されたお茶のことです。それに対して、中国茶とは、中国大陸で生産された茶葉から製造されたお茶のことです。

その他にも、現在では、ベトナムをはじめとした東南アジアで生産された茶葉から製造された台湾式の発酵及び製法により製造されたお茶もあります。

このようなお茶も「烏龍茶」として販売しているケースもあります。価格は安いですが、台湾では品質があまりよくないと言われています。

ここでは、台湾茶に限らず、中国茶も含めて中華由来のお茶について、ご紹介します。

烏龍茶とは?烏龍茶と高山茶の違いは?

烏龍茶(ウーロン茶)

烏龍茶とは、半発酵茶である青茶を意味する呼称です。

台湾茶や中国茶は、発酵の有無や発酵度合い、および製法により、「緑茶、白茶、黄茶、青茶、紅茶、黒茶」の順番に発酵レベルが高くなっていき、それに伴い呼称が異なります。

台湾で生産されるお茶の内、最も多く、最も親しまれているお茶が烏龍茶であるため、「烏龍茶=高山茶」のイメージがありますが、厳密には異なります。

高山茶

高山茶とは、海抜1,000m以上の比較的高い山間部の茶畑で栽培された茶葉の呼称です。

高山茶の名産地は、台湾中部エリアの南投縣、および中南部エリアの嘉義縣が有名です。

これらのエリアでは、海抜が高いだけではなく、日中と夜間の温度差が大きいのが産地の特徴です。

このような地理的環境は、まろやかで美味しい茶葉の生産に適した気候です。

茶葉生産には最適な環境が整っているため、凍頂高山茶などの多くの高級茶の発祥の地ともなっています。

お茶の種類と特徴

下記のように、発酵度合いや製法によりお茶の呼称が異なりますが、基本的には、全ての種類のお茶は同じ茶樹から摘み取られます。

つまり、摘み取られた茶葉を発酵したりしなかったり、発酵時間や発酵状況、加熱のタイミングなどにより、お茶の種類が変わります。

それに伴い、お茶の呼称も下記のように異なります。また、生産された場所により銘柄も異なってきます。

種類発酵銘柄など価格
緑茶未発酵中国・西湖龍井見てみる
白茶弱発酵中国・白毫銀針見てみる
黄茶弱後発酵茶中国・君山銀針見てみる
青茶半発酵茶台湾・烏龍茶
台湾・高山茶
台湾・鉄観音茶
見てみる
見てみる
見てみる
紅茶全発酵茶台湾・蜜香紅茶
台湾・阿里山紅茶
見てみる
見てみる
黒茶全発酵茶中国・プーアル茶見てみる

一般的に、烏龍茶として知られている台湾茶や中国茶は青茶(あおちゃ、せいちゃ)の一種で、発酵度合いが15%~70%とかなり幅広いため、ひとえに烏龍茶と言っても、かなり多くの種類及び生産地ごとの銘柄があります。

台湾でも、お茶は健康のために良いとされ、アレルギー抑制作用のあるカテキンの含有量が多いため、花粉症にも効用があるとされています。

例えば、発酵度合いによる種類及び銘柄の違いは下記のようなものがあります。

  • 15%発酵茶:清茶
  • 20%発酵茶:茉莉花茶
  • 30%発酵茶:凍頂茶
  • 40%発酵茶:鐵觀音茶
  • 70%発酵茶:白毫烏龍茶

凍頂烏龍茶

台湾で最も有名な銘柄の一つが、「凍頂烏龍茶」で、この銘柄の発祥地は、台湾中部の南投県鹿谷郷東部の山間部です。

現在では烏龍茶のブランド化が進み、台湾全土で生産・製造されるようになっています。

この銘柄の味と風味は、凍頂烏龍茶独特の「香り」と味の「濃さ」、まろやかで、甘味があるのが特徴です。

東方美人茶

もう一つの有名な銘柄は、青茶の一種である「東方美人茶」です。

この銘柄は、発酵度が高いため、紅茶に近い味を楽しむことが出来ます。

元々は、茶葉がウンカという害虫の被害を受けたため、使い物にならなくなったものを発酵製造したところ、蜜のように甘く香ばしい香りと味で評判になりました。

偶然の産物が、19世紀末から20世紀までの間に人気となり、英国で「Oriental beauty」と名付けられたのが由来です。

烏龍茶の発酵・製造プロセス

発酵が必要な烏龍茶の製造過程は大きく区分すると、下記のようなプロセスで生産され完成します。

お茶の種類を決めるためのポイントは「萎凋」の過程で、どれくらい発酵させるかにより、お茶の香りや深みが変わってきます。

茶摘から完成までの下記のプロセスは丸一日(一昼夜)掛けて行われます。

  1. 茶摘:手摘みで収穫
  2. 萎凋:日干し後、室内で萎凋(発酵させる)
  3. 炒菁:茶葉を焙煎
  4. 揉捻:茶葉を揉みます
  5. 出乾:茶葉を乾燥
  6. 團揉:茶葉を袋に入れ揉みます
  7. 乾燥:茶葉を乾燥させ休ませます

烏龍茶の茶葉等級

等級説明
★★★★★超級流通量が少なく、入手が困難な最高級茶葉で、名品と言われるグレードの茶葉
★★★★最高級特に厳選された茶葉で、一番値段の高いグレードに分類される茶葉
★★★高級 台湾では贈答品、客を招待した時などに出す高級茶葉
★★上級台湾で日常的に飲まれるグレードのうち、比較的上級の茶葉
普通台湾で日常的に飲まれているグレードの茶葉

烏龍茶の選び方

烏龍茶を選ぶポイントは、お茶を飲む時に最も重視することを最初に決めることです。

例えば、その基準を大きく分けると、お茶を入れた時の香り、お茶を一口飲んだ時の風味と味になります。

つまり、お茶の香りと味のどちらを楽しむのかという点になります。

一般的に、日本の緑茶と台湾の烏龍茶を比べると、日本の緑茶の方が味が濃いため、日本人が初めて烏龍茶を飲んだ時には、味が薄いと感じる方が多いようです。

一方で、烏龍茶は発酵茶であるため、日本の緑茶と比べると、お茶を入れた時の香りは、奥深く、種類や銘柄により多彩な香りを楽しむことが出来ます。

一般的に日本人が烏龍茶を初めて飲む場合は、その味の違いの良し悪しを判断するのは難しいと言われています。

それは、烏龍茶を飲んでも、同じように味が薄く感じるためです。その一方で、烏龍茶の香りを楽しむためには、多くの烏龍茶を飲んでみないと分からないものです。

そのため、初めて烏龍茶を購入する場合は、最も人気のある烏龍茶の中から選ぶのが無難でしょう。

おおむね、日本で販売されている烏龍茶の価格帯の目安は、100gで1,500円を基準に考えればよいでしょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする