台湾に移住するには? 条件や現地生活の12個の疑問にズバリ回答

台湾は日本から距離的にも近く、文化的にも日本と似ており、社会的にも治安が良いとされているなど、日本人にとっては非常に生活がしやすい国の一つです。

そのため、最近は台湾への移住をする日本人がにわかに増えています。また、「幸せ!ボンビーガール」というTV番組で採り上げられたこともあり、台湾に移住したいと思った方もいるのではないでしょうか?

中国語を現地で学びたいあなた、日本で社畜の如く働き自分を見失ってしまったあなた、一生に一度は外国で暮らしてみたいと考えているあなた、リタイア後の生活拠点として海外を視野に入れているあなた、将来の経済成長に陰りがある日本から離れて海外で起業を考えているあなた、いろいろな事情や目的で台湾へ目を向けている方が多いのでしょう。

そこで、実際に台湾で生活している私の経験をもとに、台湾の移住をする場合の現地での生活や台湾に特徴的な社会事情など、初めての台湾移住で気になる下記の事情を全て解説します。

 

ここに注目

  1. ビザ(査証)
  2. 仕事
  3. 言葉
  4. 生活費と物価
  5. 治安と生活環境
  6. 病院・医療
  7. 住居
  8. インターネット
  9. 食文化
  10. 気候
  11. 観光とレジャー
  12. 国民性

 

台湾移住の条件としてのビザの種類

台湾の移住を考える際に最初に考えるべきことはビザです。どのような目的で台湾に滞在するのかによりビザの種類が異なってきます。

  • 観光ビザ
  • 学生ビザ
  • ワーキングホリデービザ
  • 就労ビザ
  • 投資経営ビザ
  • 退職者ビザ

観光ビザ

90日間(3ヶ月間)の観光ビザです。観光ビザの場合は空港の入管でパスポートにスタンプを押してもらうだけですので、特に事前に手続きをする必要はなく、ノービザと言われたりします。観光ビザのため、現地で働くことは厳禁です。

90日以内に台湾国外へ一旦出てから再入国を繰り返す「ビザラン」をすれば、一年中、台湾で暮らすことも出来ます。ビザランをする場合の渡航先は香港、上海、フィリピンが比較的近くて手軽な国です。

 

学生ビザ

中国語を学ぶために現地の語学学校に通学する場合、あるいは大学や大学院に通学する場合に発行してもらうビザです。学生ビザを発行できる教育機関は台湾政府から許可を受けている学校のみです。台湾で長期滞在をする場合には最もオーソドックスな方法でしょう。

 

台湾で働くためのビザ(ワーホリビザ&就労ビザ)

台湾で就労する方法は、就労ビザを取得して台湾にある企業に就職をすること、それとワーキングホリデービザで短期間の就労を体験することの2つです。

一般的には、台湾にある企業に就職する場合は、内定を貰ってから就労する予定の企業に就労ビザを発行してもらうことになります。そのため、言葉が悪いですが自分の身を就労ビザで企業に縛られている形式になります。

特に、台湾の中小企業などではワンマン社長が多いため、日本とは異なり、会社の業績が悪くなったり、能力が低いと判断された場合は容赦なくクビにされてしまいます。

基本的には、就労ビザは一年毎の更新となりますので、否応なしに結果が求められるかもしれません(社畜?)。また、クビになり会社退職となるとビザは無効になります。この点は、日本では味わえないスリルかもしれません。(人によってはかなりのストレス?)

外国人求職者向けビザの申請が開始され、年間2000人を上限に発給されます。また、専門的な特殊技能や能力のある方は、労働許可、居留ビザ、外国人居留証、再入国許可が一体化した「就業ゴールドカード」も申請可能になりました。

 

投資経営ビザ

台湾で法人を設立して起業する方が取得するビザです。諸条件がありますが、簡潔にポイントをまとめると、資本金50万元以上の投資をして、毎年少なくても年商300万元以上の売上を上げることが条件です。(個人で起業はハードルが高め)

共同出資により、台湾人との合弁法人を設立すれば、上記の条件は必要ないかもしれませんが、台湾での就労は雇用される形態になります。

 

退職者ビザ

退職者ビザは退職者が台湾でロングステイをするために発行されるビザで、180日間の滞在が可能なビザで延長更新も可能です。ただし、必要書類などの手続きが少し煩雑です。

台湾では多くの退職者が悠々自適に台湾でのロングステイを楽しんでいますが、ビザランをしている人が大半ではないでしょうか。

関連記事:台湾ロングステイビザの取得に関する記事

 

台湾移住で現地に仕事はある?

