海外移住・海外転勤の引っ越し前に「すること」リスト(PDF付)

はじめて海外移住をする場合、何から始めればよいのか? そんな疑問や不安があるのではないでしょうか。

実際、私たち家族は数年前に日本を離れ、台湾へ移住してきたわけですが、当時のことを思い出すと、毎日、アレもしなければいけない(?)、コレもしなければいけない(?)の連続で、出発までに「すること」をエクセルに記入しながら、一つひとつチェックしたのを覚えています。

海外移住への準備は一年くらい前から始めたつもりでしたが、実際には、なかなかスムーズにすべきことが順番通りに進められませんでした。そして、後手後手へと後回しにしたことや渡航直前にならないと気が付かなかったことなどがあり、渡航予定日の一ヶ月前くらいにバタバタして、ようやく準備が整った(実際には忘れていた事もあった!?)記憶があります。

つまり、初めての海外移住だったこともあり、雲を掴むように不確定なことを、手さぐり状態で少しづつ進めていった訳です。今後は、日本を離れて海外へ拠点を移すような人が増えることが予想されます。そのような方たちへ、少しでも私の経験が役立てばと思い、情報をシェアします。

 

海外移住を考え始めた頃に「すること」リスト

海外移住の準備は早ければ早いほどよく、出来れば渡航予定の一年前くらいから計画的に海外引っ越しなどの準備を始めた方が良いでしょう。以下では、渡航予定の一年前~半年くらいまでに準備を始めておきたいことをまとめておきます。

親族・友人・知人・恩師などに報告・連絡・相談

海外移住には目的により、自発的な海外移住もあれば、会社からの辞令による海外転勤・海外赴任というケースもあります。そのため、時間的余裕がある場合もあればない場合もあります。

もし、日本を離れて海外へ移住することに少しでも不安があったり、悩んでいるのであれば、何よりも最初にすべきことは、両親をはじめとした親族、友人、知人、あるいは恩師などに連絡をして話をしてみることでしょう。

彼らの中には海外移住に反対する人もいるでしょう。その中でもう一度、海外移住への思いを熟考することができます。そうすることで、海外へ行くことに対する自分の意思や覚悟を確認することができることでしょう。

渡航先の情報収集

海外で生活するために最低限必要な情報は、「衣食住」から考えましょう。まず、渡航先の気候、そして食文化の違いや渡航先での日本食の確保は可能かなどの情報も必要でしょう。

そして、何よりも治安に関する情報を出来る限り正確に収集しましょう。その上で、どのような地域に住めばよいのか、住居のスタイルはどうしたらよいか、などの情報へと進めていきましょう。

また、渡航国での各種手続きについて、海外への渡航目的により、必要な書類などは異なりますので、渡航目的に応じて計画的に情報収集をして、必要なものを早めに取得しましょう。

外国語学習の準備

渡航先の言葉が使えるか使えないのかにより、海外生活のストレス度や快適さがかなり異なります。少しだけでも、その国の言葉(外国語)を理解でき、意思を伝えることが出来れば、そのストレスが少なくなり、海外生活の快適さが、グ~ンと上がりますよ。

例えば、英語圏への海外移住であれば、日常会話程度の英会話を身に付けるには、最低でも一年程度は必要だと言われています。これを基準に考えると、渡航予定の一年前から英会話の学習を始めることが良いでしょう。

また、中国語圏の海外渡航であれば、中国語を学習することになります。全く中国語の学習経験がない方は、中国語の発音に悩まされることになることでしょう。少しでも、早めに学習を始めて、中国語特有の発音や声調に慣れておくことが重要です。

現地の友人や知人作り

海外生活をする上で最も信用できる情報を持っているのは、既に現地で生活している人です。外国語に不自由がなければ、自分が居住する予定の都市を網羅した、ヤフー知恵袋のような海外版QAサイト(外国語)を利用するのが、最もホットで新しい情報が得られることでしょう。

