台湾で暮らし始めて豚肉を食べなくなった唯一の理由

台湾料理の中でも豚肉は最も多く使用されている食材です。ところが、私は台湾で暮らし初めて以降、日本にいた時ほど豚肉をあまり食べなくなりました。台湾の豚肉に関する事情を含めて、私が台湾移住以降に豚肉を食べなくなった経緯とその理由を、現地台湾からレポートします。

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台湾料理は美味しいけど気を付けることは?

台湾移住当初は台湾料理や台湾の夜市や屋台などで人気が高いB級グルメばかり食べていました。
初めての台湾旅行で絶対食べたいローカルB級グルメ20選

その結果、見事に体重が10kgくらい増加してしまいました。台湾のB級グルメによる肥満は海外から来た外国人には「あるある」事情です。

とはいっても、台湾料理ばかり食べていると、多くの日本人は数ヶ月が経過する頃には、日本料理と台湾料理の違いに気が付き始め、油まみれの台湾料理に嫌気がさし始めます。そこで、比較的リーズナブルに油っこい台湾料理を避け、一旦、胃の中を休める方法は下記のような方法です。
台湾長期滞在で中華料理に飽きた時に役立つ対処方法と秘策

 

台湾料理の食材の主演は「豚肉」助演は「八角」

丁度、油っこい台湾料理にも飽き始めたころ、あることに気が付き始めました。
台湾では肉料理はメイン・ディッシュとして欠かせない存在です。台湾で肉料理と言えば、豚肉か鶏肉の二択と言ってもよいでしょう。伝統的に台湾人が牛肉を食べない理由は下記を参照してください。
台湾で肉と言えば何?|牛肉を食べない理由は?

その中でも、台湾料理に豚肉は欠かせない食材で、「素食」食堂以外では、どのレストランや食堂へ行っても豚肉料理はあります。そのため、台湾は豚肉料理天国ですので、豚肉好きの方には楽園のような国です。ところが、台湾ではほとんどの豚肉料理には、もれなく中華料理特有の香辛料が使われています。それが、日本人には嗅ぎ慣れない匂いを発する「八角」です。
日本人は台湾の香辛料・八角入り料理がなぜ苦手なのか?

最初は、私も八角の食材としての存在を知らなかったのですが、何か変な匂いがする・・・程度にしか思っていませんでした。例えて言えば、他人の靴の裏に付いた●のような存在でした。自分の靴の裏を確認しても何も付いていないし臭くないが、何か近くから変な匂いがする・・・誰が●を踏んだのだろう!?犯人は誰だ?という存在でした。においの存在は何となく気が付いているのですが、何が臭いを発しているのか分からない状態です(笑)。とは言っても、食材として八角の存在に気が付いた頃には、香辛料としての八角入りの料理の風味にも慣れていました。(「八角の臭い=●の臭い」ではないです)

 

台湾の豚肉がヤバイくらい臭い

そして、私がそれと同時に、もう一つ気が付いたことは、「台湾の豚肉は臭い!」です。
台湾の豚肉と日本の豚肉(輸入品を含む)を比べると、圧倒的に台湾の豚肉は強烈な「ザ・豚肉!」の臭いを発しています。焼いても煮ても、その豚肉の臭いは簡単には消えません。そのために、豚肉を使う料理にはもれなく強烈な匂いがある香辛料を使用しているか、あるいは豚肉の臭いを消すための香辛料を使用しているのだろうと思います。

当然ですが、豚の生肉も強烈な臭いを醸し出しています。台湾にはローカル市場が点在しており、そのような市場では非常に安く食材を購入することが出来るため、台所を預かる市民の強い味方になっています。そのような市場では、ほぼ間違いなく、日常生活では臭わない空気を吸うことが出来ます。

その発生源が、肉売り場と魚売り場となり、その臭いのコラボレーションが絶妙なアクセントを加えて、鼻を突き刺します。魚売り場の臭いは、日本でも魚屋さんへ行った時の臭いと同じですが、肉売り場の臭いは日本での日常生活ではあまり嗅ぐことが出来ない獣の臭いがします。その主な原因は豚肉と鶏肉ですが、その中でも豚肉の臭いは、かなり主張しています。

 

台湾の豚肉が強烈に臭い理由とは?

