ナツメ(紅棗/大棗)は中華料理や薬膳料理の引き立て食材で薬効抜群

台湾の食文化の中でも重要なポジションの棗(ナツメ)について、台湾現地からレポートします。中華料理や薬膳旅理の鍋料理やスープでは、必ず使用されている食材の一つが乾燥ナツメです。

 


(ナツメの木に結実し黄緑色から赤色に色づき始める果実)

 

台湾の食文化での紅棗のポジション

乾燥ナツメは、生のナツメの果実を乾燥させたモノで、紅棗(こうそう)と言われたり、大棗(だいそう)と呼ばれたりしています。

また、黒棗(こくそう)は干して乾燥した紅棗を蒸した後、更に燻製にしたもので漢方薬の一つとして用いられています。臭いは、口に入れた時に燻製の風味が広がります。

紅棗は健康や美容のために効果的な栄養成分を含んでいるとされています。そして、黒棗は紅棗よりも、更に栄養素が高く、漢方薬の一部として多用されています。

台湾では、ナツメは煮物料理、鍋料理、スープ、あるいは棗を用いた中華スイーツなどで非常によく使用される食材です。

薬膳料理には必ずナツメは使用されますが、日常の食卓に並ぶ料理屋スープにも一般的に使用されています。台湾では、ナツメはそれくらい重要な食材と認識されています。

そのため、ナツメは食品スーパーでは必ず販売されていますので、台湾旅行に来られた時には、スーパーを覗いてみてください。お土産にどうぞ・・・。(ただし、食品スーパーで販売されているものはほとんど中国産です)

日本では、ナツメを使用する料理を見かけることがないかもしれませんね。本格的な中華料理のレストランでは、ナツメを使用しているお店もあるかもしれません。

 

台湾でナツメが多用される理由は?

台湾でナツメが料理で使用される理由は、漢方の考え方が背景にありそうです。つまり、古の時代から受け継がれてきた自然から得られた「食」と人間の「医」に関する文化が融合した結果だと感じます。

言い換えると、「医食同源」ということになります。日常生活でも、薬で病気を治すという考え方ではなく、食で病気を予防するという考え方が生活の一部として浸透しているように思います。

紅棗には、カルシウムやカリウムなどのミネラル類、葉酸やナイアシンなどのビタミンB、食物繊維が豊富であるため整腸作用や肥満防止も期待できます。

 

ナツメの食用で期待できる効果効能

冷え性や身体を温める効果

漢方の考え方では、ナツメは体温を上げ、神経や筋肉の緊張を緩和させる働きが期待できるとされています。特に、冬の時期には熱々のスープを飲めば、冷え性の緩和が期待できます。

鎮静・鎮痛効果

神経衰弱や気持ちを鎮める効果が期待でき、不眠症などの場合は睡眠効果も期待できます。また、上記の通り、筋肉の緊張を解す効果があるため、筋肉痛の緩和などにも作用します。

便秘・下痢の整腸作用や解毒効果

ナツメには植物繊維が豊富に含まれているため、善玉菌を増加させ整腸作用が促進されます。また、ナツメにはサポニンが多く含まれているため、腸を刺激し便通を良くする働きがあり、同時に腸内から老廃物を排出する作用が働くため、解毒効果も期待できます。

高血圧の予防と改善効果

ナツメにはカリウムが多く含まれています。カリウムはナトリウムに作用して、過度なナトリウムを排出する働きがあります。そのため、血液中のナトリウムの量を調整することで、血圧が安定する効果も期待できます。

発育促進・成長サポート効果

紅棗には葉酸が豊富に含まれています。葉酸は核酸に作用して、細胞の成長を促します。そのため、子供の発育や、妊婦の方はナツメを摂取することで、胎児の成長をサポートする働きも期待できます。

その他の効果

  • 抗ガン作用
  • 抗アレルギー作用
  • 滋養強壮

 

まとめ

上記の通り、乾燥ナツメの紅棗は健康や美容にも、高い効果があるとされています。このような効果効能を見てみると、毎日たくさん摂取したら、直ぐに効果が現れるかもしれないと、単細胞の私は考えてしまいます。

ところが、実際には、台湾の食生活を観察していると、毎日、知らず知らずの内に食卓の中に、紅棗をはじめとした多種多様な漢方の考え方に基づいた食材が使われています。

毎日、少しづつ常用するように身体に良い食材を適度に適量用いることで、日々の健康に繋がっていることを実感します。

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