外国語が堪能でなければ、やはり、現地在住の日本人の方を当てにせざるを得ないでしょう。そして、彼らがブログやFacebookあるいはツイッターなどで提供する情報が最も確かなものになるのだと思います。

そのようなネット上だけでも繋がった仲間がいれば、海外渡航後の不安も少しは解消されるかもしれません。(当てにし過ぎてもダメでしょうけど・・・)特に、頼りにする予定がなくても、現地に知り合いがいるというだけで、少しは安心できるものです。

歯科検診と虫歯の治療

定期的に歯科検診をしている方は問題ありませんが、海外移住は虫歯がない状態で出発したいものです。渡航国の歯科医の技術レベルが分からないという点と歯科治療費が非常に高い国も多いという点を考慮すると歯科検診は必須です。

先ずは、渡航予定の6ヶ月くらい前には歯科検診を受けておいた方が良いでしょう。渡航予定の1ヶ月前に虫歯が発覚しても、虫歯を完治するには1ヶ月以上掛かる場合が多いため、出来るだけ早い時期に歯科検診へ行きましょう。

 

本格的に海外移住の準備をする段階で「すること」リスト

渡航予定日の半年前から一ヶ月前までは、本格的に海外への引っ越しの準備や各種手続きを進めていく時期になります。この時期に準備すべきことを、まとめておきます。

パスポートの申請・取得

わざわざ挙げる必要もないかもしれませんが、少なくても渡航予定の3ヶ月前くらい前までにはパスポートの準備をしておきましょう。と言うのも、ビザの取得や航空券の予約にはパスポート原本やパスポート番号が必要になります。

また、暫らくの間、海外旅行などをせずにパスポートを使用しなかった方は、必ずパスポートの有効期限を確認しておきましょう。以前、私は航空券を購入した後にパスポートの有効期限が切れていたことに気が付き、航空券を買い直すという間抜けなことをしたことがあります(泣)。

渡航国のビザ取得

海外移住という形で長期間、外国に滞在する場合は、必ずビザが必要になります。渡航国や渡航目的により、ビザ申請のための書類準備から発行までの期間が異なります。

一般的には、ビザの申請には健康診断や予防接種証明書、あるいは無犯罪証明書(犯罪経歴証明書)などを添付する場合が多いです。これらの書類などを整えるだけでも時間と手間が掛かります。

渡航国や目的によっては6ヶ月以上掛ってしまうこともあるでしょう。長期の外国での居住を目的とした海外渡航の際には、ビザの取得は最優先事項です。出来るだけ早めにビザ申請の準備を始めましょう。

健康診断と予防接種

健康診断と予防接種は主にビザ取得のために必要になることが多いです。特に、健康診断証明書の発行は、渡航国や渡航目的により、検診項目が細かく要求されることがあります。また、英文または渡航国の言語での診断証明書が必要な場合が多いですので、お金も時間も余分に掛かりますので注意しましょう。

家の管理先の選定または売却処分

もし、持ち家がある場合は自宅をどのようにするかを検討しなければなりません。主な選択肢は、下記のようになります。

  • 売却 → 基本的に海外永住を考えている方
  • 賃貸 → 将来、日本に本帰国を考えている方
  • 管理 → 年に数回、一時帰国を考えている方

賃貸として貸し出す場合や家屋の劣化防止のために管理をしてもらう場合は、誰に管理をしてもらうのかを決めましょう。自宅近隣に親族がいる場合は問題ありませんが、親族の住居地が自分の所有家屋から遠い場合は、専門の管理会社に依頼しましょう。

賃貸物件の退去通知・解約

持ち家ではなく、賃貸物件を借りている場合は、賃貸借契約書を見て、退去通告の時期が、いつになっているかを確認しましょう。一般的には、2ヶ月前あるいは3ヶ月前などと記載があるはずです。退去通告が遅れると、余分に家賃を支払うことになりますので注意しましょう。

自動車やバイクの処分

一年以上の間、日本を離れ海外で生活する場合は、自動車やバイクは売却するか親族などに保管・管理してもらうことになります。ただし、保管・管理の場合は、自動車保険や自動車税などの固定費が掛かります。

