日本を脱出して海外移住を選択した3つの理由‐家族で台湾へ海外移住

私が日本を飛び出して台湾に海外移住をした理由を経済、教育、生き方という観点から3つほどピックアップして考えてみました。下記は私が移住当初考えていたこと、および当時、シンガポール元首相の著書が話題になったのが、同時期だったため共感した部分と自分の考えを整理するために備忘録的にまとめたものです。

 

【経済】日本を脱出して海外移住を選択した3つの理由(1)

シンガポールのリー・クアン・ユー元首相に共感する移民思想

平凡な国になりつつある日本、「私が日本の若者なら移民するだろう」―シンガポール元首相

シンガポールのリー・クアン・ユー元首相は、著書『one man’s view of the world』のなかで、深刻な高齢化社会を長年解決できずにいる日本の将来を悲観し、「私がもし日本の若者だったら、他国へ移民する」との見解を示した。3月24日、BWCHINESE中文網が伝えた。

リー氏は、人口の減少は必然的に経済規模の縮小を伴うため、人口とその構造は国の運命を決める決定的に重要な問題だとしたうえで、日本の高齢化問題は極めて深刻だと指摘。

日本の出生率はいまや1.39人。人口交替率(総人口の維持に必要な 出生率)である2.1よりはるかに低い。リー氏は、その原因として、(1)かつての日本女性はもっぱら男性に経済的に依存する専業主婦が多かったが、女性の意識が変わり、自ら仕事を持って経済的な独立と自由を好み、結婚しなかったり、結婚しても子供を持たない選択をしたりする女性が現れたこと、(2)日本企業では産休から復帰した女性従業員の待遇が下がりがちで、女性が子供を産むに産めなくなっていることを挙げた。

そして、日本同様に低出生率に悩むシンガポールでは、移民の受け入れによって高齢化問題に取り組んでいることに触れ、「もし私が日本のリーダーだったら、日本人と容姿が似ている華人、高麗人(朝鮮・韓国・韓国系移民)、あるいはベトナム人の受け入れを試みるだろう」との考えを示した。

リー氏は、「しかし、日本は移民に対して排他的。事実上、日本で生まれ育った在日外国人でさえ完全に受け入れていない。南米からの日系人の受け入れにも失敗した。日本の政府の要人に人口問題についてどのように解決するつもりか尋ねた際には、『より多くの産前産後休暇や出産手当について検討する』との答えに失望した」と、人口問題を解決する気力も兆しも見えない日本を厳しく評価。

そして最後に、「日本は、平凡な、『その他多くの国の一つ』になろうとしている。もし私が日本人の若者だったら、おそらく他の国に移民するだろう。日本にいては未来が見えないから」と締めくくった。
XINHUA.JP 3月25日(火)21時39分配信

 

上記内容の要旨は以下の3点にまとめられます。

1.高齢化社会の中で日本は人口減少による経済規模の縮小を食い止められない
2.日本政府は人口減少に対する決定的な国策を打ち出せないでいる
3.日本は平凡な国になろうとしているため未来のない日本から移民をする

 

海外から日本経済の将来と海外移住の理由を考える

実は、私は今更ながら何故、台湾に海外移住したのか、その理由やこれから何を考え、どのように行動するかを丁度まとめているところでした。

簡単にキーワードだけ挙げると以下3点です。

1.経済
2.教育
3.人生

その理由の一つが「経済」に関することで上記のシンガポール元首相が指摘していることと全く同じことでした。上記のシンガポール元首相のプレスがリリースされるタイミングと本当にドンピシャのタイミングだったのでびっくりしたのを思い出します。

もう説明する必要はないかもしれませんが、せっかく途中までブログ記事として書いていたので内容の一部を以下に挙げておきます。

あえて、日本を脱出して、将来の見えないリスクのある海外移住を選択した理由について考えたことを綴っておきます。

先日、ある人のブログを見ていて、今まで自分が考えていたことが点と点で繋がり線になり1つの方向性が確認できました。

その結論の到達点に、私が日本を離れて、海外移住を選択した理由が隠されていました。

 

私が海外移住を決断した最も大きな理由3つ

海外移住の理由を端的に挙げると下記の3点に集約されました。

1.【経済】現状の日本と外国との経済格差の縮小
2.【教育】10年後を見越した子供の教育
3.【人生】20年後を想定した場合の人生の先取り

 

【経済】現状の日本と外国との経済格差の縮小

まず、日本の「経済」と海外の経済格差の縮小について考えてみました。現在の日本は高齢化社会の入り口に差し掛かっているところだと思います。高齢化社会による人口減少どころか労働者人口の減少にも歯止めが掛からない状況です。

この状況を踏まえて、将来の日本社会をマーケットという切り口で考えてみると、今後の日本国内のマーケットは縮小する一方で拡大する要因は、ほとんど見つからないのが現状です。

 

高齢化社会が進む日本国内マーケットを拡大することは可能か?