台湾移住に際して、必ずしも仕事が必要だという方ばかりではないかもしれません。台湾で退職後のリタイア生活を過ごす方、ウェブデザインやネットビジネスでパソコンやスマホだけで収入を得ている方、あるいは学生ビザで移住する方など。

台湾でお仕事をしながら根本的に生活拠点を日本から台湾へ移す方にとっては、台湾で働くことが前提かもしれませんね。そこで、台湾の仕事に関することを紹介します。

日本で社畜になるより、台湾で気楽に働いて月収5万元(約18万円)で、のんびり生活できると思われるかもしれませんが、台湾で働くことはそんなに簡単なことでないというのが私の印象。

そもそも、マッチする仕事の絶対数が少ないため、人気のある仕事や給料の高い仕事は競争倍率も必然的に高くなります。しかも、競争相手は日本語がペラペラの台湾人です。台湾に軸足を置いた会社や仕事では、日本人は絶対にかないません。

そうなると、日本人が真っ先に目指すべきところは「駐在員」枠ですが、中途採用で駐在員になるのは超レアケース。そうなると、日系企業に就職した場合は、台湾あるあるですが、現地採用になり、現地採用の日本人と駐在員の日本人の格差社会を目の当たりにすることになります。

台湾で働く場合の仕事の特徴を簡単にまとめると、下記の通りです。

台湾での会社員としての仕事にはあまり魅力的ではないように見えますが、外国人の場合は最低賃金として月収は約50000元と法律で決められています。

台湾での仕事は自分にマッチした仕事で、日本人であることを最大限に活かすことができ、自分の経験や能力が生かせる仕事を見つけられるかどうかが最大のポイントでしょう。

最後に、台湾で日本人であることを最大限に活かすことができ、台湾人求職者とも競合しない分野の仕事を下記に挙げておきます。

  • 日本語教師
  • 日本料理の調理師
  • 半導体・IT関連産業の日系企業の営業
  • 一部のホテルなどの観光業
  • 美容師や塾講師など(日本人相手)

 

台湾での言葉は中国語

台湾で使われている公用語は中国語です。中国語を台湾語と言っている人もいますが、台湾には独自の言語として台湾語も存在します。つまり、台湾では中国語と台湾語の2つが主な言語になります。

中国語ができれば、かなり快適な生活が出来るようになります。さらに、台湾語も少しだけでも出来ると交友関係がグ~ンと広がります。ただし、台湾語の発音は日本人には非常に難しい。

中国語が全く出来なくても、現地でブラブラと生活をしていくだけであれば、英語が出来れば何とかなってしまいます。ただし、台湾では東南アジアほど英語は通じない印象です。

また、台湾では80歳以上の方は日本語での教育を受けていますので、日本語が通じます。それとは別に、台北では日本語を話す台湾人が多いですので、困った時には筆談をすれば日本語だけでも意外に現地生活は何とかなります。

関連記事:台湾の言語は中国語? 台湾語? 台湾の言語文化の深い歴史

 

台湾移住の生活費と物価

台湾移住に際して、最も気になることの一つが、台湾での生活費はいくら掛かるのか? 台湾の物価は安いのか?

生活費に関しては、上記の記事にも書きましたが、ひとりで生活する場合は年間100万円(25万元~30万元)を基準に考えればよいでしょう。台北以外の地方都市では、1ヶ月あたり2万元ほどあれば、一般的な台湾人と同じ生活は充分可能でしょう。(日本で底辺生活ができる人なら更に生活費は安くなるかも)

台湾の生活費と物価に関しては、過去に何度も記事にしていますが、簡潔にポイントをまとめておくと、下記のようになります。

  • 外食費は安い
  • 食材は高め(日本と同じ程度)
  • 住居費も安い(台北は除く)
  • 光熱費も安い
  • 交通費(公共機関・タクシー)も安い
  • 自動車・家電製品は高い
  • 教育費はまちまち

上記の台湾の生活費や物価に関する諸事情を詳しく解説した、下記の関連記事を参照してみてください。

関連記事:台湾の外食費はいくら?レストランや食堂の種類別値段相場

関連記事:台湾のグルメの値段を徹底調査

関連記事:台湾の電気代と水道代はいくら?

