【実録】海外移住前の自動車の廃車手続き(一時抹消)費用とメリット

海外移住をする際に所有物をどうするかという問題は、よく考えておいた方がよいでしょう。私の失敗経験から自動車の登録抹消手続きなどをレポートします。

長期間、日本を離れ、親族などを含めて車を運転しない期間が長くなる場合は、自動車(軽自動車は除く)の登録抹消をしておくと、様々なメリットがあることを改めて知りました。そのあたりの情報もシェアしようと思います。

 

自動車の登録抹消プロセス

一般的に自動車の廃車といわれているものは、厳密には、以下のように永久抹消登録と一時抹消登録に分かれます。長期間の海外移住で日本で所有している自動車を一時的に使用しない場合は、一時抹消登録の手続きをすることになります。

  • 永久抹消登録:自動車の解体手続きによる完全な抹消。(災害による抹消も含む)
  • 一時抹消登録:自動車の一時的な使用中止。(盗難による抹消も含む)

一時抹消登録の手続きについて、まずはじめにするべきことは、自動車車検証と印鑑証明書を用意して、氏名と住所を確認してみて下さい。車検証と印鑑証明書の氏名と住所が同じ場合は、比較的簡単に手続きを進めることができます。

業者や行政書士などに依頼する場合と、自分で手続きをする場合では必要な書類などは異なりますが、手続きはそれ程難しくないため、自分で登録抹消手続きをしてもよいでしょう。

 

自分で自動車の一時抹消登録に必要書類など

  1. 所有者の印鑑証明書(発行日から3ヵ月以内のもの)
  2. 実印
  3. 車検証
  4. ナンバープレート(前後面の2枚)
  5. 手数料納付書
  6. 一時抹消登録申請書
  7. 自動車税・自動車取得税申告書(地域により不要)

これら必要書類などを運輸支局へ出向いて、350円の手数料を支払えば手続きは完了します。思ったよりも簡単ですね。

自分で自動車を一時抹消の手続きをするのに掛かった費用は、下記の通りで合計1,450円でした。

  • 印鑑証明書(1通) 200円
  • 戸籍の附票(1通) 200円
  • 住民票の除票(1通)300円
  • 抹消手数料(印紙)  700円(350円×2枚)
  • 申請用紙代        50円

 

引越しなどで車検証と印鑑証明書の住所が異なる場合

自動車を取得した時から引っ越しを一度もしないで、車検証と印鑑証明書の住所が同じ方は、印鑑証明書を役所で発行してもらえばOKですが、住所が異なる場合は少し面倒な手続きが必要になります。

自動車車検証と印鑑証明書の住所が異なる場合は、その間に引っ越しをして住所が変わった全ての住所地を証明する公的書類が必要になります。公的書類とは、住民票の除票または戸籍の附票のことです。

まず、住民票の除票は、引っ越し後に住民登録をした地域の役所で取得できるものですが、その後引っ越しをして住民票を移した場合は、その時から5年以上経過するとそのデータは抹消されてしまいます。

そのため、過去5年以内の住民票の除票(引越しをして住民登録が抹消されたことを示す証明書)は取得できますが、5年を越える過去の住民票の除票は基本的に取得できません。

また、戸籍の附票とは、戸籍の附票は本籍がある地域の役所で発行してもらうことができる証明書で、住所の「移転履歴」を記録した公的書類です。つまり、過去の引越し先の住所が全て記録されています。

ところが、引越しをするたびに本籍を移す手続きである転籍の届けをしている場合は、困ったことに転籍後の住所の移転記録しか記載されないのです。つまり、戸籍の転籍を過去に何度もしていると、戸籍の附票では過去5年以前の引越し先(住所地)を証明することができなくなってしまいます。

結論を簡単に言えば、過去に引越しを何度もしていて、特に過去5年以前に戸籍も移動させている場合は、その期間の住所地を証明するものはなくなります。(過去の住民票のデータは抹消、戸籍の附票も本籍地でのみしか取得できないため)

 

住所が異なる場合の必要書類の具体的事例

上記の通り、住所地が自動車車検証と印鑑証明書で異なる場合は、その異なる住所を繋ぐ公的証明書が必要になります。例えば下記のような事情です。

A市 10年前に自動車登録
B市 8年前に引越し(戸籍の転籍も)
C市 7年前に引越し(戸籍の転籍も)
D市 4年前に引越し(戸籍の転籍も)
E市 2年前に引越し(戸籍の転籍も)

過去5年を超えるA市、B市、C市の住所を証明する公的書類(住民票の除票、戸籍の附票)は発行してもらうことができません。幸い、私の場合は、下記のような事情でした。

A市 10年前に自動車登録(戸籍はE市だった)
B市 8年前に引越し(戸籍の転籍も)
C市 7年前に引越し(戸籍の転籍も)
D市 4年前に引越し(戸籍の転籍も)
E市 2年前に引越し(戸籍の転籍も)

つまり、自動車を取得して登録した時は、実際にはB市在住だったのですが、親が住んでいるA市の住所で自動車を登録していました。その際、戸籍はE市にありました。たまたま、戸籍だけに注目すると、元々戸籍のあるE市に戻ってきた形になり、車検証の住所(A市)を証明するために、現在戸籍があるE市で戸籍の附票を発行してもらえば、A市の住所地が記載されていました。ところが、やはり、B市とC市を証明する公的書類は発行する方法はありません。

 

過去の住所地を証明する公的書類がない場合の対応方法

そこで、自動車登録や抹消の事務をしている運輸支局に確認してみました。上記のような事情を説明すると、「5年経過申立書」というものがあり、その書類を提出すれば問題ないとのことでした。

超イレギュラーなケースかもしれませんが、散々ネットで探しまくった挙句、ネット上にはあまり出てこなかった新事実が判明しました(私的には)。住民基本台帳法施行令第34条に基づき住民票(除票)・戸籍の附票など既に5年経過して証明書の交付が受けられない場合に限り、必要になる書類です。

 

自動車の一時抹消登録をするメリット

海外移住する場合、自動車に関する抹消手続きについて、ご紹介しましたが、抹消手続きをすることの、メリットについて簡単にご紹介します。

単刀直入に言えば、いろいろな還付金が戻ってきます。一時抹消する場合に戻ってくる還付金は下記の通りです。

  • 自動車税
  • 自賠責保険
  • 任意自動車保険

また、永久抹消する場合に限り、自動車重量税の還付も受けられます。

自動車税ですが、4月を基準に月割りで計算されるため、例えば9月に一時抹消の手続きをする場合は、10月から翌年3月までの6か月分が還付されます。

自賠責保険についても支払い済み保険額の残額が1ヶ月以上ある場合は還付されるようですので、保険会社に問い合わせてみましょう。

任意自動車保険の場合も、支払済み保険料の残額がある場合は還付申請を行うことができる場合があります。各保険会社の社内規定により還付申請をすることが出来ない場合もあるようですので、保険会社に問い合わせてみましょう。

1年以上日本に帰国する予定もなく、親類などにも自動車を利用する予定がない場合は、一旦一時抹消をしておけば、少なくても年間10万円以上の節約になることでしょう。
もし、日本に帰国した場合は、再び自動車の登録(車検も必要)をすればよいでしょう。

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