台湾人にとって大切な面子文化と日本の世間体文化

台湾人の男性にとっての面子の考え方と彼らの見栄の張り方について、台湾現地からレポートします。

もう言い尽くされているため、敢えて取り上げなくてもよいかもしれませんが、台湾のメンツ文化について考えてみたいと思います。

台湾人に限らず、中華系民族の方たちに当てはまることだと思いますが、彼らにとって「面子(メンツ)」は人間関係上、非常に重要な要素となっています。

  • 台湾人の男性にとってメンツの示し方は?
  • 台湾人の車や腕時計に込められた気持ち
  • 台湾人の人脈や名刺で示される自己顕示
  • 台湾人がメンツを剥き出しにする瞬間はいつ?
  • 後藤新平は台湾人の特徴をどう表現した?

 

面子とは何か?

ある辞書によれば、別の言葉に置き換えれば「体面、面目」となり、「メンツを立てる」や「メンツを潰される」という表現でよく利用されています。もう少し日本的な言い方をすれば、「体裁、世間体」ということかもしれませんね。

「面子」は日本語でも中国語でも同じ意味で使われていますが、中国語での面子は「自分の顔」という意味ですが、日本的には自分の顔だけではなく、所属している会社や家族にとっての世間体をも意味するように感じます。

 

日本人が台湾人を見て面子文化を実感する瞬間

  • 腕時計
  • 人脈
  • 肩書き
  • お金の支払い

 

台湾人にとっての車と面子

台湾人は社会的地位が高くなればなるほど、あるいは社会的地位を高く見せたければ見せたいほど、車にお金を掛けます。

つまり、出来るだけ価格の高いベンツやBMWなどの高級車に乗りたがります。お金がなくても銀行から融資を受けてでも高級車を所有したがります。

そのためでしょうか、台湾では、大企業の社長だけではなく、中小企業の社長でも、高級車と思われているベンツに乗っている方の比率が非常に高いです。ステイタスが高い車と言えば、ベンツと考えられているのでしょう。

 

台湾人にとっての腕時計と面子

台湾人の面子は腕時計にも現れます。社会的ステイタスが高ければ高いほど、高級腕時計で見栄を張ります。

近年のスマホの普及もあり、腕時計を身に付ける人は少なくなって着ているかもしれませんが、中小企業の社長さんの腕時計を確認すると、特に年配の方はかなりの確率で高級腕時計を付けています。

身分相応、年齢相応の腕時計を付けることで面子を保とうとしているように感じます。

 

台湾人にとっての人脈と面子

台湾人の面子文化は人脈にも現れます。

自分がどれだけ広い人脈を持っているか、あるいは社会一般的に大物と言われる政治家やビジネス界の有名な方とのコネがあるかを顕示したがります。

一度、顔を合わせたことがあるだけ、あるいは名刺交換をしたことがあるだけであっても、台湾人の方にとっては自分の人脈とみなす傾向があります。

日本人以上に台湾人の方は人脈を重視し、尊重する文化があることは確かでしょう。

 

台湾人にとっての肩書きと面子

台湾に来て驚いたことの一つは肩書きです。頂いた名刺を見ると何らかの「長」が付く人ばかりです。

そして、それだけではなく学歴が名刺に記載されていたりします。具体的に言えば、「台湾大学経済学博士」というように大学名と取得学位が具体的に印刷されていたりします。

そして、クリニックに至っては、多くの場合は大学名と学位と経歴までクリニックの看板にデカデカと掲示されていたりします。

また、人を紹介する場合は、台湾大学などの一般的にステイタスが高いと思われている大学を卒業している場合は、「○×大学」の卒業です、というようにほぼ間違いなく大学名を付けて紹介します。

このように名刺を見るだけでも、台湾人の面子の考え方が見てとれます。

 

台湾人のお金の支払いと面子

台湾では多くの人が集まって食事をしたりする場合が日本以上に多いのが実状です。そして、食事が終わり、支払いの時にはステイタスが高いと思っている台湾人の方は、見栄を張ってお金を真っ先に支払います。

そのため、大人が2人でレジの前で自分が支払うと言わんばかりに請求書の取り合いをしているような滑稽な光景を見ることもあります。見栄の張り方はお金の支払いにも現れます。

このような場合は、一般的には、年齢が高い人や、それなりに地位が高い人が、最終的に支払うという流れになりますが、表向きだけは支払い明細の奪い合いをするのが台湾人の面子の現し方の一つでしょう。

 

台湾人の3つの特徴‐後藤新平の分析と台湾人の面子

その昔、台湾の民生長官だった後藤新平が、台湾人には大きく3つの特徴があると分析しました。簡単に言えば下記の3点になります。

  1. お金が大好き
  2. 死ぬことが非常に怖い
  3. 面子を非常に大切にする

面子とは必ずしも見栄を張ることだけを意味するのではなく、年齢的な序列、社会の秩序、人間関係を築く手段など社会の様々な背景があり、その中で醸成された個人の顔を表現する一つの方法のようなもの。

台湾での面子の表現の仕方は、お金の支払いだけではなく、車や腕時計はお金持ちの象徴を示すものなのでしょう。
そして、社会の中での存在感を示す方法として、あるいは自分を最大限に誇示する方法として、人脈や肩書きが重視されるのだと感じます。

 

台湾的面子文化と日本的世間体文化

最後に、日本人の私から見て台湾人の面子文化は、自分の面子を立てることだけではなく、他人の面子も最大限に立てる習慣があります。

人を紹介する場合は、紹介される側が恥ずかしくなるくらい目一杯、最大限に人を持ち上げます。自分の面子を大切にするだけではなく、他人の面子も非常に大切にするのが台湾流メンツ文化なのでしょう。

一方、日本人はそれ程までは自分のメンツに対して強い思い入れはありませんね。むしろ、他人からの視線や世間体を非常に気にする文化だと思います。

その象徴は、伝統的な「村社会」であり、「村八分」という言葉に集約されるのだと思います。自分の顔を重視するのではなく、組織の調和を非常に大切にして、他人の顔に泥を塗らないことを心がけるのが日本流の世間体文化なのかもしれません。

 

関連記事:台湾在住日本人が感じる台湾人男性にとって重要な5つの特徴的価値観

コメント

  1. tomo より:

    来年4月~、エアアジアジャパンが名古屋ー桃園を運航することを
    発表しました。ご参考ください。

    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151006-00000005-awire-bus_all

    • いいぞっ より:

      嬉しいニュースです。
      ようやく、名古屋発着便(⇔台湾)のLCCが就航するのでしょうか!?
      ヤフーのトップニュースになっていますので、間違いないと信じたいです。
      過去には、遠東航空(名古屋⇔台中)の事例もありますので・・・。

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