ただし、無理やり国内マーケットを拡大する方法はいくつか考えられます。その方法として、例えば、少子化対策として、子育てに関する経済的負担を出来る限り軽くする、或いは出産したら100万円支給などの世界も驚くような極端な政策で結婚・出産できる環境を整えることが考えられます。

あるいは、外国人に就労ビザを与えて外国人労働者を日本から排除するのではなく、積極的に日本に招き入れるなどの政策も考えられます。具体的には、台湾がやっているように東南アジアから外労(外国人労働者)を家政婦や介護職として比較的安い賃金で招き入れるなどの政策も有効でしょう。

つまり、国内で人口減少に歯止めをかける政策を打ち出すか、国外からの人口移動で労働者人口の減少に歯止めをかける政策を打ち出すかのどちらかでしょう。現在の自民党を中心とした政権は、どちらかと言えば前者に傾倒していますね。

 

限られた国内マーケットの中で競争を余儀なくされる?

話が逸れましたので元に戻します。将来的に国内マーケットが急速に縮小する中で、サラリーマンの給料(自営業や企業経営者の場合も同じ)が高度経済成長期のように右肩上がりに上がっていくことは不可能でしょう。

短期的には賃金のアップはあるかもしれませんが、10年とか20年の比較的長期のスパンで考えた場合、物価の上昇(消費税の上昇分も含めて)に対して現状維持が精一杯だと思います。となると、後で述べる「人生」に繋がる話になりますが、時間の価値をどう捉えるかという話になります。

一般論として、国内マーケットというパイの奪い合いをして勝った企業や従業員の採り分が多くなり、負けた企業や従業員の採り分が少なくなる。そして、負けた企業は買った企業に吸収されるか、あるいはマーケットから撤退を余儀なくされる社会に向かっていくことでしょう。

つまり、現状のままであれば、どれだけ企業活動を活性化させて従業員が一生懸命働いても国内マーケットは拡大しないため、言葉は悪いですが「檻に入れられた中で限られた食べ物を奪い合う」ことになります。その状況に、未来を肯定的に捉えられる魅力を感じるでしょうか?

 

効率化は進むが国内マーケットの拡大は望めない?

そこで、私は少しだけ肯定的に考えるため発想を転換し、時間とお金の2つの軸を同時に考えてみようと思います。

例えば、日本全体で平均すると1億円のマーケットしかないのであれば、どれだけ一生懸命働いても国内マーケットでは最大でも1億円の稼ぎしかありません。

1日8時間働いても、4時間働いても、16時間働いても、国内マーケットでは1億円の仕事しかないことに変わりはありません。

そのような状況であれば、私は精一杯効率的に働いて1日4時間で1億円の仕事をする方を選びます。言い換えれば、1カ月平均40万円の給料を貰うために1日8時間働くよりも4時間働いて40万円貰う方を選択するわけです。

ところが、会社に勤めているサラリーマンではそういうわけにもいきません。いくら、効率的な仕事をして1日4時間で仕事を完璧に終わらせても、残りの4時間は会社に拘束されるわけです。

結局、今後は国内マーケットが拡大しなければ、正社員でさえ時間で労働を売るアルバイトとなんら変わらない働き方を選択せざるを得ない状況に陥ります。

 

国内マーケット縮小による時間の切り売りという無限ループとは?

それどころか、将来的に国内マーケットが縮小すれば、そのマーケット規模の1億円は5000万円に減少するかもしれません。それでは、会社から飛び出して自分1人で起業したとしても、限られた国内マーケットのパイの奪い合いの無限ループから逃れることはできません。

つまり、「人口減少 → 国内マーケット縮小 → 国内マーケットでの無意味な競争 → 国内労働のアルバイト化 → 国内マーケット縮小 → ・・・」の無限ループに入り浸ることになってしまうのかもしれません。

 

海外から日本国内マーケットの縮小を長期的視点で眺める

日本を脱出して海外移住を選択した3つの理由の一つ目の「経済」の縮小をどう捉えて向き合うか? 結論を先に言えば、「縮小する国内マーケットの中で競争をして疲弊することに魅力を感じない」ということになります。

まずは10年後20年後を想定してみましょう。どのようなシミュレーションができるか?