関連記事:台湾でタクシーに乗車する方法とタクシー料金の目安

 

台湾の治安と生活環境

台湾の治安を一言で言えば日本と変わらないくらい、世界的には治安が良い社会だと感じます。

ただし、10年に一回か数年に一回程度、訳の分からない無差別事件が起こることもありますが、この点も日本の社会とよく似ていますね。

一般的には、最低限の社会のルールを守っていれば、事件に巻き込まれるようなことはないでしょう。日本と異なる点は、日本と比べると台湾の交通マナーが悪いため、交通事故にだけは気を配りましょう。

関連記事:台湾の治安はどう?

関連記事:台湾の交通マナーと交通事情

台湾での暮らしで環境が良いか悪いか? も気になることですね。

台湾の生活は日本よりも良いところもありますが、不便なところや苦労するところもあります。下記の関連記事で、私が台湾で暮らしてみた経験から分かった台湾の生活関連の環境について詳しく書いています。

関連記事:台湾暮らしの生活環境は快適か不快か?

 

病院・医療

台湾移住に必要な健康保険

台湾に移住して病気やケガになってしまったら、どうしますか?

何らかの形で保険に加入しておく必要があります。

ビザを取得して居留証が得られると、台湾でも全民健康保険(国民健康保険に相当)に加入する権利が得られ、義務が生じます。詳しくは下記の記事をご覧ください。

関連記事:台湾の全民健康保険のまとめ|月額費用と加入条件や規定

また、台湾と日本あるいは他の国を3ヶ月毎に観光目的で行き来することも出来ます。そのやり方は下記記事をご覧ください。

関連記事:台湾でビザランする方法と条件やメリットを台湾在住者が全て解説します

その場合は、日本に住民票を置いておき、国民健康保険などの健康保険に加入しておくことになります。あるいは、住民票を抜いて、民間の海外旅行保険に加入するということも出来ます。

関連記事:海外長期滞在中の病気・ケガに健康保険はどうする?|国民健康保険vs海外旅行保険

関連記事:台湾移住の際の日本と台湾の健康保険加入の選択肢

台湾の医療レベル

それでは、肝心の台湾の医療レベルはどうなのでしょうか?

私が台湾で病院やクリニックで受診した経験から言うと、日本と台湾では医療レベルは同じくらい高いと思います。

子供が頭を割ってピューピューと出血した時も病院にかかり、適切な対応で医療技術の高さを確信しました。

また、風邪や腹痛の場合にクリニックで受診する場合は、全民健康保険があれば150元程度で済みます。もし、台湾の健康保険証がなければ、自腹になりますが、それでも1,500円~2,000円程度でしょう。

 

台湾の住居

台湾へ移住する際に、その快適さに最も影響を与えるのが住居ですね。自分が居住する近くに工場や線路があったら、うるさくてたまりません。

また、アパートの一階部分が小吃店の場合はゴキブリやネズミを覚悟したほうが良いかもしれません。また、台湾では南向きの部屋が良いとは限りません。下記の記事で詳しく書きましたので、参考にしてみてください。

関連記事:台湾で賃貸マンション・アパートを借りる方へ|タイプ別物件と特徴

関連記事:台湾で部屋を借りる場合の契約手続きと部屋選びのポイント

 

台湾のインターネット事情

海外移住のライフラインで重要なポジションになるのがインターネットです。

何か困ったことがあれば、インターネットにさえ繋がっていれば、簡単に検索をして調べられますし、IP電話で国際電話も出来ますし、航空券を初めとしたチケットの予約なども出来ますからね。

台湾のインターネット事情は地域にもよりますが、日本と同じ位のレベルでしょう。主要都市の中心部では光回線がスタンダードです。

むしろ、公共エリアでのインターネット環境は無料Wifi(i-Taiwanなど)が多くの場所で利用できるため、日本よりもフリーインターネット事情は先進的な部分もあります。

関連記事:台湾のインターネット回線のスピード

 

台湾の食文化

台湾に長期間滞在が出来るかどうかのポイントになるのが食文化の違いでしょう。台湾料理は日本人の口に合いますし、美味しいと思います。ただし、肉料理には八角が使われていますので苦手な方もいるでしょう。

台湾は中華料理がメインのため日本人には抵抗がないと考えがちですが、1ヶ月間継続して中華料理を食べてみてください。台湾と日本の食文化の違いが分かるはずです。

台湾の外食は値段が安いのは嬉しいですが、そのような小吃ばかり食べていると簡単に10kgくらい太れます。油っぽいモノが苦手な方は胃腸の調子がおかしくなる方も出てくるでしょう。