それに、エンジンを動かさないで放置しておくと、自動車本体はかなり劣化してしまいます。長期間、日本を離れ、外国への居住を考えている場合は、思い切って売却した方がよいでしょう。

自動車保険の中断証明書

海外移住などで日本を離れる場合は、自動車保険を中断することが出来ます。この場合、保険会社から「中断証明書」が発行されます。証明書はなくさないように大切に保管しておきましょう。

自動車保険には等級があり、無事故無違反の場合は等級が上がり年間保険料が安くなります。中断証明書を発行してもらうことで、将来、日本へ本帰国した時に等級を引き継ぐことができます。

国際運転免許証の取得

国際運転免許証を所持していると、ジュネーブ条約締結国において、車の運転が最大1年間有効になります。ただし、日本の運転免許証も合わせて所持する必要があります。渡航国(米国の場合は各州)により有効な期間が異なるため、出発前に入国からの有効期間を確認しておきましょう。

引っ越し先を決める

日本では現地の正確な情報が得られない場合がほとんどです。そのため、海外引っ越しをする前に、海外引っ越しの下見を兼ねて、数日間、現地へ旅行に出向いてみることも検討してみましょう。良い物件があれば、賃貸契約までしても良いでしょう。

海外引っ越し業者の決定と荷物の選定

海外への引っ越しは多くの費用が掛かることを覚悟しておきましょう。海外へ持って行く荷物の選定のポイントは、どうしても絶対必要なモノのみに限定することです。重いものやかさ張るものは現地調達で対応しましょう。

大型家具などの不用品処分

上述した通り、海外引っ越しのポイントは、現地調達できるものは出来るだけ現地で調達することです。特に、大型家具などの大きくて重いモノは、日本の実家などに保管する方法もあります。

ところが、保管スペースに困りますね。そのため、長期間の海外居住を予定している場合は、引っ越し時に不用品回収を専門とした買取業者に依頼しましょう。引っ越し時の手間も省ける上に、買い取ってもらえる為、当然、お金も頂けます。

一時的に一部の家財道具を日本で保管しておく場合は、こちらを参照してみてください。

航空券の予約

格安航空券あるいはLCCの航空券でも、3ヶ月前くらいから予約が出来ます。引っ越しする時期は、出来るだけ引っ越し繁忙期を避けるのが基本ですが、旅行繁忙期も避ければ、航空券も格安で予約できます。

最終学歴の卒業証明書の発行

最終学歴の卒業証明書は、必ずしも必要ではなりませんが、現地で就職などを考えている場合は、事前に準備しておいてもよいでしょう。外国から日本の高校や大学などの教育機関に問い合わせたり、親族に協力してもらうのも、かなり手間と時間が掛かります。

 

海外移住の直前に「することリスト」

渡航予定の1ヶ月前、あるいは1ヶ月を切った時期にした方が良いことを、以下にまとめておきます。

銀行・証券会社・クレジットカード会社へ住所変更

銀行、証券会社、クレジットカード会社などの金融機関の住所変更は、何かと複雑な手続きが必要だったりします。例えば、銀行への住所変更の手続きには、印鑑の押印が必要だったりしました。インターネットで簡単にできる場合と、そうでない場合がありますので、事前に確認して手続きを進めましょう。

賃貸物件の退去

マンションやアパートなどの賃貸物件の退去通告のタイミングは、賃貸借契約書に記載がありますので、事前に確認しておきましょう。退去日は管理会社や大家さんに事前に相談しておきましょう。渡航直前での退去時トラブルは精神的ストレスが多すぎますよ。

生命保険・学資保険・火災保険など各種保険の検討・対応

生命保険(死亡保険)、学資保険、医療保険などは、海外在住の場合でも、毎月あるいは毎年の保険料の支払いを継続していれば、有効に維持することが出来ることがほとんどです。