1.国内マーケットが拡大する
2.国内マーケットは現状維持まで回復
3.国内マーケットが縮小し続ける

現状では間違いなく縮小し続けることでしょう。そうなると、長期的な視点で考えると、日本の国内マーケットに魅力を感じないどころか、日本で生活すること自体が大きなリスクを負うことになります。最低でも海外で生活していく術を身に付けていなければ、10年後20年後、現在の生活レベルを維持していくことすら難しくなるのではないかという危機感さえ感じます。

ましてや、中国をはじめとしたアジアの国々が今以上に経済力を強めてきた時に、日本は何を売り物にしますか?
日本国内にいて日本を見る視点と海外に出て日本を見る視点は、少し変わってきたことに気づかされました。

 

【教育】日本を脱出して海外移住を選択した3つの理由(2)

日本を脱出して海外移住を選択した3つの理由の内の2つ目の理由は子供の「教育」に関することです。

 

国際結婚カップルの子供の言語の問題

海外移住をすることについて、主に国際結婚での子供の教育に関して考えてみようと思います。私は台湾人妻と国際結婚しているため、台湾に移住することに限って言えば、一般的な日本人よりも少しだけ条件が緩くなります。

それは、一言で言えば台湾に滞在するための査証(ビザ)に関して、複雑な手続きをしなくても良いという点です。台湾滞在の条件としてのビザの問題に関しては、私たちの子供に関しても同じことが言えます。

そのため、海外移住する場合は、台湾か台湾以外が考えられますが、言葉の問題などはありますが、台湾に居住することは日本で居住することと同じくらいハードルが低いことになります。

日本で生活している時から台湾人妻は子供に対しては中国語で話しかけていたため、子供たちは日本にいる時も少しは中国語が理解できていました。それでも、日本にいた時は子供達は保育園に通っていたこともあり、台湾人妻が話しかける時以外、生活のほとんどの言葉は日本語でした。

そのため、子供たちは日本語しか話さなかったです。このまま成長していけば、大人になっても中国語を話すことができないけれど、中国語は聞き取ることができるという、よくありがちなパターンになるだろうと思っていました。

国際結婚したカップル間の子供にとって言葉は重要です。
日本の両親・親族と台湾の両親・親族どちらともコミュニケーションをとる手段がなければ、大人になって自分の故郷やルーツを肌で感じることは難しくなります。そのため、やはり日本語と中国語の両言語を使えるように育ててあげたいというのが本心でした。

 

子供の教育環境の未来予想図は?

今まで言語のことだけを話してきましたが、もうひとつは子供の頃から複数の文化に触れることで大人になってからも多様な環境での順応力の幅が広がるだろうと思います。言語は文化の一部ですし、歴史も文化の一部ですし、社会も文化の一部です。子供の頃に複数の文化で教育を受けていれば、子供たちがもう少し成長した時には興味関心はさらに広がる可能性が高くなります。

日本、台湾、中華、中国、華僑の住む国…(華僑なのか和僑なのか…?)
いずれにしても、将来また日本で教育を受けることがあった場合、台湾で受けた教育と日本で受ける教育の良い部分を学ぶ機会が広がればと思います。果たして、10年後15年後に教育に国境という垣根が存在するかも疑問です。

既に大学レベルでは、少しずつネットを介して国境の垣根が崩れつつあります。基本的な義務教育はどこかの国で受けることになるだろうと予測できます。ところが、義務教育以外の教育はボーダレス化するかもしれないと、ひそかに思っています。

例えば、日本とアメリカと台湾の学校が共同で出資をして、それぞれの各国に分校を置くという時代が来るかもしれません。授業は全て、インターネットで完結でき、各分校でスクーリングを受講することも可能となる時代が来ることでしょう。そして、その時は当然、日本では日本語で、台湾では中国語で、アメリカでは英語で授業を受講することになるかもしれません。

こんな学校ができたら、今現在日本で問題になっているような英語教育の必要性云々というレベルの話は議題にすらならないでしょうし、親の年収による教育レベルの格差問題も解決の切っ掛けになるのではないでしょうか。

しかも、世界各国から受講可能であるとすれば、学費は限りなく安く済むはずで発展途上国の子供たちの教育レベルも格段に上がるでしょう。(いやいや、その前にネット環境とかPCは?…という問題などはすぐに解決可能でしょう)いつまでも頭の固い人たちが教育改革とか言ってる間に、どなたか一緒にそんな学校作りませんかw

