台湾人の眼鏡比率が高い理由|学習熱・ゲーム・ファッション・遺伝

台湾人に眼鏡比率が高いという事情に関して、私の主観的な見方と台湾人の知人や大学生の方たちの意見をベースに簡単にご紹介します。台湾に移住し、街中の台湾人の人たちの外見を見て、真っ先に私が受けた台湾人の方への印象は、「眼鏡比率が高い」でした。その時の私の印象では、街行く人、初めて会う人、家族友人に至るまで、ほとんどの人が眼鏡を掛けているように思いました。

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眼鏡大国の台湾の眼鏡ショップの現状

そこで、私が台湾でお会いした、ほとんどの台湾人の方が何らかの形で眼鏡を掛けている理由を知りたくなりました。それと同時に、台湾人が眼鏡を掛けていることに関して、台湾人の人たちの行動や台湾の社会事情を観察することにしました。

まず、台湾では日本と比べると、圧倒的に眼鏡ショップが多いです。繁華街などでは眼鏡屋がお店を連ねているような場所も多くあります。台湾でよく目にする眼鏡屋さんは、「小林眼鏡」や「寶島眼鏡」です。小林眼鏡は日系企業なのかと思っていましたが、そうではありませんでした。それはさておき、やはり眼鏡比率が高い国では、眼鏡を供給するお店も非常に多いです。

 

台湾の社会を観察してみると眼鏡比率が高い理由が分かる!?

次に、年齢別に眼鏡比率を観察してみると、一般的には年配の方は老眼のために眼鏡を掛けている人が多いのではないかと思っていたのですが、私の感覚では日本と台湾の高齢者の眼鏡比率はそれ程変わらないように感じます。日本人と同様に、台湾人の年配の方も老眼のため、新聞を読む時だけ眼鏡を掛けている方が多いようです。

一方、中年層以下の台湾人の方は、常に眼鏡を掛けている方の比率が日本人以上に高くなっていると感じます。これはなぜなのでしょうか?
考えられる理由は、超学歴社会の台湾では日本以上に教育熱が高く、非常にばかげたことのように思いますが、小学生の時からではなく、幼稚園児の頃から、学習塾に通わせている親御さんが非常に多くいます。そのため、街の光景を眺めてみると、特に平日夕方以降にライトアップされている看板には「補習班」が非常によく目立ちます。補習班とは台湾では中国語で学習塾のことです。

 

小学校以前から猛勉強を求める親と台湾の学校と子供たちの現状

子供の頃から読み書きの学習ばかりしなければいけない子供は何と可愛そうなことかと思っていましたが、実際に台湾のローカル小学校へ通学させる子供がいる親の視点から考えると・・・。そのような学習熱を過熱している諸悪の根源が、台湾の学校教育にあることに気が付きました。台湾の小学校の現状に関しては、別記事で詳細を書きたいと思いますが、一言で言えば「宿題が多過ぎ遊ぶ暇もなし」と言ったところです。

基本的には台湾では共働き夫婦が主流の社会であるため、毎日毎日宿題ばかり出されているため、学習塾に子供を預けなければ学校から課される課題をこなせないという現状があります。そして、今の子供たちは宿題をしていない時には、テレビやゲームに夢中になる世代です。こんな理由で、子供の頃から文字ばかりを見なければならない上に、テレビやゲームで目をいたずらに酷使している子供たちは視力が悪くなり近視になるのは目に見えています。このようにして成長した大人は必然的に眼鏡が身体の一部となっていくのでしょう。

 

眼鏡を止めることとスッピンで外出することの共通点

大人になるまでに眼鏡が体の一部のようになってしまった人が、突然、眼鏡を掛けることを止めて、コンタクトレンズにしようとするでしょうか?
台湾でもコンタクトレンズは販売されています。そして、そのコンタクトレンズの価格は高いのではないかと思われるかもしれませんが、台湾ではコンタクトレンズは品質の良し悪しはわかりませんが非常に安く販売されています。日本で販売されているコンタクトレンズの製造国を確認してみると、台湾製のものが多いことにも驚きます。台湾はコンタクトレンズの原産国であり輸出大国と言ってもよいでしょう。

それにも関わらず、眼鏡からコンタクトレンズに切り替えないのはなぜでしょうか?
台湾人の学生たちに聞いたところ、昔から眼鏡を掛けているからとの回答が多かったです。やはり、子供の頃に視力が悪くなり、身体の一部になってしまった眼鏡を手放すという選択肢がそもそも考えにないのだと思います。年頃になり一旦、化粧をした女性が、スッピンで出歩くことがないように、身体の一部になったものを外すことは非日常の入り口ということでしょう。

 

台湾では眼鏡はファッションの一部になったのか?

眼鏡を掛けていない学生に視力が悪くないのかどうか尋ねたところ、恥ずかしそうな表情で、昔は眼鏡を掛けていたけれどコンタクトレンズに替えたとのことでした。この学生は少なくても、眼鏡を掛けているよりも掛けていない方が外見はイケていると考えていたのだろうと私は思いました。

眼鏡を掛けている台湾人の中にも、眼鏡はダサいと思っている人はいると思いますが、日本人ほど台湾人はあまり外見に拘りを持っていないようです。それは、学生たちの普段着を見ても分かりますが、日本人のように常にお洒落を気にして外出する台湾人は余り多くないです。

同様に考えれば、眼鏡の機能性とファッションの良し悪しを天秤に掛けたら、台湾人にとっては眼鏡の機能性の方を重視しているという結果になっているのだろうと思います。そのため、台湾人にとっては眼鏡をファッションの一部として考えている人も少ないのではないでしょうか。それにしても、台湾人の若い女性は「ドクタースランプアラレちゃん」のような眼鏡を掛けている方が多いですね(笑)

 

視力は遺伝するのか?

親の視力が悪いと子供の視力も遺伝するのでしょうか?
このことについては、学術的な根拠は現在のところないようです。ただし、先天的な眼の病気を患っている場合は子供にもその病気が遺伝するような場合もあるようです。ただし、台湾という国家で国民全体に遺伝しているとは考え難いですので、遺伝によって視力が悪くなり、その結果、眼鏡比率が高いとは言えないでしょうね。

むしろ、親と同様の生活環境下で育てられた子供がその生活環境の影響を受けて、子供の視力が悪くなると考えた方が、正しいようです。例えば、癌は遺伝するのかという議論とよく似ていますね。癌細胞が子供に遺伝するというよりも、食生活などで癌を誘発させるような生活環境では、同じ親子は癌に掛かる確率が高まるという考え方と同じだと思います。

 

結論!?

最後に結論めいたことを言えば、一般的に学歴社会で教育熱が高い国では眼鏡比率が高いように感じます。また、ゲーム大国と言われるくらいゲーム好きが多い国にも眼鏡比率が高いように感じます。結局、子供の頃から視力が悪くなるような生活環境を強いられた子供は大人になっても眼鏡を掛けることになり、その比率はどんどん高くなっていくのだろうと思います。

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