台湾の豚肉の臭いがキツいというのは、私だけが感じることではなく、少なくても台湾人の方もそのことに気付いていたからこそ、豚肉を食材として使用する時には様々な香辛料を使っているのだと思います。また、アメリカから来た日系人の知人も、私と同じように、台湾料理は美味しいのだけど、豚肉のニオイだけは無理だと言っていました。それくらい、台湾の豚肉料理は特別なニオイがあるということだと思います。

それでは、なぜ台湾の豚肉はこれ程まで臭いのでしょうか?
インド人はカレーばかり食べているから体臭からカレーのようなニオイがする。日本人は味噌汁ばかり飲んでいるから味噌のようなニオイがする。西洋人はチーズばかり食べているからチーズの発酵したようなニオイがする。こんなことを聞いたことがないでしょうか。

これは、人間でも食べるものによって、体臭や排泄物のニオイが変るということの例えでしょう。同じように、動物である豚も食べ物によって、体臭あるいは肉のニオイが変わっても不思議ではありません。そこで、またあることに気が付きました。台湾では環境保護の観点から各家庭から排出される食べ残しなどの残飯を、環境保護局のゴミ(資源)回収車が回収しています。そして、そのようにして収集された残飯は、最終的には豚の餌になるということを聞いたことがあります。そのような活動自体は非常に良いことで推進されるべきことです。

ところが、夏が非常に長い台湾で残飯を一晩あるいは二晩常温で寝かせておくと、どうなるか推測がつきますね。そして、年間を通して温かい台湾ではハエなどの害虫も半端ないです。その結果、どうなるか想像がつくでしょうか。ご想像の通り、冬以外の時期には外に一晩放置するだけでも、かなりの臭いが発生します。そして、そのまま数日放置した場合はどうなるでしょうか。ハエの赤ちゃんが残飯の表面に満遍なく卵から孵ります。こんな状態でも残飯は回収されていきます。(これが適正な回収かどうかは不明)

このように回収された残飯が、その後どのように扱われているのかは定かではありません。熱処理などを施してから、豚の餌になっているのか、あるいはそのまま、別の飼料と混合して豚の餌になっているのか・・・。台湾の豚肉のニオイが臭い理由は、かなりの悪臭を放つ残飯でブクブクと太られたことが原因ではないかと思います。

台湾では豚の餌にする用途で残飯を資源としてリユースしています。残飯が豚の餌になるプロセスが判明しましたので、情報をシェアします。
主な加工プロセスは、「ろ過 → 加熱 → おからと混合」になります。そのため、豚の餌自体が臭いわけではないことが分かりました。豚肉の匂いの原因は、他のことに起因(動物系の油分の多い餌の与え過ぎ?)しているようです。植物系の餌を多く与えていれば、匂いが抑えられるという情報もあります。もしご存知の方がいれば、お知らせ下さい。

 

私が台湾移住後に豚肉を食べなくなった理由

私がブタちゃんの肉を食べなくなった理由は、ハエの赤ちゃんたちが動き回る残飯がブタちゃんたちの餌になっていることを知ってしまったためです。

更に言えば、そのような残飯は市民の善意で回収されているため、残飯の中には何が混入しているか分からないという事情もあります。台所で皿などを洗っている場合には洗剤を使いますが、残飯用の容器の中に洗剤が混じってしまうこともあるでしょう。

あるいは、冷蔵庫の片隅で使われなくなった食材は、消費期限が切れれば残飯になります。中には半腐りのものも満遍なく残飯へと向かいます。それは、豚肉も例外ではないため、間接的には豚肉が豚の餌に回されていることになり、所謂共食いの状態になります。