そのため、今まで折角、積み立てていた死亡保険や学資保険などは将来の返戻金を受け取ることが出来るため、基本的には継続する方が良いでしょう。

持ち家などで家屋に対する火災保険の契約がある場合は、払い戻しが受けられますので保険会社に問い合わせてみましょう。

税務手続き・税務署への届出

年度途中で退職をする場合は、確定申告をすることで源泉徴収税が還付される場合が多いでしょう。ただし、確定申告の期間は、毎年2月16日~3月15日となっています。

それ以外の時期に渡航する場合は、どうしたらよいでしょうか? 上記以外の時期でも、海外移住の場合(住民票の抹消=海外転出届の場合)には、(準)確定申告として、当年の1月1日から出国日までの所得を確定する手続きをします。

国民年金の対応検討と手続き

国民年金については、住民票を抹消する手続き、つまり海外転出手続きをする場合は、任意加入になります。つまり、継続して加入するか、海外在住中は加入しないか、を本人が選択できます。

国民年金を継続して支払う場合は将来受け取る年金額が多くなり、海外在住中は加入を止める場合は将来の受取額が少なくなります。金銭的に余裕がある場合は、継続加入しておいた方が良いかもしれませんね。

郵便物の転送手続き

海外在住中に郵便物がある場合は、海外への転送は出来ませんので、日本国内の転送先を郵便局に届け出ておきましょう。転送先は、両親の実家や兄弟姉妹の協力を得て、郵便物の転送先として相談してみましょう。

住民票の海外転出手続き

基本的には、一年以上、日本を離れて海外で居住する場合は海外転出手続きをします。ただし、「一年間」は法的な定義があるわけではないようです。

そのため、海外在住でも、日本の住民票を置いたままの方もいますし、たびたび日本に行き来している方でも、海外転出手続きをしている方もいます。

電気・水道・ガスの解約手続き

電気、水道、ガスなどの解約日(止める日)は、引っ越し日(退去する日)に設定しましょう。その際に、最終月の支払い方法と手続きも、マンションなどの管理会社や大家さん、あるいは電力会社やガス会社などに確認しておきましょう。

電話・インターネットの解約手続き

電話とインターネットの解約日も住居の退去日にしておきましょう。同時に、最終月は日割計算なのか月割計算なのかの確認もしておきましょう。

携帯電話・スマホの解約手続き

携帯電話やスマホも解約するかしないかを検討しましょう。一旦解約してしまうと、愛着のある電話番号を放棄することになります。

一年以上、日本を離れ海外で生活する場合は、解約した方がコストの節約になります。連絡手段として最後まで必要になりますので、解約日は出国日の前日、あるいは可能ならば当日にしたいところです。

新聞の解約

月極料金になっていますので、切りが良い渡航予定日の前月くらいで解約しておきましょう。

海外旅行保険の加入手続き

海外転出手続き(住民票を抹消する手続き)をすると、国民健康保険には加入できなくなりますので、強制的に脱退になります。そうなると、もしも大きなケガや重い病気になってしまった時には、全額負担を余儀なくされます。

クレジットカードを所有していれば、カード附帯の海外旅行保険で、一般的には3ヶ月間(90日間)程度はケガ病気などを保障してくれます。

その後は何らかの保険で担保する必要があります。(海外旅行保険は旅行途中からの加入は不可・・・)やはり、渡航日から海外旅行保険に加入しておいた方が安心でしょう。

健康保険証の返却

(国民)健康保険証は返却する必要があります。極端なことを言えば、郵送でも返却が出来ますので、渡航日に空港の郵便ポストにポストインもできますよ。意外と返却していない方も多いのかな・・・。

 

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以上、海外移住、海外転勤、海外赴任、あるいは長期の海外留学などで海外渡航をする場合に、渡航1年前から渡航直前までの期間を3分類して、事前準備として「すること」とそのポイントを列挙してみました。

海外渡航の状況と自分に合ったスケジュールを考えて進めていくのが最適でしょう。そのため、上記の「すること」をリスト化して、実施済みの「チェック」欄、実施日程(月/日)、実施事項、備考を纏めて、PDF化してみましたので、必要に応じて印刷して、ご利用ください。

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