美味いと不味いを感じるのは味ではない!? 味覚と嗅覚と風味の関係

料理を食べた時に旨いと感じること、あるいは逆に、不味いと感じること、このような味を決定している感覚は、実は何でしょうか?

日本人が台湾あるいは外国で料理が合わないと感じること、またその逆に、台湾人あるいは外国人が日本で料理の味覚が合わないと感じることは、食文化の違いとしてよくあることです。

台湾に移住して、私も日常的に台湾料理や中華料理を食べる中で、あまり美味しいと感じないものもあります。逆に、台湾人の友人や知人と付き合う中で、台湾人が苦手な日本の料理に共通した点があります。

国や文化の違いによる食の感覚の違いから、人間が何を基準に美味いと不味いを知覚しているのかを、私の経験則から簡単にご紹介します。

 

 

海外で日本人が美味しいor不味いと感じる料理とは?

一般的に、海外生活が軌道に乗り、快適な生活が出来るかどうかの最も大きな条件は、食べ物が合うかどうかだと思います。

毎日、美味しいものを食べられる場所でなら暮らしやすさも感じることでしょう。逆に、毎日、口に合わない不味いものばかり食べなければいけない生活には大きなストレスと感じることになります。

例えば、台湾で日本人が美味しいと感じる台湾料理や中華料理は、小籠包各種の小吃などでしょう。

逆に、日本人には不味いと感じてしまう料理や違和感を感じる料理もあります。例えば、日本人が直感的に不味いと感じてしまう台湾料理には八角が使用されていたりします。

日本人が美味しいと感じる台湾の料理から気が付いたことがあります。それは、美味しいと感じる料理は、味を主に味覚で感じているということ! そして、不味いと感じている料理は、主に嗅覚で味を判断しているといことです。

もう少し具体的に言うと、美味しいと感じる台湾の料理は、味覚は良く、嗅覚でも良いか悪くないと判断したものです。そして、不味いと感じた料理は、味覚には関係なく、嗅覚で悪いと判断した料理になります。

 

台湾人が苦手な日本料理とは?

それでは今度は、一般的に、台湾人が苦手な日本特有の料理について考えてみましょう。今まで、私が多くの台湾人に日本料理の良し悪しを聞いてきた経験則での話になります。

日本特有の料理と言えば何を思い浮かべますか?

  • お寿司・刺身
  • 天ぷら
  • 味噌汁
  • おにぎり
  • そば
  • 梅干し
  • 塩辛
  • 納豆

挙げれば切りがありませんが、上記は日本特有の食べ物になりますが、一部を除いて(塩辛はあまり見かけない)、ほとんど台湾で食べられるものばかりです。

そして、上記のほとんどの料理は、多くの台湾人には受け入れられ、もはや台湾の食文化に浸透してしまっている料理もあります。

ただし、(一部の台湾人には大好評でも・・・)ほとんどの台湾人が苦手だと感じる料理があります。それは、納豆!!

台湾ではかなり高額な値段で納豆が販売されていますので、台湾人も納豆の存在は知っています。また、日本に旅行へ行ったことがある台湾人の間では、日本で納豆に挑戦するのが、ちょっとした土産話になったりしています。

なぜ、台湾人は納豆を不味いと感じるのか?
言うまでもないことですが、納豆の味を味覚で感じる前に、嗅覚で納豆を拒絶反応してしまっているから! 一旦、脳が不味いと判断した食べ物を美味しいと感じるには、それなりの強い理由と時間が必要です。

台湾人も異なる食文化である日本の料理の美味しい・不味いの判断をする時には、味覚ではなく、嗅覚で判断していることが良くわかりますね。

 

美味しいを判断する味覚と不味いを判断する嗅覚

私の経験則から言えることは、人は一旦美味しいと感じたものは、一生美味しいと感じます。その一方で、一旦まずいと感じたものは、不味いと感じ続けるのだと思います。

私は幼稚園児か小学生くらいの時に、日本酒を美味しそうに飲んでいる父親の横で、こっそりコップを取って、一口だけ一気に飲んでしまったことがあります。

その時、清酒を臭いと感じた断片的な記憶が残っています。それ以降、日本酒の臭いが超苦手になってしまいました。日本酒以外のお酒は問題ありませんが、特に熱燗から漂う酒のニオイがトラウマになってしまいました。

やはり、人は料理や飲み物の味を美味しいと判断する前に、無意識の内に動物的な反応で嗅覚により、食べても良いものか悪いものかを、瞬時に判断しているのだろうと思います。

もう一つ加えれば、目で食を楽しむという方もいますね。つまり、人(動物も)は下記のような反応で食を感じるのでしょう。

  • 目 : 外観で美味しいか(食べてよいか)どうかを判断
  • 鼻 : 臭いで美味しいか(たべてよいか)どうかを判断
  • 口 : 風味で美味しいか(たべてよいか)どうかを判断

最終的に、美味しいかどうかは口に含んだ時の風味で決定しているのでしょう。風味とは、料理の味と匂いのこと。

つまり、一口食べてみて、味が口に合いニオイが苦手でなければ、美味しいと感じます。一方、味は口に合っても苦手な臭いの場合は、不味いと判断してしまうのだろうと思います。

 

台湾で独特な臭い料理に挑戦しよう

私もはじめて台湾の臭豆腐を食べた時には臭くて不味くて食べられなかったですね。

そして、ある時、大変失礼ですが、鼻を詰まんで食べてみたところ、純粋に味だけを楽しめば美味しいということに気が付きました。

特に、油で揚げた臭豆腐は独特の臭いが飛ばされるので、それ程臭いと感じることもなくなり、今では台湾の美味しい料理の一つになりました。

皆さんも、台湾で独特の臭いを発するような料理を見かけた時には、臭いをあまり気にしないで、味を楽しむつもりでチャレンジしてみてください!!

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