そんな世の中になった時には、多言語を使うことができるに越したことはないでしょう。それ以上に、言葉ができる云々よりも異なる文化に、いかに順応できるかと言うことの方が重要かもしれないですね。文化とは幅広いもので、例えば食文化の違いだけで外国に居住できないなんていう話は頻繁に聞きますからね。

 

将来の選択肢を拡げ、受けた教育の価値を高める準備として

話をまとめると、現在は暮らしやすい日本を離れて海外移住した理由の一つは将来のこどもに対する「教育」です。教育の質ではなく、将来受けるであろう教育の価値を最も高められる準備をしておくことができるだろうと思ったのです。多文化・異文化社会で成長した子供は将来の選択肢を拡げられることができるかもしれません。

将来は、日本でも台湾でも今以上に急速に少子化は進むと予想されますので、誰でも大学に入学できる時代になります。そのため、どの大学を卒業したかではなく、社会に出るまでの全ての教育プロセスでどのような刺激を受けてきたかが社会に出てから、さらに重要になるのではないかと思います。

 

【人生】日本を脱出して海外移住を選択した3つの理由(3)

私が日本を離れて海外移住を選択した理由は、「経済」、「教育」、「人生」の3つです。そして、将来の自分の人生について考えた時、それは海外移住する決定的な要因となりました。

 

人生80年で海外移住をしたい?海外移住は偶然か?必然か?

日本人男性の平均寿命は80歳くらいです。
今まで旅行、海外出張や短期留学での滞在などを除くと、私は日本で生活してきました。日本での生活は日本人にとって最も生活しやすい居心地のよい環境だと思います。

「もし長い人生の中で海外での生活ができるとしたら、あなたは海外で生活しますか?」という質問をどこかで耳にしたことがあります。あまり記憶が定かではないですし、そのアンケートに答えた属性もよく覚えていないですが、50%くらいの日本人の方は海外生活をしてみたいとの結果だったようです。私も海外生活してみたいと答える日本人の1人です。

海外旅行に関して言えば、思い起こすと、大学2年生の春休みに登山用のバックパックを担いで、インドに2ヶ月くらい放浪したのが初めての海外旅行でした。その時以来、いつかどこかで海外旅行ではなく海外で生活してみたいと漠然と考えるようになったのを思い出します。それから、ずいぶん時間が経過しましたが、国際結婚という偶然も重なり、海外で生活するのが運命であるかのような展開で海外移住することになったのかもしれません。

 

60歳から人生を謳歌するための準備として若い時期に海外移住をする

人生80年に話を戻すと、おおむね60歳から65歳くらいで定年退職して人生を謳歌するという日本人が大半かと思います。実際には、そのようなことを現実的に考えられない部分があります。例えば、65歳までずっと会社人間で、特にその他の人脈も特技も何もなかったとしたら、若い時のように体も頭も自由が利くか分かりませんし、その年齢から新たなことを始めようと考えてもできることは限られてくるかもしれません。

そのため、60歳や65歳から第二の人生をスタートできるように10年前あるいは20年前から準備を始めておけば確実に新たなスタートが切れるわけです。たとえ、その年になって記憶力や体力が衰えていたとしても、いろんな計画が実行しやすくなるのではないかと思います。

残念ながら人間は、将来の自分を具体的に現実的にイメージできないものです。例えば30歳の人が60歳の自分がどのようになっているかを推測すら難しいのが現実です。そのため、60歳になってから30歳の時に、あんなことやこんなことに気付いて、こうしておけばよかったという後悔が先立つのかもしれません。

海外生活ができる状況にもかかわらず、日本に居続けた人生を自分自身が60歳になった時に振り返ってみた時、何を考え、どのように感じるか? 現在の私には全くイメージすることができないわけです。

 

一度の人生、実行して後悔するか?実行しないで後悔するか?

しかし、たった1度の人生、一般的な日本人よりも2度や3度大きな転換期があれば、その転換期をチャンスと捉えて人生を楽しむ勇気があれば、2倍3倍人生を楽しむことができるのではないかという気持ちがあったのも事実です。

日本を脱出して海外移住を選択した理由は1つではなく、様々な状況が絡み多くの理由があります。その多くの理由の中から最も大きな要因の3点をピックアップして回想したに過ぎません。

実は、海外移住を決断する小さな要因は他にもいくつかありますが、いずれにしても大きな要因は、将来の日本の経済、将来の子供の教育、将来の自分の人生を考えた上での将来に向けての決断だったことを最後に付け加えておきたいと思います。

 

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