このような台湾の豚肉の臭いと豚肉の餌と日常的に各家庭から出される残飯のトライアングルの事情を知ってからは、台湾では豚肉をほとんど食べなくなりました。ただし、そんな私でも週に数回は間接的に豚肉を食べていることでしょう。水餃子、肉包、チャーハン、酸辣湯、ハンバーガー・・・。

今まで誰にも語られなかった台湾の食の裏事情について、批判覚悟で実直に綴ってみました。台湾では、かつて、垂れ流された溝から油を回収して食用油に転用していたり、タピオカミルクティのタピオカに接着剤の原料の一部を混ぜ込んでQQ感を捏造したりと様々な食の安全を脅かされるような問題が発生してきました。発生した当初は、マスコミが競って報道しますが、数ヶ月経過すると何事もなかったかのように正常稼動するのが台湾スタイルです。熱しやすく冷めやすい・・・。

コメント

  1. 敏度 より:

    失礼します、台湾人です、豚肉が臭いの原因は八角、食用油、他の調理方法のせいかもしれませんが、残飯と関係ありません思います。ゴミ収集の時出された残飯が臭いですが、後はろ過、煮込み、おからと混ぜ合わせ……そして本当の餌ができます、全く臭くないです、たまに鶏もこの餌を食べます。

    台湾政府のサイト:http://www.epa.gov.tw/ct.asp?xItem=9130&ctNode=31520&mp=epa

    食問題に無関心な台湾は本当に悲しい……

    • いいぞっ より:

      いつもコメントありがとうございます。
      正しい情報を提供していただき感謝します。
      今後とも当ブログをよろしくお願いします。

  2. 飛燕 より:

    JASONというスーパーで売っている冷凍の香草豚肉は臭くないですよ。私はいつもこれで豚肉生姜焼きを作っています。妻に好評です。
    台湾の豚肉が臭いのは新鮮ではない上に、冷凍技術が低いからではないでしょうか。それから餌に混じっている低品質の油、下水油。
    餌も相当汚染されているでしょうね。

    • いいぞっ より:

      コメントと貴重な情報ありがとうございます。
      JASONSは台湾(台中)では裕毛屋と同じくらい高級食料品スーパーです(私にとって)。
      機会があれば、香草豚肉を試してみます。
      確かに…台湾の豚肉の臭いが強いのは豚の餌が油まみれで低品質なこと以外にも、冷凍保管されずに、気候的に暑いにも関わらず、常温で生のまま店頭に並べていたりして、新鮮ではないことも原因でしょうね。

      • 飛燕 より:

        香草豚肉は300gで220元くらいですので普通の豚肉と同じくらい価格だと思いますよ。
        あと安い玉子は危険なのでこのスーパーで買っています。
        野菜は無農薬、有機野菜を売っている里仁で買っています。
        台中に里仁はありますか?

        • いいぞっ より:

          豚肉の一般的な値段はそれくらいでしたか…。
          全聯福利中心の肉の価格と比べると、やはり少し高めですね。
          卵汚染騒動がありましたが…、あまり気にし過ぎると外食ができなくなってしまいますね。
          里仁は台中にもありますが、お店に入ったことは(たぶん)ないと思います。

  3. 台湾は気楽 日本は快適 より:

    台湾在住3年です。私もスーパーで売っている豚肉、鶏肉は日本のものと比べて臭いが強いと感じます。動物たちが食べている餌が原因なのかなぁと思います。

    • いいぞっ より:

      コメントありがとうございます。
      台湾産の肉のニオイは強めですね。
      原因は餌なのか、気温なのか、販売までの保存状況なのか、分かりませんが…
      台湾では日本よりも肉料理に香辛料などが多用されるのも、そのような食事情があるのかもしれませんね。

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