また、台湾には夜市があり、外食費が安いからと考えている方もいるかもしれませんね。ところが、台湾在住者は夜市で食事を済ませるということはあまりありません。その理由は下記記事をご覧ください。

関連記事:台湾の夜市の飲食物は衛生的に大丈夫? 台湾在住者が食べなくなる理由

そうなると、値段の高い和食レストランのお世話になるか、自炊をする選択を迫られます。台湾のアパートにはキッチンがないことが多いですので、住居選びも慎重にしましょう。

また、台湾には日本にはない豊富な果物珍しい野菜がたくさんあり、これらの生鮮食品を食らうのも台湾移住の楽しみの一つになります。

関連記事:台湾長期滞在で中華料理に飽きた時に役立つ対処方法と秘策

関連記事:台湾のグルメのカロリーを徹底調査

 

台湾の気候の快適さ

台湾と日本を比べて、最も異なる点は気候かもしれません。台湾の中南部を境に北が温暖湿潤気候で南が亜熱帯気候とされています。

沖縄よりも南に位置する台湾でも四季が存在し、衣食住ともにそれぞれの季節感を感じることが出来ます。

各都市によっても異なりますが、12月~2月は寒くなりますが、その前後の時期は比較的暖かく、5月~10月頃までは非常に暑くなります。

台湾の季節毎の気温や服装や各都市毎の年間の天気や気候は、下記で詳しく解説しています。

関連記事:台湾の季節ごと&各都市ごとの天気と気候

 

台湾での観光とレジャー

台湾への移住で楽しみの一つは観光でしょう。と言っても、台湾は日本ほど国土も広くなく、地理的にはコンパクトにまとまっています。

そのため、実際には1ヶ月くらいあれば、ガイド本などに掲載されている主要な観光スポットを一回転することが出来てしまいます。

そのため、特に目的もなく台湾に移住すると、台湾全土を見渡しても特に真新しいレジャー施設があるわけではないため、その後、何もすることがなくなってしまうかもしれません。

台湾高山茶を極める、風水を習得する、漢方を学んで健康生活、気功を学んで健康増進、お爺ちゃんお婆ちゃんに混じって太極拳…、やはり最終的には台湾に移住するのだから中国語の習得を目指す方が多いのでしょう。

台湾にどれくらい滞在する予定なのか、台湾に行く目的は何かを決めておくと充実した台湾生活が送れるかもしれませんね。

 

台湾人の国民性

台湾に移住して、最終的に台湾が大好きになり、ずっと台湾に居続けたくなるか、台湾はもう飽きたから他の国へ行こう、となるかは、現地で出会った人によるのではないでしょうか。

台湾は親日的で台湾人は優しい、これが台湾や台湾人に対する日本人の一般的なイメージでしょう。実際に、台湾人は親日的で優しいです(日本人に対してだけではなく、台湾人は外国人に対してフレンドリー)。

ところが、台湾で長く働いたことがある方や台湾企業と取引したことがある方であれば、ビジネスの世界では少し違った台湾人の国民性も見え隠れします。台湾で働く予定の方は、台湾人がいついかなる時も親日的で優しく、付き合いやすいと考えない方がよいかもしれません。

関連記事:日本人がストレスで消耗する台湾人の国民性の負の特徴5つ

 

台湾への移住と現地生活のまとめ

現在でも、多くの日本人が様々な目的や事情で台湾で暮らしています。また、今後も日本人の台湾への移住は増えることでしょう。

日本人が外国人として台湾で暮らしていく場合に、多くの日本人が疑問に思っているだろう点を中心に、私の台湾生活の経験をもとに、出来るだけリアルな生活感を漂わせながら、台湾での生活と諸事情について紹介しました。

ここでは紹介し切れなかった台湾移住に関する情報は、下記のサイトで全て公開しています。

台湾移住倶楽部のサイト

また、海外移住の準備と事前にしておくことをリスト化(PDFもDLして利用できます)しました。下記の記事を参照してみてください。

海外移住・海外転勤の引っ越し前に「すること」リスト(PDF付)

 

最後に一言で締めるとすると、台湾の移住は苦労することも多々ありますが、台湾での暮らしは日本人にとって魅力的です。

台湾移住後に充実した快適な生活ができるかどうは自分次第です。台湾社会はあなたのためには変わってくれませんから…。

台湾へ移住をして台湾で暮らしたい皆様、台湾でお待ちしています。

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