台湾人妻と日本人夫の国際結婚カップルの出産物語(長男編)

長男が生まれた時の過去の記事を読み返して回想してみます。

陣痛が始まった時間は深夜1時頃らしいが、夫(=私)が嫁殿の異変に気づいたのが3時30分頃であった。

それから、朝の6時頃まで陣痛のピッチを確認し、6時過ぎに病院に連絡したところ、すぐ来院するようにとのゴーサインが出たため、準備をして病院へ直行することになった。

病院に到着すると、出産のための準備がすでに整っていたため、出産前の準備と検査を受けることになった。

約1時間で、出産前の準備と検査を終えて、部屋に戻ってきたが、この時点で陣痛のピッチもかなり早くなってきているようだった。

耐えがたい痛みと闘う嫁殿の歪む顔を見て、代わってあげたいという気持ちにもなる。

更に1時間強の時間が経つと、陣痛に耐えられなくなったため、分娩室に近い部屋へ移動することになった。

おっ、いよいよ出産か?

と思ったが、助産師さんからは、力を抜いてリラックスするようにと言われ、まだゴーサインがでない。

そこで悶えること、40分くらいが経った頃、もう耐え切れない様子で、再び助産師へナースコール。

再び、助産師登場。

今度はすんなり、ゴーサインが出て、いざ出陣!

さっそうと、二人そろって闘いのリング(分娩台)へ向かう。

おっ、おっーー!

そこは、かつて私がドラマで見た光景に近い分娩室であった。

ここが、我々二人の闘いの場となる、分娩室かっ!

何だが、足の先から、全身の血が頭へ向かっていくような、武者震いを感じた。

いざ、挑戦者である嫁殿は、リングへ上がり、近づく闘いへ神経を集中させる。

痛むお腹が、集中力を分散させる。

しかし、リングに上がる前から、もう既に、闘いは始まっていた。

それは、自分との闘いであった。

助産師か看護師か分からないが、点滴を持ち出してきた。

しかも、針はかなりの太さである。

おおっ、これは、もしや凶器を持ち出して、反則攻撃か?

腕に太い針が刺さっていったが、針の刺さる痛さより、お腹の痛さが辛いらしい。

リング場では、レフリー(助産師)から各部のチェックがされた。

特に異常はなかった。

針が刺さると同時に、闘い開始のゴングが鳴らされた。

時刻は、AM10:20だった。

出産準備は着々と進んでいるようだった。

試合開始のゴングが鳴ってから、5分が経った頃、事態は急展開する。

お腹への連続的な攻撃が、妊婦を苦しめ、その痛みが体力を消耗させているようでもあった。

レフリーはそのあたりの状況を的確に判断しているようだった。

激しい陣痛が来た時を見計らって、押し出すように力を入れるように指示があった。

指示通り、渾身の力でお腹を中心とした全身に力を加える。

痛みが引いていくと、しばらく間合いを取って、呼吸を整える嫁殿。

おっ、再び、容赦ないお腹への激しい攻撃が始まる。

そこで、タイミングを見計らっていた助産師が、「ファイッ!」

再び、闘いへの指示が飛ぶ。

3度目のお腹への攻撃を受けたとき、その痛みはピークに達して、レフリーからゴーサインが出た。「もう少しだよっ!」

おおっ!

セコンドの夫も神経を集中する。

大丈夫か?全身の神経を嫁殿に注入するかのように、闘いを見守る。

その瞬間だった。

闘いの決着はあっけなく終わった。

「ギャーッ、ギャーッ」という泣き声がリング場にこだました。

勝負を決するための最終チェックが行われる。

手や足のチェックが行われた瞬間、長い闘いの勝負が決着した。

われわれ、「日本人夫×台湾人妻」の圧勝という結末で終結した。

 

その日、真夜中に妻がお腹を擦って痛がっている様子が思い浮かびます。これはただ事ではないと感じて、夜明けが明けるのを待って、妻の我慢も限界になった頃、掛かり付けの産婦人科の病院に電話をしました。

それからのことは、慌しくてあまり覚えていませんが、妻がかなり痛がっていたことだけは、よく覚えています。

長男が生まれた瞬間は、夢か現実か分からないくらい、感動したことを覚えています。あの時から随分と月日が経過しましたが、生まれた瞬間だけは昨日のように記憶が蘇ってきます。

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